重点領域別の新機能

この項では、重点領域別に分類された新機能のリストを示します。

「構成」、「セキュリティ」および「メンテナンス」

この項では、「構成」、「セキュリティ」および「メンテナンス」の新機能と拡張機能について説明します。

  • 拡張されたEnterprise Managerフェデレーション: Enterprise Managerフェデレーションにより、複数のEnterprise Managerサイトの統合されたビューを企業全体にデプロイできるようになります。このバージョンに含まれている機能拡張により、構成ステップが大幅に減り、EMフェデレーションのセキュリティが高まり、セカンダリ・サイトの継続的な資格証明管理がなくなります。

    詳細は、『Oracle Enterprise Managerアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド』「Enterprise Managerフェデレーションの構成」を参照してください。

エンタープライズ・モニタリング

この項では、エンタープライズ・モニタリングの新機能および拡張機能について説明します。

  • 新しいナビゲーション・メニュー: このリリースでは、Enterprise Managerコンソールのどこからでも様々なモニタリング・オプションと管理オプションを簡単に検索しそれにアクセスできる、最新のナビゲーション・メニューが導入されています。
  • Enterprise Managerダッシュボードの機能拡張: Enterprise Managerダッシュボードの次のような機能拡張を使用できるようになりました:
    • 時間セレクタ機能: カスタム・ダッシュボードを作成するときに、時間セレクタを使用して、ダッシュボード内のウィジェットにデータを表示する期間を選択できます。時間セレクタの日数を増減するオプションや削除するオプションもあります。

      即時利用可能なダッシュボードをカスタマイズするときに、+時間セレクタの追加をクリックして時間セレクタを追加できます。

    • カスタムSQLのEMフェデレーション・データ・ソース: カスタムSQLを使用してウィジェットを作成するときに、データ・ソースとして「EMフェデレーション」を選択してから、SQL問合せでフェデレーテッドEnterprise Managerサイトからデータを取得できるようになりました。

    詳細は、『Oracle Enterprise Managerモニタリング・ガイド』ダッシュボードの使用を参照してください。

  • リモート・エージェントを使用したモニタリング: Enterprise Managerリモート・エージェントでは、ターゲットと同じホストにエージェントをインストールする必要なく、ターゲットのリモート・モニタリングおよび管理が可能になります。リモート・エージェントにより、管理対象環境にデプロイする必要があるエージェントの数を大幅に削減できます。それにより、デプロイメント・タスクとメンテナンス・タスクが簡略化されます。

    詳細は、『Oracle Enterprise Managerモニタリング・ガイド』リモート・エージェントを使用した検出およびモニタリングを参照してください。

  • ゼロ・ダウンタイム・モニタリング: ゼロ・ダウンタイム(ZDT)モニタリング・サービスは、イベント管理、インシデント管理および通知の機能すべてを処理し対応する役目を果たす、Enterprise Managerにおける新しいサービスです。これは、ZDTサービスであるため、新しいリリース更新(RU)への更新などの計画メンテナンス・イベントの間でも動作し続けます。

    詳細は、『Oracle Enterprise Managerモニタリング・ガイド』ゼロ・ダウンタイム・モニタリングを参照してください。

  • 新しいジョブ・システム・コンソール: 新しい改善されたジョブ・システム・コンソールでは、重要な情報を一目で確認できるようになっており、ジョブ・システム・ヘルスとジョブ・システム・パフォーマンスという2つの主要セクションがあります。これらでは、それぞれのセクションの全体的なサマリーが表示されます。各セクションを掘り下げると、ジョブ・システムに関する詳細情報が、明確かつ一貫性のある方法で提供されます。

    詳細は、『Oracle Enterprise Managerモニタリング・ガイド』ジョブ・システム・コンソール: 概要を参照してください。

  • Oracle Key Vaultのサポート: Oracle Key Vaultは、暗号化キー、Oracleウォレット、Javaキーストア、SSHキー、パスワード、その他のシークレットなどのセキュリティ・オブジェクトをセキュアかつフォルト・トレラントの、可用性の高いスケーラブルな環境で格納、管理および共有するための、キーおよびシークレットの管理アプライアンスです。

    Oracle Key Vault (OKV)のモニタリングを可能にするために、次の2つの新しいターゲット・タイプが追加されました:

    • Oracle Key Vaultクラスタ(oracle_kv_cluster) - OKVクラスタのモニタリングに役立ちます。
    • Oracle Key Vaultサーバー(oracle_kv_server) - 個々のOKVノード(または、非クラスタ・デプロイメントの場合はスタンドアロン・サーバー)のモニタリングに役立ちます。

