Oracle® Developer Studio 12.5: パフォーマンスライブラリユーザーズガイド

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更新: 2016 年 6 月
 
 

Oracle Developer Studio パフォーマンスライブラリに含まれているライブラリ

パフォーマンスライブラリには、次の標準ライブラリの拡張バージョンが含まれています。

  • LAPACK バージョン 3.5.0 – 線形代数問題解決用です。

  • BLAS1 (Basic Linear Algebra Subprograms、基本線形代数サブプログラム) – ベクトルとベクトルの演算実行用です。

  • BLAS2 – 行列とベクトルの演算実行用です。

  • BLAS3 – 行列と行列の演算実行用です。

  • Netlib Sparse-BLAS - スパースベクトル演算実行用です。

  • NIST Sparse-BLAS 0.5 - 基本的なスパース行列演算実行用です。

  • SuperLU 3.0 - スパース連立 1 次方程式の解決用です。

  • Sparse Solver - ダイレクトスパースソルバールーチン

  • FFTPACK - 高速フーリエ変換の実行

  • VFFTPACK - ベクトル化された高速フーリエ変換の実行

  • XBLAS - 高精度基本線形代数サブルーチン

  • その他のルーチン - 転置、畳み込み、相関、およびソート


注 -  LINPACK は Oracle Developer Studio パフォーマンスライブラリから削除されました。LAPACK バージョン 3.5.0 は、LINPACK および以前のバージョンの LAPACK すべてに代わるものです。LINPACK ルーチンがまだ必要な場合、LINPACK ライブラリおよびドキュメントは http://www.netlib.org から入手できます。

Oracle Developer Studio パフォーマンスライブラリは静的ライブラリ形式と動的ライブラリ形式の両方で使用できます。sparcvissparcvis2、および sparcfmaf には最適化された SPARC バージョンがあり、Oracle Solaris 11 および Oracle Linux オペレーティングシステムには高度なアーキテクチャーがあります。Oracle Solaris 11 システムおよび Oracle Linux システムの x86/x64 アーキテクチャー用に最適化されたバージョンもあります。すべてのバージョンがマルチプロセッサプラットフォーム上での並列プログラミングをサポートしています。詳細については、Oracle Developer Studio 12.5: リリースノートを参照してください。

Oracle Developer Studio パフォーマンスライブラリの LAPACK ルーチンは Fortran 95 コンパイラでコンパイルされており、Netlib の LAPACK バージョン 3.5.0 ライブラリとの互換性を保っています。パフォーマンスライブラリバージョンのこれらのルーチンは、Fortran 呼び出し可能ルーチンと同じ操作を実行し、標準の Netlib バージョンと同じインタフェースを持っています。

LAPACK にはドライバルーチン、計算ルーチン、および補助ルーチンが含まれています。補助ルーチンは予告なく変更されたり LAPACK から削除されたりする可能性があるため、パフォーマンスライブラリではサポートされていません。補助ルーチンはサポートされていないため、このユーザーガイドにも 3P セクションのマニュアルページにも記載されていません。

多くの補助ルーチンでは、ルーチン名の 2 番目および 3 番目の文字として LA が使用されていますが、そうでないものもあります。『LAPACK User's Guide, Third Edition』 の付録 B に補助ルーチンのリストがあります。

Netlib について

Netlib は数学関連のソフトウェア、論文、およびデータベースのオンラインリポジトリで、AT&T ベル研究所、テネシー大学、オークリッジ国立研究所、および世界中の専門家によって管理されています。

Netlib では、Oracle Developer Studio パフォーマンスライブラリで使用されているライブラリのほかにも多数のライブラリが提供されています。このようなライブラリの一部は、パフォーマンスライブラリで使用されているライブラリに似ていても異なっている場合があり、パフォーマンスライブラリとの互換性がないことがあります。

ほかのライブラリのルーチンを使用すると、Oracle Developer Studio パフォーマンスライブラリのルーチンとだけでなく、Netlib LAPACK 基本ルーチンとも互換性の問題が発生する可能性があります。ほかのライブラリのルーチンを使用する場合は、それらのライブラリに付属のドキュメントを参照してください。

たとえば、Netlib では CLAPACK ライブラリが提供されていますが、CLAPACK インタフェースは Oracle Developer Studio パフォーマンスライブラリに含まれている C インタフェースとは異なっています。Netlib には LAPACK 90 ライブラリパッケージもあります。 LAPACK 90 ライブラリのインタフェースは、Oracle Developer Studio パフォーマンスライブラリの Fortran 95 インタフェースおよび Netlib LAPACK バージョン 3.5.0 のインタフェースとは異なっています。LAPACK 90 を使用する場合は、そのライブラリに付属のドキュメントを参照してください。

Oracle Developer Studio パフォーマンスライブラリでサポートされている基本ライブラリについては、Netlib にある詳細情報がこのユーザーズガイドの補足となる場合があります。『LAPACK User's Guide, Third Edition』 では、LAPACK のアルゴリズムおよびルーチンの使用方法が説明されていますが、基本ルーチンに対して Oracle Developer Studio パフォーマンスライブラリで行われた拡張は説明されていません。

関連ドキュメント

LAPACK User's Guide』は、LAPACK バージョン 3.5.0 基本ルーチンに関する公式の解説書です。『LAPACK Users' Guide』のオンラインバージョンは http://www.netlib.org/lapack/lug/、印刷されたバージョンは SIAM (Society for Industrial and Applied Mathematics) http://www.siam.org から入手できます。

Oracle Developer Studio パフォーマンスライブラリのルーチンには、『LAPACK Users' Guide』で説明されていないパフォーマンス向上、拡張、および機能が含まれています。ただし、Oracle Developer Studio パフォーマンスライブラリでは LAPACK 基本ルーチンとの互換性が維持されているため、LAPACK ガイドは LAPACK ルーチンおよび Fortran インタフェースの参考資料として使用できます。


注 -  LINPACK は Oracle Developer Studio パフォーマンスライブラリから削除されました。LINPACK ライブラリおよびドキュメントは、http://www.netlib.org から引き続き入手できます。

Oracle Developer Studio パフォーマンスライブラリの基礎となっているパフォーマンスライブラリルーチンの説明については、次の場所を参照してください。

LAPACK バージョン 3.5.0

http://www.netlib.org/lapack/

BLAS、レベル 1 - 3

http://www.netlib.org/blas/

FFTPACK バージョン 4

http://www.netlib.org/fftpack/

VFFTPACK バージョン 2.1

http://www.netlib.org/vfftpack/

スパース BLAS

http://www.netlib.org/sparse-blas/index.html

NIST (米国標準技術局) Fortran スパース BLAS

http://math.nist.gov/spblas/

SuperLU バージョン 3.0

http://crd.lbl.gov/~xiaoye/SuperLU/