クラスタファイルシステムに ZFS ストレージプールを使用する HAStoragePlus リソースを作成するには、このタスクを実行します。
UFS ファイルシステムを使用する HAStoragePlus でクラスタファイルシステムを作成する場合は、代わりに UFS ファイルシステムを使用してクラスタファイルシステムの HAStoragePlus リソースを設定する方法を参照してください。
# zpool create mypool /dev/dsk/c0t0d0
![]() | 注意 - 構成済みの定足数デバイスを ZFS ストレージプールに追加しないでください。構成済みの定足数デバイスがストレージプールに追加されると、ディスクのラベルが EFI ディスクに変更され、定足数構成情報が失われ、さらにディスクはクラスタに定足数投票を提供しなくなります。ディスクがストレージプールにある場合、そのディスクを定足数デバイスとして構成できます。あるいは、ディスクの構成を解除し、それをストレージプールに追加したあと、そのディスクを定足数デバイスとして再構成することができます。 |
Oracle Solaris Cluster 構成内に ZFS ストレージプールを作成する場合は、次の要件に従ってください。
ZFS ストレージプールの作成元となるすべてのデバイスが、クラスタ内のすべてのノードからアクセス可能なことを確認してください。これらのノードは、HAStoragePlus リソースが属するリソースグループのノードリストで構成されている必要があります。
zpool(8) コマンドに対して指定した Oracle Solaris デバイス識別子 (たとえば、/dev/dsk/c0t0d0) が、cldevice list -v コマンドに認識されることを確認してください。
最適なパフォーマンスのために、ディスク全体を使用して ZFS ストレージプールを作成します。Oracle Solaris 論理デバイスを ZFS ファイルシステムとして指定すると、ディスクの書き込みキャッシュを有効にすることによってパフォーマンスが向上します。ディスク全体が指定された場合、ZFS ファイルシステムはそのディスクに EFI でラベル付けします。
DID デバイス上に zpool を作成している場合は、スライスを指定する必要があります。/dev/did/dsk/dN は、ディスクラベルを破損させる可能性があるため使用しないでください。
ZFS ストレージプールを作成する方法については、Managing ZFS File Systems in Oracle Solaris 11.4 の Creating ZFS Storage Poolsを参照してください。
# zpool export mypool
フェイルオーバーグループを作成するには、次の手順を実行します。
# clresourcegroup create mypool-rg
スケーラブルグループを作成するには、次の手順を実行します。
# clresourcegroup create -S [-p Maximum_primaries=m] [-p Desired_primaries=n] \ [-n node-zone-list] mypool-rg
# clresourcetype register SUNW.HAStoragePlus
# clresource create -g resource-group -t SUNW.HAStoragePlus \ -p GlobalZpools=mypool \ mypool hasp-resource
# cldevicegroup create [-p poolaccess=global] \ [-p searchpaths=/dev/did/dsk] [-p readonly=false]\ [-n node-list] -t zpool mypool # clresource create -g resource-group -t SUNW.HAStoragePlus \ -p GlobalZpools=mypool hasp-resource
リソースは有効状態で作成されます。
# clresource set -p Resource_dependencies_offline_restart=\ hasp-resource application-resource
# clresourcegroup online -M resource-group
この時点で、ストレージプール内に追加の ZFS ファイルシステムを作成することもできます。これらのファイルシステムはすべて、クラスタファイルシステムとしてグローバルにマウントされます。ストレージプール内に追加の ZFS ファイルシステムを作成する場合は、ステップ 9 およびステップ 10 に従ってください。
ZFS プール内に ZFS ファイルシステムを作成する場合は、次の要件に従ってください。
同じ ZFS ストレージプール内に複数の ZFS ファイルシステムを作成できます。
HAStoragePlus は、ZFS ファイルシステムボリューム上に作成されたファイルシステムをサポートしていません。
ZFS ファイルシステムを FilesystemMountPoints 拡張プロパティーに含めないでください。
