Oracle® Solaris ゾーンの紹介

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更新: 2014 年 12 月
 
 

ブランドゾーンについて

システム上の非大域ゾーンは、デフォルトでは大域ゾーンと同じオペレーティングシステムソフトウェアを実行します。Oracle Solaris オペレーティングシステムのブランドゾーン (BrandZ) 機能は、Oracle Solaris ゾーンの単純な拡張です。BrandZ フレームワークは、大域ゾーンのオペレーティング環境とは異なるオペレーティング環境を含む非大域ブランドゾーンを作成するために使用します。ブランドゾーンは、Oracle Solaris オペレーティングシステムでアプリケーションを実行するために使用します。BrandZ フレームワークは、さまざまな方法で Oracle Solaris ゾーンインフラストラクチャーを拡張します。これらの拡張には、ゾーン内で異なるオペレーティングシステム環境を実行するための機能を提供するような複雑なものもあれば、新しい機能を提供するために基本のゾーンコマンドを拡張するような簡単なものもあります。たとえば、Oracle Solaris 10 ゾーンは、Oracle Solaris 10 オペレーティングシステムをエミュレートできるブランド非大域ゾーンです。大域ゾーンと同じオペレーティングシステムを共有するデフォルトのゾーンの場合も、brand を使用して構成します。

ブランドは、ゾーンにインストールできるオペレーティング環境を定義し、ゾーンにインストールされたソフトウェアが正しく機能するようにゾーン内でのシステムの動作方法を決定します。また、ゾーンのブランドにより、アプリケーションの起動時に正しいアプリケーションタイプが識別されます。すべてのブランドゾーンの管理は、標準のゾーン構造に対する拡張を通して実行されます。管理手順のほとんどはすべてのゾーンで同一です。

定義済みのファイルシステムや特権などの、デフォルトで構成に含まれているリソースについては、ブランドに関するドキュメントで説明されています。

BrandZ はゾーンのツールを次のように拡張します。

  • zonecfg コマンドを使用して、ゾーンの構成時にゾーンのブランドタイプを設定します。

  • zoneadm コマンドを使用して、ゾーンのブランドタイプの報告とゾーンの管理を行います。

ラベルが有効にされている Oracle Solaris Trusted Extensions システムにはブランドゾーンを構成およびインストールできますが、ブートされるブランドが認証されたシステム構成上のラベル付きブランドでないかぎり、このシステム構成ではブランドゾーンをブートできません。

構成済み状態にあるゾーンのブランドは変更することができます。ブランドゾーンのインストールが完了したあとは、そのブランドの変更や削除を行うことはできません。


Caution

注意  -  既存の Oracle Solaris 10 システムを Oracle Solaris 11 リリースが稼働するシステム上の solaris10 ブランドゾーンに移行することを計画している場合は、最初に既存のゾーンをすべてターゲットシステムに移行する必要があります。solaris10 ゾーンは入れ子にならないため、システムの移行処理は既存のゾーンをすべて使用不可にします。詳細は、Oracle Solaris 10 ゾーンの作成と使用 の第 3 章Oracle Solaris 10 ゾーンへの Oracle Solaris 10 ネイティブ非大域ゾーンの移行を参照してください。