Oracle® Solaris ゾーンの紹介

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更新: 2014 年 12 月
 
 

ゾーンの概要

Oracle Solaris ゾーンパーティション技術は、オペレーティングシステムサービスを仮想化して、アプリケーションを実行するための隔離されたセキュアな環境を提供するために使用します。非大域ゾーンは、ゾーンと呼ばれ、Oracle Solaris オペレーティングシステムの 1 つのインスタンス内で作成される仮想化されたオペレーティングシステム環境です。オペレーティングシステムのインスタンスは大域ゾーンと呼ばれます。Oracle Solaris カーネルゾーンは、SRU (Support Repository Update)、またはホストのものとは異なるカーネルバージョンを実行できます。

仮想化の目標は、個々のデータセンターコンポーネントの管理からリソースのプールの管理に移行することです。サーバーを正しく仮想化すると、サーバー使用効率が向上し、サーバー資産をより効率的に使用できるようになります。個々のシステムの隔離を維持するサーバー統合プロジェクトで成功を収めるためにも、サーバーの仮想化は重要です。

仮想化は、複数のホストおよびサービスを単一のマシン上に統合する必要がある場合に推進されます。仮想化すると、ハードウェア、インフラストラクチャー、および管理を共有することにより、コストを削減できます。次のような利点があります。

  • ハードウェアの使用効率の向上

  • より柔軟なリソース割り当て

  • 電力要件の削減

  • 管理コストの低下

  • 保有コストの低減

  • システムのアプリケーション間の管理およびリソースの境界

ゾーンを作成すると、そのアプリケーション実行環境で実行されるプロセスは、システムのほかの部分から隔離されます。この分離を行うことで、1 つのゾーン内で稼働しているプロセスがほかのゾーンで稼働しているプロセスをモニタリングしたりそれらのプロセスに影響を及ぼしたりすることが防止されます。root 資格で実行されているプロセスであっても、ほかのゾーンの活動を表示したり影響を与えたりすることはできません。ハードウェアリソースを同時に共有しながら、1 サーバーあたりに 1 つのアプリケーションという配備モデルを維持するには、Oracle Solaris ゾーンを使用します。

また、ゾーンにより、アプリケーションを配備するマシンの物理的属性からアプリケーションを分離する抽象層も提供されます。このような属性の例として、物理デバイスパスがあります。

ゾーンは、Oracle Solaris 10 または Oracle Solaris 11 リリースを稼働しているマシン上で使用できます。システム上での solaris ゾーンおよび solaris10 ゾーンの数の上限は 8192 です。1 つのシステムで効率的にホストできるゾーン数は、すべてのゾーンで実行されるアプリケーションソフトウェアに必要な総リソース量、およびそのシステムのサイズによって決まります。これらの概念については、Oracle Solaris ゾーンの作成と使用 の第 1 章非大域ゾーンの計画および構成方法で説明されています。

Oracle Solaris カーネルゾーンを実行している場合のこれらの概念の詳細は、Oracle Solaris カーネルゾーンの作成と使用 のOracle Solaris カーネルゾーンのハードウェアおよびソフトウェア要件を参照してください。