    詳細は、『Oracle Enterprise Managerモニタリング・ガイド』Oracle Key Vaultの検出と追加を参照してください。

データベース管理

この項では、データベース管理の新機能および拡張機能について説明します。

  • Autonomous Databasesのガイド付き検出プロセス: ガイド付きプロセスを使用してAutonomous Databasesを検出できるようになりました。この簡略化されたプロセスでは、複数のAutonomous Databasesを同時に検出すること、高度な検索機能の使用によってAutonomous Databasesをフィルタして検索すること、およびEnterprise ManagerコンソールでOracle Cloud Infrastructureのリージョンおよびコンパートメントをナビゲートすることができます。

    詳細は、『Oracle Enterprise Manager Oracle Autonomous Databases管理者ガイド』ガイド付きプロセスの使用によるホスト以外のターゲットとしてのAutonomous Databasesの検出を参照してください。

  • 「パフォーマンス・ハブ」の「自動データベース診断モニター(ADDM)」タブ: 「パフォーマンス・ハブ」の「ADDM」タブを使用して、ADDMによって格納された情報にアクセスできるようになりました。ADDMでは、AWRデータの定期的な分析、パフォーマンス問題の根本原因の特定、問題を修正するための推奨事項の提供、および問題のないアプリケーション領域の識別が実行されます。AWRはパフォーマンスに関する履歴データのリポジトリであるため、ADDMを使用すると、イベント発生後のパフォーマンス問題を分析でき、多くの場合、問題を再現するために必要な時間とリソースの節約になります。

    詳細は、Oracle Cloud Infrastructureドキュメントで自動データベース診断モニター(ADDM)を参照してください。

  • 「ADDMスポットライト」での新しいスイム・レーンビジュアライゼーション: 「ADDMスポットライト」内の、スイム・レーンビジュアライゼーションでは、選択した時間範囲について集計された時系列データを使用して、ADDMタスクの全体的な影響(%)に基づいて結果が表示されます。このビジュアライゼーション・オプションを使用するには、「結果」タブ内の「サマリー」チャートの右上隅にあるスイム・レーンアイコン (スイム・レーン)アイコンをクリックします。スイム・レーンビジュアライゼーションでは、バブルのサイズによって結果の全体的な影響が示され、各バブルの上にマウスを置くと、分析期間および結果に関する詳細情報を確認できます。
  • Enterprise Manager内のData Masking and Subsetting機能拡張: Enterprise Manager内の次のOracle Data Masking and Subsetting機能拡張を使用できるようになりました:
    • Oracle Javascript Extension Toolkit (JET)によるデータ検出およびデータ・マスキングのための最新化されたUI

      • 統合されたコンソール・エクスペリエンス: Data Discovery and Data Maskingの主要コンポーネントである「概要」、「データ検出」、「データ・マスキング」および「データ・サブセッティング」すべてを、1つの合理化されたインタフェース内で、簡単に切り替えることができます。

      • 簡略化されたナビゲーション: 再編成されたメニューによって機能にアクセスすることで、各コンポーネント内で直接、直感的にナビゲートできます。

      • ワークフロー・ダイアグラム: 新しく導入された、クリーンなわかりやすいダイアグラムにより、一般的なワークフローをビジュアル化できます。

      • エンタープライズレベルの概要ダッシュボード: まったく新しい「Data Masking and Subsettingの概要」ダッシュボードにより詳細を確認できます。ここでは、データベース全体の検出およびマスキング・アクティビティを効果的に管理するためのメトリックが提供されます。

    • データ検出およびデータ・マスキングのためのUIパフォーマンス機能拡張

      • 最適化されたワークフロー実行: リクエストされた操作に必要なデータのみをロードし、リソース使用率とユーザー待機時間を削減することで、不要な遅延なしでワークフローを実行できます。
      • レスポンシブ・デザイン: 様々なサイズのデバイスにシームレスに適応するUIを使用して、デスクトップ、タブレットおよびスマートフォンにわたり一貫したエクスペリエンスを実現します。
      • ワークフロー実行の高速化: マスキング・フォーマットまたは定義の作成、Oracle JET UIの活用、および遅延ロードの最適化などの操作に、改善されたフロー実行時間を使用できます。
      • 改善されたフィルタリング: データのロードによってさらに高速なクライアント側検索を使用して、サーバー側フィルタリングへの依存性をなくします。
      • 一括操作のサポート: 一括操作(機密列の一括での追加など)により、簡略化された繰返しタスクを実行して、クリックと労力を最小限にできます。
      • 直感的なマスキング・フォーマット作成: フォーマット・エントリの再編成でのドラッグ・アンド・ドロップのサポートにより、カスタム・マスキング・フォーマットの作成に、簡略化されたワークフローを使用できます。

