この章では、Oracle Databaseユーティリティの変更点をリストします。
Oracle Database 12cリリース1 (12.1.0.2)のOracle Databaseユーティリティの変更点は次のとおりです。
2つの新しい変換、INMEMORY
およびINMEMORY_CLAUSE
がデータ・ポンプ・インポートのTRANSFORM
パラメータで使用可能です。インポート中のOracle Databaseのインメモリー列ストア(IM列ストア)のサポートが提供されています。詳細は、TRANSFORMパラメータの説明を参照してください。
Oracle Database 12cリリース1 (12.1.0.1)のOracle Databaseユーティリティの変更点は次のとおりです。
この項では、次のユーティリティの新機能について説明します。
Oracle Data Pumpエクスポートおよびインポート
今回のリリースでのデータ・ポンプの新機能は次のとおりです。
全体モード・エクスポートおよびインポート中にトランスポータブル・オプションを使用して、必要に応じてトランスポータブル表領域テクノロジを通じてデータベース全体を移動できます。この新しいモードは、全体トランスポータブル・エクスポートおよび全体トランスポータブル・インポートと呼ばれます。詳細は、エクスポートの「FULL」パラメータおよびインポートの「FULL」パラメータを参照してください。全体トランスポータブル・エクスポートおよびインポートの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』も参照してください。
データ・ポンプ・エクスポートおよびインポートでは、マルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)およびプラガブル・データベース(PDB)がサポートされます。データ・ポンプを使用すると、データベースの全部または一部の非CDBからPDBへの移行、同じかまたは異なるCDB内のPDB間での移行、PDBから非CDBへの移行が可能です。詳細は、「CDBでのデータ・ポンプの使用」を参照してください。
新しいVIEWS_AS_TABLES
パラメータでは、1つ以上のビューを表としてエクスポートできます。詳細は、エクスポートの「VIEWS_AS_TABLES」パラメータを参照してください。その後、インポートの「VIEWS_AS_TABLES (非ネットワーク・インポート)」パラメータを使用してダンプ・ファイルをインポートできます。表としてのビューのネットワーク・インポートも実行できます。詳細は、「VIEWS_AS_TABLES (ネットワーク・インポート)」を参照してください。
インポート・ジョブ中に、アーカイブ・ログに書き込まれるデータの量を削減できます。詳細は、インポートの「TRANSFORM」パラメータの新しいDISABLE_ARCHIVE_LOGGING
オプションを参照してください。
インポート・ジョブ中に、マテリアライズド・ビューに記憶域を提供する表を含め、ジョブのすべての表の圧縮タイプを変更できます。詳細は、インポートの「TRANSFORM」パラメータのTABLE_COMPRESSION_CLAUSE
オプションを参照してください。
インポート・ジョブ中に、マテリアライズド・ビューに記憶域を提供する表を含め、ジョブのすべての表のLOB記憶域(SECUREFILE
またはBASICFILE
)を変更できます。詳細は、インポートの「TRANSFORM」パラメータのLOB_STORAGE
オプションを参照してください。
データ・ポンプ・ジョブで統合監査を有効にできます。詳細は、「データ・ポンプ・ジョブの監査」を参照してください。
新しいENCRYPTION_PWD_PROMPT
パラメータでは、コマンドラインでパスワードを入力するかわりに、データ・ポンプによって暗号化パスワードの入力を要求するかどうかを指定できます。詳細は、エクスポートの「ENCRYPTION_PWD_PROMPT」パラメータおよびインポートの「ENCRYPTION_PWD_PROMPT」パラメータを参照してください。
新しいCOMPRESSION_ALGORITHM
パラメータでは、ダンプ・ファイル・データの特定レベルの圧縮を指定できます。これによって、環境、ワークロードの特性、およびデータのサイズとタイプに基づいて圧縮レベルを選択できます。詳細は、「COMPRESSION_ALGORITHM」を参照してください。
VARCHAR2
、NVARCHAR2
およびRAW
データ型の最大サイズが32KBに増加しました(COMPATIBLE