必要に応じて、ZFS の failmode プロパティーの設定を、continue または panic のどちらか、要件に当てはまる方に変更します。
ZFS ファイルシステムを作成するときに、その暗号化を選択できます。 HAStoragePlus リソースは、リソースのオンライン化中にプール内のすべてのファイルシステムを自動的にマウントします。マウント中に鍵またはパスフレーズを対話式に入力する必要がある暗号化されたファイルシステムでは、リソースをオンラインにする際に問題が発生します。
問題を回避するために、HAStoragePlus リソースを使用してクラスタによって管理されている ZFS ストレージプールの暗号化されたファイルシステムには keysource=raw | hex | passphrase,prompt|pkcs11: を使用しないでください。HAStoragePlus リソースがオンラインになるクラスタノードから鍵またはパスフレーズの場所にアクセスできる場合は、keysource=raw | hex | passphrase,file://|https:// を使用できます。
# clresourcegroup status mypool-rg
グループがオンラインになっているノードを特定します。
# zfs create mypool/filesystem1
各クラスタノード上で次のコマンドを実行すると、ファイルシステムがグローバルにマウントされていることを確認できます。
# ls -l /mypool/filesystem1
この例では、グローバルクラスタ内の ZFS ストレージプール mypool を管理するために HAStoragePlus リソースを構成する方法を示します。mypool のファイルシステムデータセットは、/mypool の下にマウントされ、すべてのグローバルクラスタノードで使用可能になります。
次のコマンドは大域ゾーンで実行されます。
phys-schost-1# zpool create mypool /dev/dsk/c1d5 # clresourcegroup create hasp-rg # clresourcetype register SUNW.HAStoragePlus # clresource create -g hasp-rg -t SUNW.HAStoragePlus \ -p GlobalZpools=mypool hasp-rs # clresourcegroup online -M hasp-rg
仮想デバイスの詳細は、zpool(8) のマニュアルページを参照してください。
使用例 46 ゾーンクラスタ内の ZFS クラスタファイルシステムを使用した HAStoragePlus リソースの設定この例では、ゾーンクラスタ sczone 内のクラスタファイルシステム /mypool/fs1 を使用して HAStoragePlus リソースを構成する方法を示します。この例では、ゾーンクラスタ内のスケーラブルリソースグループを使用して、ファイルシステムをすべてのゾーンクラスタノードで使用可能にします。このクラスタファイルシステムは、マウントポイント /global/fs1 上でゾーンクラスタノードに対して使用できます。
この構成例では、グローバルクラスタ内にマウントされたクラスタファイルシステム /mypool/fs1 が使用され、あとでリソースグループがオンラインであるゾーンクラスタノードにループバックマウントされます。
次のコマンドは大域ゾーンで実行されます。
phys-schost-1# zpool create mypool /dev/dsk/c1d5 # clresourcegroup create hasp-rg # clresourcetype register SUNW.HAStoragePlus # clresource create -g hasp-rg -t SUNW.HAStoragePlus \ -p GlobalZpools=mypool hasp-rs # clresourcegroup online -M hasp-rg # clzonecluster configure sczone clzc:sczone> add fs clzc:sczone:fs> set dir=/global/fs1 clzc:sczone:fs> set special=/mypool/fs1 clzc:sczone:fs> set type=lofs clzc:sczone:fs> end clzc:sczone:fs> exit # clresourcegroup create -Z sczone \ -p RG_affinities=++global:hasp-rg \ zc-hasp-rg # clresourcetype register -Z sczone SUNW.HAStoragePlus # clresource create -Z sczone -g zc-hasp-rg -t SUNW.HAStoragePlus \ -p FileSystemMountPoints=/global/fs1 zc-hasp-rs # clresourcegroup online -Z sczone -M zc-hasp-rg
仮想デバイスの詳細は、zpool(8) のマニュアルページを参照してください。