    詳細は、『Oracle Data Masking and Subsettingガイド』データ・マスキングおよびサブセット化についてを参照してください。

  • Raftベースのシャーディングをモニターするための新しいメトリック: Oracle Database 23c以降では、次のメトリックを使用してEnterprise Managerでのシャード・レプリケーション・ユニットをモニターできるようになりました。
    • シャードされたデータベースの場合
      • シャード・レプリケーション・ユニットのサマリー: Oracle Globally Distributed Databaseでのレプリケーション・ユニットのサマリーを提供します。
    • プラガブル・データベースの場合
      • シャード適用ラグ: シャード・レプリケーション適用コーディネータ・プロセスおよびレプリケーション・ユニット適用ラグに関する情報を提供します。
      • シャード・レプリケーション・ユニット: シャード内のレプリケーション・ユニットの詳細を提供します。
      • シャード・トランスポート・ラグ: シャード・レプリケーション・トランスポート・ラグに関する情報を提供します。

    詳細は、『Oracle Enterprise Manager Oracle Databaseメトリック・リファレンス・マニュアル』シャードされたデータベースおよびプラガブル・データベースを参照してください。

データベース・ライフサイクル管理

この項では、データベース・ライフサイクル管理の新機能と拡張機能について説明します。

  • Oracle Linux 7、8および9向けの新しいSCAP標準: このリリースでは、Oracle Linux 7、8および9向けの最新のSecurity Content Automation Protocol (SCAP)対応コンプライアンス標準を備えています。

    詳細は、『Oracle Enterprise Manager Oracleコンプライアンス標準リファレンス』SCAPをサポートした標準を参照してください。

  • 新しいDBSAT 3.1標準: DBSAT 3.1が、最新のコンプライアンス標準として統合されました。DBSAT 3.1により、データベース・ターゲットを関連付け、既存のコンプライアンス機能を使用してセキュリティ評価を実行し、セキュリティ評価レポートを使用してその結果をEnterprise Managerで直接表示できるようになります。

    詳細は、『Oracle Enterprise Manager Oracleコンプライアンス標準リファレンス』Oracle DBSATコンプライアンス標準を参照してください。

  • 外部ソースからのゴールド・イメージのアップロード: 外部ソースからゴールド・イメージをアップロードできるようになりました。これにより、フリート・デプロイメント間でゴールド・イメージを移行することで、別々のEnterprise Managerインストールにわたり更新、ソフトウェア・イメージおよびそのメタデータを送信できるようになります。

    詳細は、『Oracle Enterprise Managerデータベース・ライフサイクル・マネージメント管理者ガイド』Enterprise Managerデプロイメント間でのフリート・メンテナンス・ゴールド・イメージの移行を参照してください。

  • データベース・ライフサイクル・マネージメントのアクティビティのためのリモート・エージェントのサポート: データベース・ライフサイクル・マネージメントのアクティビティのために、新しいリモート・エージェント機能がサポートされています。

    詳細は、『Oracle Enterprise Managerデータベース・ライフサイクル・マネージメント管理者ガイド』OCIリソースへのエージェントのデプロイ(オプション)を参照してください。

  • 新しいEMCLI動詞set_cs_rule_lifecycle_status: この新しい動詞では、コンプライアンス標準ルールのステータスにおいて一括変更が可能です。

    詳細は、『Oracle Enterprise Managerコマンドライン・インタフェース』set_cs_rule_lifecycle_statusを参照してください。

エンジニアド・システムの管理

この項では、エンジニアド・システム管理の新機能および拡張機能について説明します。

  • 複数のスタンバイ・データベースがあるData Guardデータベースについてのバックアップの構成: この機能拡張では、最大可用性アーキテクチャ(GOLDGOLD with replicationなど)を使用することで、複数のスタンバイ・データベースを含むData Guard構成をリカバリ・アプライアンスにバックアップするように設定できます。このオプションは、Zero Data Loss Recovery Appliance管理パックがそれぞれのリカバリ・アプライアンスに対して有効になっている場合に使用できます。

    このタスクの実行に使用できるEMCLI動詞については、『Oracle Enterprise Managerコマンドライン・インタフェース』configure_db_ha -configureBackupToRAを参照してください。

拡張性と統合

この項では、拡張性と統合の新機能と拡張機能について説明します。

  • ブラックアウト管理のためのREST API: ブラックアウト管理REST APIを使用して、ブラックアウトの作成、編集、停止などのメンテナンス操作の実行や、定義されているブラックアウトに関する様々な情報および統計の取得ができるようになりました。

    詳細は、『Oracle Enterprise ManagerのREST API』ブラックアウト管理APIを参照してください。

  • 再設計されたプラグイン: Oracle Enterprise Managerまたは自己更新によって入手可能なプラグインにより、Enterprise Managerのモニタリング機能の対象が、Oracle以外のコンポーネントまで広がります。このリリースには、Microsoft Internet Information Services (IIS)、JBoss Enterprise Application Platform (EAP)、Apache TomcatおよびIBM WebSphere向けの新しいプラグインまたは再設計されたプラグインが含まれています。