初期化パラメータが12.0以上に設定され、MAX_STRING_SIZE
初期化パラメータがEXTENDED
に設定されている場合)。データ・ポンプでは、データ・ポンプのVERSION
パラメータが12.1より前の値に設定されていないかぎり、この増加したサイズがサポートされます。詳細は、エクスポートの「VERSION」パラメータおよびインポートの「VERSION」パラメータを参照してください。
ダイレクト・パス・ロード方法は、LOB列にドメイン索引が設定されていてもサポートされます。データ・ポンプがダイレクト・パスによる方法を使用する場合と使用しない場合の詳細は、「ダイレクト・パスを使用したデータ移動」を参照してください。
データ・ポンプ・エクスポートおよびインポートで使用できる新しいLOGTIME
コマンドライン・パラメータでは、エクスポートおよびインポート操作中に表示されるメッセージにタイムスタンプを付けるように指定できます。タイムスタンプを使用すると、データ・ポンプ操作の異なる処理間の経過時間を確認できるため、パフォーマンス問題を診断する場合や、将来の同じような操作の時間を見積もる場合に役立ちます。詳細は、エクスポートの「LOGTIME」パラメータおよびインポートの「LOGTIME」パラメータを参照してください。
Oracle SQL*Loader
今回のリリースのSQL*Loaderの新機能は次のとおりです。
新しいSQL*Loaderエクスプレス・モードでは、単純な列データ型を含む表と、デリミタ付きの文字データのみを含むデータ・ファイルを高速かつ簡単にロードするための効率的な方法が提供されます。詳細は、「SQL*Loaderエクスプレス」を参照してください。
新しいDNFS_ENABLE
パラメータでは、SQL*Loader操作中の入力データ・ファイルに対するDirect NFSクライアントの使用を有効化および無効化できます。また、新しいDNFS_READBUFFERS
パラメータでは、Direct NFSクライアントによって使用される読取りバッファの数を制御できます。詳細は、「DNFS_ENABLE」および「DNFS_READBUFFERS」を参照してください。
VARCHAR2
、NVARCHAR2
およびRAW
データ型の最大サイズが32KBに増加しました(COMPATIBLE
初期化パラメータが12.0以上に設定され、MAX_STRING_SIZE
初期化パラメータがEXTENDED
に設定されている場合)。SQL*Loaderでは、この新しい最大サイズがサポートされます。SQL*Loaderのデータ型の詳細は、「SQL*Loaderのデータ型」を参照してください。
ダイレクト・パス・モードを使用するSQL*Loader操作の監査を有効にできます。詳細は、「ダイレクト・パス・モードを使用するSQL*Loader操作の監査」を参照してください。
SQL*Loader制御ファイルには、その使用を簡略化するいくつかの新しい句が用意されています。また、いくつかの既存のパラメータが変更され、新しいパラメータがロード実行を効率化するために追加されています。
INFILE
句にワイルドカード文字を指定できます。詳細は、「データ・ファイルの指定」を参照してください。
SQL*Loaderでカンマ区切り値(CSV)形式のファイルであるデータ・ファイルにアクセスできます。詳細は、「CSV形式のファイルの指定」を参照してください。
表レベルで、日時書式を指定してすべての日時フィールドに適用できます。詳細は、「表レベルでの日時書式の指定」を参照してください。
表レベルで、NULLIF
を指定してすべての文字フィールドに適用できます。詳細は、「表レベルでのNULLIF句の指定」を参照してください。
SQL*Loaderで、データ・ファイルの最初のレコードに含まれるフィールド名の順序からフィールド順序を決定するように指定できます。詳細は、「フィールド順序の指定」を参照してください。
SQL*Loaderコマンドラインには、ロード実行を効率化するために役立つ新しいパラメータと変更されたパラメータがあります。
新しいTRIM
コマンドライン・パラメータでは、外部表オプションの使用時に、デフォルトのTRIM=LDRTRIM
を上書きできます。詳細は、「TRIM」を参照してください。
新しいDEGREE_OF_PARALLELISM
コマンドライン・パラメータでは、外部表オプションの使用時に、ロードで使用する並列度を指定できます。詳細は、「DEGREE_OF_PARALLELISM」を参照してください。
