Oracle® Solaris ゾーンの紹介

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更新: 2014 年 12 月
 
 

スケジューリングクラス

公平配分スケジューラ (FSS) を使用すると、使用可能な CPU リソースのゾーン間での割り当てを、ゾーンの重要性に基づいて制御できます。この重要性は、各ゾーンに割り当てる CPU リソースの「配分」で表します。CPU リソースのゾーン間での割り当てを管理するために FSS を使用していない場合でも、ゾーン内のプロジェクトに配分を設定するために FSS を使用するよう、ゾーンのスケジューリングクラスを設定することができます。

cpu-shares プロパティーを明示的に設定すると、公平配分スケジューラ (FSS) はそのゾーンのスケジューリングクラスとして使用されます。ただし、この場合に望ましい FSS の使用方法は、dispadmin コマンドを使用して、FSS をシステムのデフォルトのスケジューリングクラスに設定する方法です。このようにすると、すべてのゾーンがシステムの CPU リソースの公平配分を受けることができます。ゾーンに対して cpu-shares が設定されていない場合、そのゾーンはシステムのデフォルトのスケジューリングクラスを使用します。ゾーンのスケジューリングクラスは、次の処理によって設定されます。

  • zonecfgscheduling-class プロパティーを使ってゾーンのスケジューリングクラスを設定できます。

  • リソースプール機能を使ってゾーンのスケジューリングクラスを設定できます。ゾーンがプールに関連付けられている場合、そのプールの pool.scheduler プロパティーに有効なスケジューリングクラスが設定されていれば、ゾーンで実行されるプロセスは、デフォルトでそのスケジューリングクラスで実行されます。Oracle Solaris 11.2 でのリソースの管理 のリソースプールの紹介およびOracle Solaris 11.2 でのリソースの管理 のプールをスケジューリングクラスに対応付ける方法を参照してください。

  • cpu-shares リソース制御が設定されている場合で、別のアクションを通じて FSS がゾーンのスケジューリングクラスとして設定されていないときは、ゾーンのブート時に zoneadmd によってスケジューリングクラスが FSS に設定されます。

  • ほかの処理を通してスケジューリングクラスが設定されていない場合、ゾーンはシステムのデフォルトのスケジューリングクラスを継承します。

priocntl (priocntl(1) のマニュアルページに記載) を使用すると、デフォルトのスケジューリングクラスの変更やリブートを行うことなく、実行中のプロセスを別のスケジューリングクラスに移動できます。