この Oracle Solaris リリースには、次の ZFS 機能が導入されています。
ZFS はデータレプリケーションにおける圧縮された raw 送信をサポートします。この機能により、ZFS は圧縮されたファイルシステムブロックをディスクからそのまま送信し、ブロックをそのままターゲットに書き込むことでデータを複製できます。この機能により、データブロックをターゲットで受け取る前に実行されていた、以前の ZFS レプリケーション操作の解凍および再圧縮処理を除去することによって、効率が向上します。詳細は、使用例 41, raw 転送を使用して ZFS データを送信するを参照してください。
帯域幅制限をデータセットに設定できるようになりました。帯域幅制限を設定することで、データセットの I/O 操作に制限を割り当て、1 つのデータセットがプールの帯域幅を独占できないようにすることができます。詳細は、I/O 帯域幅制限を設定するを参照してください。
ZFS に ZFS データの転送を再開する機能が組み込まれています。つまり、これはネットワーク障害または ZFS サーバーの停止が原因で転送が中断された場合、すでに受信されたデータを再送する必要がないことを意味します。詳細は、再開可能レプリケーションの使用を参照してください。
ZFS データを Oracle Solaris 11.4 システムから転送するとき、デフォルトではブロック単位のチェックサムが使用可能になっています。ブロック単位のチェックサムをサポートしないシステムに ZFS データを転送するには、使用例 42, Oracle Solaris 11.4.0 データセットから ZFS データを送信するを参照してください。
zpool remove コマンドを使用して、ZFS プールから最上位デバイスを削除できます。この機能は、ログ、キャッシュ、およびホットスペアデバイスをプールから除去する現在の機能を補完するためにコマンドに追加されました。詳細は、ストレージプールからのデバイスの削除を参照してください。
clustered zpool プロパティーは、Oracle Solaris Cluster 環境での ZFS ファイルシステムの大域マウントを可能にします。詳細は、http://www.oracle.com/pls/topic/lookup?ctx=cluster4.3 にあるクラスタの資料を参照してください。
zfs send コマンドは、複製されたデータセットを元のデータセットとは無関係に自己完結型の方法で複製するために使用できます。詳細は、ZFS スナップショットストリームのタイプを参照してください。
cp コマンドに –z オプションを使用すると、ファイルをさらにすばやくコピーできます。詳細は、ZFS ファイルのコピーを参照してください。
クローンの自動昇格機能を使用すると、ユーザーが次のことを実行できます。
クローンの元になるスナップショットをデータセットが持つ場合でも、データセットを破棄できます。したがって、スナップショット、共有、またはプロジェクトの破棄は、依存関係のあるクローンとは無関係になります。これらのクローンは、破棄操作後も保持できます。
データセットのスナップショットを最初に作成せずにデータセットを直接複製できます。
クローンのディスク領域の使用量に関するデータを提供できます。したがって、クローンがディスク領域をどのように共有するかや、別のデータセットが破棄され昇格したときにクローンによって使用される領域がどのように変化するかについて理解できます。