SQL*Loaderコマンドラインで不良ファイル、廃棄ファイルおよびログ・ファイルを指定する場合、ディレクトリ名のみを指定するオプションを使用できます。詳細は、「BAD」、「DISCARD」および「LOG」を参照してください。
Oracle外部表
今回のリリースの外部表の新機能は次のとおりです。
新しいDNFS_ENABLE
およびDNFS_DISABLE
パラメータでは、外部表操作中の入力データ・ファイルに対するDirect NFSクライアントの使用を有効化および無効化できます。また、新しいDNFS_READBUFFERS
パラメータでは、Direct NFSクライアントによって使用される読取りバッファの数を制御できます。詳細は、「DNFS_DISABLE | DNFS_ENABLE」および「DNFS_READBUFFERS」を参照してください。
ORACLE_DATAPUMP
アクセス・ドライバを使用して、外部表を処理する場合の圧縮レベルを指定できます。詳細は、「COMPRESSION」を参照してください。
VARCHAR2
、NVARCHAR2
およびRAW
データ型の最大サイズが32KBに増加しました(COMPATIBLE
初期化パラメータが12.0以上に設定され、MAX_STRING_SIZE
初期化パラメータがEXTENDED
に設定されている場合)。外部表機能では、この新しい最大サイズがサポートされます。外部表によるデータ型の処理方法の詳細は、「外部表の使用時のデータ型の変換」を参照してください。
ORACLE_LOADER
アクセス・パラメータ・リストには、その使用を簡略化するいくつかの新しい句が用意されています。
LOCATION
句にワイルドカード文字を指定できます。詳細は、「外部表の作成方法」を参照してください。
不良ファイル、廃棄ファイルおよびログ・ファイルを指定する場合、ディレクトリ・オブジェクトのみを指定できます。詳細は、「[directory object name:] [filename]」を参照してください。
外部表でカンマ区切り値形式のファイルであるデータ・ファイルにアクセスできます。詳細は、「CSV」を参照してください。
日時書式を指定してすべての日時フィールドに適用できます。詳細は、「DATE_FORMAT」を参照してください。
NULLIF
を指定してすべての文字フィールドに適用できます。詳細は、「NULLIF | NO NULLIF」を参照してください。
SQL*Loaderで、データ・ファイルの最初のレコードに含まれるフィールド名の順序からフィールド順序を決定するように指定できます。詳細は、「FIELD NAMES」を参照してください。
アクセス・ドライバに対し、すべてのフィールドが存在し、それらが外部表の列と同じ順序であることを指定できます。その後、特殊な定義が含まれるフィールドを指定するだけで済みます。詳細は、「ALL FIELDS OVERRIDE」を参照してください。
Oracle LogMiner
今回のリリースのLogMinerの新機能は次のとおりです。
SecureFiles LOBが完全にサポートされます(SecureFiles LOB列の重複除外およびSecureFiles Database File System (DBFS)操作を含む)。詳細は、「SecureFiles LOBに関する考慮点」を参照してください。
オブジェクトおよびコレクションがサポートされます。詳細は、「サポートされるデータ型と表記憶域属性」を参照してください。
CDBはLogMinerでサポートされています。詳細は、「CDBでのLogMinerの使用」を参照してください。
VARCHAR2
、NVARCHAR2
およびRAW
データ型の最大サイズが32KBに増加しました(COMPATIBLE
初期化パラメータが12.0以上に設定され、MAX_STRING_SIZE
初期化パラメータがEXTENDED
に設定されている場合)。LogMinerでは、この新しい最大サイズがサポートされます。LogMinerでサポートされるデータ型の詳細は、「サポートされるデータ型、記憶域属性、およびデータベースとREDOログ・ファイルのバージョン」を参照してください。
データ・ポンプ・エクスポートのDATA_OPTIONS=XML_CLOBS
パラメータは、非推奨になりました(Oracle Database 12cリリース1 (12.1)からはCLOB
として格納されるXMLType
が非推奨になったため)。
XMLType表および列は、現在はバイナリXMLとして格納されます。
バイナリXML記憶域の詳細は、『Oracle XML DB開発者ガイド』を参照してください。