Oracle® Developer Studio 12.5: パフォーマンスライブラリユーザーズガイド

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更新: 2016 年 6 月
 
 

アプリケーションパフォーマンスの向上

以降のセクションでは、ソースコードの変更や再コンパイルを行わずに Oracle Developer Studio パフォーマンスライブラリのルーチンを使用する方法について説明します。

Oracle Developer Studio パフォーマンスライブラリのルーチンによるルーチンの置き換え

多くのアプリケーションには、LAPACK や BLAS などの Netlib 基本ライブラリが 1 つ以上使用されています。Oracle Developer Studio パフォーマンスライブラリではこれらのライブラリと同じインタフェースおよび機能が維持されているため、Netlib の基本ルーチンを Oracle Developer Studio パフォーマンスライブラリのルーチンに置き換えることができます。Oracle Developer Studio パフォーマンスライブラリのルーチンは、対応する Netlib ルーチンやほかのベンダーによって提供される同様のルーチンより高速化できるため、アプリケーションのパフォーマンスが向上します。

ほかのライブラリのパフォーマンス向上

多くの商用数学ライブラリは、BLAS および LAPACK の汎用ルーチンを核として構築されています。アプリケーションが別のライブラリの独自インタフェースに依存しているためそのライブラリ全体の置き換えはできない場合、そのライブラリで使用されている BLAS および LAPACK ルーチンを Oracle Developer Studio パフォーマンスライブラリの BLAS および LAPACK ルーチンに置き換えることができます。コアルーチンの置き換えにはコード変更は必要ないため、独自のライブラリ機能は引き続き使用でき、ライブラリ内のその他のルーチンは変更せずに残すことができます。

ツールを使用したコード再構築

Oracle Developer Studio パフォーマンスライブラリのルーチンを直接使用しない一部のライブラリは、既存のコードを Oracle Developer Studio パフォーマンスライブラリのコードに置き換える自動コード再構築ツールを使用して変更できます。たとえば、ソースからソースへの変換ツールは、既存の BLAS コードの構造を、Oracle Developer Studio パフォーマンスライブラリの BLAS ルーチンの呼び出しに置き換えることができます。これらの変換ツールは、ユーザーによって記述された多くの行列乗算も認識し、それらを Oracle Developer Studio パフォーマンスライブラリの行列乗算サブルーチンの呼び出しに置き換えることができます。