Oracle® Developer Studio 12.5: パフォーマンスライブラリユーザーズガイド

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更新: 2016 年 6 月
 
 

信号処理ライブラリルーチン

Oracle Developer Studio パフォーマンスライブラリには、高速フーリエ変換、サイン変換とコサイン変換、および畳み込みと相関を計算するためのルーチンが含まれています。

FFT ルーチン

Oracle Developer Studio パフォーマンスライブラリでは、以前のリリースの Oracle Developer Studio パフォーマンスライブラリで提供されていた FFTPACK および VFFTPACK ルーチンの一部に代わる、一連の FFT インタフェースが提供されています。古い FFT インタフェースは下位互換性のために残されていますが、新しいインタフェースを使用することをお勧めします。個々の FFT ルーチンの詳細については、セクション 3P のマニュアルページを参照してください。

表 62 は、Oracle Developer Studio パフォーマンスライブラリの FFT ルーチンと、対応する FFTPACK および VFFTPACK ルーチンのマッピングを示しています。(P) はルーチンが並列化されていることを表します。

表 62  FFT ルーチン
ルーチン
置き換え対象
機能
CFFTC (P)
CFFTI
CFFTF (P)
CFFTB (P)
三角法の重みと係数のテーブルを初期化します。あるいは、複素数列の 1 次元前方/逆 FFT を計算します。
CFFTC2 (P)
CFFT2I
CFFT2F (P)
CFFT2B (P)
三角法の重みと係数のテーブルを初期化します。あるいは、2 次元複素数配列の 2 次元前方/逆 FFT を計算します。
CFFTC3 (P)
CFFT3I
CFFT3F (P)
CFFT3B (P)
三角法の重みと係数のテーブルを初期化します。あるいは、3 次元複素数配列の 3 次元前方/逆 FFT を計算します。
CFFTCM (P)
VCFFTI
VCFFTF (P)
VCFFTB (P)
三角法の重みと係数のテーブルを初期化します。あるいは、2 次元複素数配列に格納された一連のデータ列の 1 次元前方/逆 FFT を計算します。
CFFTS
RFFTIRFFTB
EZFFTIEZFFTB
三角法の重みと係数のテーブルを初期化します。あるいは、複素数列の 1 次元逆 FFT を計算します。
CFFTS2
RFFT2I
RFFT2B
三角法の重みと係数のテーブルを初期化します。あるいは、2 次元複素数配列の 2 次元逆 FFT を計算します。
CFFTS3 (P)
RFFT3I
RFFT3B
三角法の重みと係数のテーブルを初期化します。あるいは、3 次元複素数配列の 3 次元逆 FFT を計算します。
CFFTSM
VRFFTI
VRFFTB (P)
三角法の重みと係数のテーブルを初期化します。あるいは、2 次元複素数配列に格納された一連のデータ列の 1 次元逆 FFT を計算します。
DFFTZ
DFFTIDFFTF
DEZFFTIDEZFFTF
三角法の重みと係数のテーブルを初期化します。あるいは、倍精度数列の 1 次元前方 FFT を計算します。
DFFTZ2
DFFT2I
DFFT2F
三角法の重みと係数のテーブルを初期化します。あるいは、2 次元倍精度配列の 2 次元前方 FFT を計算します。
DFFTZ3 (P)
DFFT3I
DFFT3F
三角法の重みと係数のテーブルを初期化します。あるいは、3 次元倍精度配列の 3 次元前方 FFT を計算します。
DFFTZM
VDFFTI
VDFFTF (P)
三角法の重みと係数のテーブルを初期化します。あるいは、2 次元倍精度配列に格納された一連のデータ列の 1 次元前方 FFT を計算します。
SFFTC
RFFTIRFFTF
EZFFTIEZFFTF
三角法の重みと係数のテーブルを初期化します。あるいは、実数シーケンスの 1 次元前方 FFT を計算します。
SFFTC2
RFFT2I
RFFT2F
三角法の重みと係数のテーブルを初期化します。あるいは、2 次元実数配列の 2 次元前方 FFT を計算します。
SFFTC3 (P)
RFFT3I
RFFT3F
三角法の重みと係数のテーブルを初期化します。あるいは、3 次元実数配列の 3 次元前方 FFT を計算します。
SFFTCM
VRFFTI
VRFFTF (P)
三角法の重みと係数のテーブルを初期化します。あるいは、2 次元実数配列に格納された一連のデータ列の 1 次元前方 FFT を計算します。
ZFFTD
DFFTIDFFTB
DEZFFTIDEZFFTB
三角法の重みと係数のテーブルを初期化します。あるいは、倍精度複素数列の 1 次元逆 FFT を計算します。
ZFFTD2
DFFT2I
DFFT2B
三角法の重みと係数のテーブルを初期化します。あるいは、2 次元倍精度複素数配列の 2 次元逆 FFT を計算します。
ZFFTD3 (P)
DFFT3I
DFFT3B
三角法の重みと係数のテーブルを初期化します。あるいは、3 次元倍精度複素数配列の 3 次元逆 FFT を計算します。
ZFFTDM
VDFFTI
VDFFTB (P)
三角法の重みと係数のテーブルを初期化します。あるいは、2 次元倍精度複素数配列に格納された一連のデータ列の 1 次元逆 FFT を計算します。
ZFFTZ (P)
ZFFTI
ZFFTF (P)
ZFFTB (P)
三角法の重みと係数のテーブルを初期化します。あるいは、倍精度複素数列の 1 次元前方/逆 FFT を計算します。
ZFFTZ2 (P)
ZFFT2I
ZFFT2F (P)
ZFFT2B (P)
三角法の重みと係数のテーブルを初期化します。あるいは、2 次元倍精度複素数配列の 2 次元前方/逆 FFT を計算します。
ZFFTZ3 (P)
ZFFT3I
ZFFT3F (P)
ZFFT3B (P)
三角法の重みと係数のテーブルを初期化します。あるいは、3 次元倍精度複素数配列の 3 次元前方/逆 FFT を計算します。
ZFFTZM (P)
VZFFTI
VZFFTF (P)
VZFFTB (P)
三角法の重みと係数のテーブルを初期化します。あるいは、2 次元倍精度複素数配列に格納された一連のデータ列の 1 次元前方/逆 FFT を計算します。

