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Oracle® Solaris Cluster 4.4 データサービスの計画と管理

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更新: 2018 年 8 月
 
 

クリティカルサービスが優先されることの指定

クラスタが、ミッションクリティカルサービスと非クリティカルサービスの組み合わせを実行するように構成されていることがあります。たとえば、クリティカルな顧客サービスをサポートするデータベースが、非クリティカルな調査タスクと同じクラスタ内で実行されることがあります。

非クリティカルサービスがクリティカルサービスのパフォーマンスに影響を与えることのないようにするには、そのクリティカルサービスが優先されることを指定します。クリティカルサービスが優先されることを指定することにより、非クリティカルサービスがクリティカルサービスと同じノード上で実行されることが回避されます。

すべてのノードが動作中の場合、クリティカルサービスは、非クリティカルサービスとは別のノード上で実行されます。ただし、クリティカルサービスの障害のために、非クリティカルサービスが実行されているノードにそのサービスがフェイルオーバーすることがあります。この状況では、そのノードのコンピューティングリソースがミッションクリティカルサービスに完全に専用になるようにするために、非クリティカルサービスをただちにオフラインにします。

クリティカルサービスが優先されることを指定するには、それぞれの非クリティカルサービスのリソースグループ上で、そのクリティカルサービスを含むリソースグループに対する強い否定的なアフィニティーを宣言します。

# clresourcegroup set|create -p RG_affinities=--critical-rg noncritical-rg
noncritical-rg

非クリティカルサービスを含むリソースグループを指定します。このリソースグループは、別のリソースグループに対する強い否定的なアフィニティーを宣言している場所のリソースグループです。

-p RG_affinities=--critical-rg

クリティカルサービスを含むリソースグループを指定します。このリソースグループは、強い否定的なアフィニティーを宣言している相手のリソースグループです。

リソースグループは、強い否定的なアフィニティーを持っている相手のリソースグループから遠ざかります。

強い否定的なアフィニティーのターゲットをオフラインにしたとき、その強い否定的なアフィニティーのソースは、すべてのノード上でオフラインである可能性があります。この状況では、その強い否定的なアフィニティーのソースは自動的にオンラインになります。リソースグループは一般に、ノードリスト内のノードの順序および宣言されているアフィニティーに基づいて、最優先ノード上でオンラインになります。

たとえば、リソースグループ rg1 が、リソースグループ rg2 に対する強い否定的なアフィニティーを宣言しているとします。リソースグループ rg1 が最初、すべてのノード上でオフラインであるのに対して、リソースグループ rg2 はあるノード上でオンラインです。管理者が rg2 をオフラインにした場合、rg1 は自動的にオンラインになります。

clresourcegroup suspend コマンドを使用すると、強いアフィニティーまたはクラスタ再構成のために、強い否定的なアフィニティーのソースが自動的にオンラインになることを回避できます。

使用例 62  クリティカルサービスが優先されることの指定

この例では、非クリティカルリソースグループ ncrg1 および ncrg2 を、これらのリソースグループよりクリティカルリソースグループ mcdbrg が確実に優先されるように変更するためのコマンドを示します。この例では、リソースグループ mcdbrgncrg1、および ncrg2 が存在すると仮定します。

# clresourcegroup set -p RG_affinities=--mcdbrg ncrg1 ncrg2