高速コサイン/サイン変換

Oracle Developer Studio パフォーマンスライブラリの高速コサイン/サイン変換ルーチンは、FFTPACK (http://www.netlib.org/fftpack/) 内のルーチンに基づいています。接頭辞 V の付いたルーチンは、VFFTPACK (http://www.netlib.org/vfftpack/) 内のルーチンに基づく、ベクトル化されたルーチンです。

表 63 に、Oracle Developer Studio パフォーマンスライブラリのサインおよびコサイン変換ルーチンを示します。

表 63  サインおよびコサイン変換ルーチン
ルーチン
機能
COSQBDCOSQBVCOSQBVDCOSQB
コサイン 1/4 波合成。
COSQFDCOSQFVCOSQFVDCOSQF
コサイン 1/4 波変換。
COSQIDCOSQIVCOSQIVDCOSQI
コサイン 1/4 波変換および合成を初期化します。
COSTDCOSTVCOSTVDCOST
コサイン偶数波変換。
COSTIDCOSTIVCOSTIVDCOSTI
コサイン偶数波変換を初期化します。
SINQBDSINQBVSINQBVDSINQB
サイン 1/4 波合成。
SINQFDSINQFVSINQFVDSINQF
サイン 1/4 波変換。
SINQIDSINQIVSINQIVDSINQI
サイン 1/4 波変換および合成を初期化します。
SINTDSINTVSINTVDSINT
サイン奇数波変換。
SINTIDSINTVSINTIVDSINTI
サイン奇数波変換を初期化します。

畳み込みおよび相関ルーチン

表 64 に、Oracle Developer Studio パフォーマンスライブラリの畳み込みおよび相関ルーチンを示します。

表 64  畳み込みおよび相関ルーチン
ルーチン
機能
xCNVCOR
畳み込みまたは相関を計算します
xCNVCOR2
2 次元の畳み込みまたは相関を計算します