BIOSの起動および設定
この項では、起動時にBIOSによって実行されるテストについて説明します。
デフォルトのBIOS電源投入時自己診断テスト(POST)のイベント
サーバー・ノード(システム・コントローラとも呼ばれます)の起動時に、BIOSにより電源投入時自己診断テストが実行され、すべてのコンポーネントが存在し正常に機能していることを確認するために、ハードウェアがチェックされます。次の表では、BIOS POST中に発生する可能性のあるイベントを示し、これらのイベントによりホストの電源投入が妨げられるかどうかを明示しています。
表9-1 BIOS POSTイベント
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ユーザー・パスワード違反 |
パスワードの入力に3回失敗しました。 |
いいえ |
設定パスワード違反 |
パスワードの入力に3回失敗しました。 |
いいえ |
修正可能なECC |
メモリーの修正可能なECC (エラー修正コード)エラーが検出されました。 |
該当せず |
修正不可能なECC |
メモリーの修正不可能なECCエラーが検出されました。 |
該当せず |
システム・メモリーなし |
システム内で物理メモリーが検出されませんでした |
いいえ |
使用可能なシステム・メモリーなし |
取り付けられているすべてのメモリーに、回復不能な障害が発生しました。 |
いいえ |
ハード・ディスク・コントローラの障害 |
ディスク・コントローラが見つかりません。 |
はい |
キーボードの障害 |
キーボードを初期化できません。 |
はい |
起動メディアの障害 |
取外し可能な起動メディアが見つかりません。 |
はい |
ビデオ・デバイスなし |
ビデオ・コントローラが見つかりません。 |
いいえ |
ファームウェア(BIOS) ROMの破損 |
BIOSチェックサムに失敗し、起動ブロックは破損していません。 |
いいえ |
システムの再起動 |
システム起動が開始されました。 |
はい |
ハード・リセットによる起動 |
ハード・リセットにより起動プロセスが開始されました。 |
はい |
メモリーの初期化 |
メモリー・サイジングが発生中です。 システム・ファームウェアの進捗 |
該当せず |
プライマリ・プロセッサの初期化 |
プライマリCPUの初期化 システム・ファームウェアの進捗 |
該当せず |
ウォーム・リセットによる起動 |
ウォーム・リセットにより起動プロセスが開始されます。 |
該当せず |
埋込みコントローラの管理 |
管理コントローラの初期化 |
該当せず |
セカンダリ・プロセッサの初期化 |
セカンダリCPUの初期化のアサート システム・ファームウェアの進捗 |
該当せず |
ビデオの初期化 |
BIOSによりキーボードが初期化されるとき |
該当せず |
キーボード・コントローラの初期化 |
BIOSによりキーボードが初期化されるとき |
該当せず |
オプションROMの初期化 |
BIOSによりオプションROMが初期化されました。 システム・ファームウェアの進捗 |
該当せず |
オプションROMの領域の枯渇 |
BIOSでは、起動を妨げているデバイスからオプションROM (通常はプラグイン・カード・ドライバ)をメモリーにインストールできませんでした |
はい |
ユーザーがシステム設定を開始 |
ユーザーがBIOS設定ユーティリティへのアクセスを開始しました。 システム・ファームウェアの進捗 |
該当せず |
ユーザーがOSへの起動を開始 |
システム起動が開始されました。 システム・ファームウェアの進捗 |
該当せず |
起動可能なメディアなし |
起動するためのメディアがありません。 |
いいえ |
PXEサーバーが未発見 |
起動エラー - PXEサーバーが見つかりません。 [F12]キーが押されましたが、BIOSによるPXEサーバーからの起動は失敗しました。 |
いいえ。BIOSは次の起動デバイスを試行します。 |
ACPI電力状態 |
ソフトオフ電力が適用されました。 |
該当せず |
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BIOS POST F1およびF2エラー
各電源投入時自己診断テスト(POST)の診断は、特定のハードウェア・コンポーネントで障害を検出するための低レベルのテストです。POST診断によりF1またはF2エラーが明らかになった場合、通常、そのエラーに関する次の情報が報告されます。
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検出されたエラーのタイプ
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エラーが発生した時刻または場所
次の表は、POST診断中に表示される可能性のあるいくつかのF1およびF2エラー・メッセージを、報告されたエラーの考えられる解決方法の手順とともに示しています。
表9-2 BIOS POST F1およびF2エラーのメッセージ
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Uncorrectable Error Detected on Last Boot:IOH(0) Protocol Error (Please Check SP Log for more Details) |
IOHエラー |
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Uncorrectable Error Detected on Last Boot:IOH(0) QPI [x] Error (Please Check SP Log for more Details) |
IOHエラー |
注意 - QPI [x]はQPIリンク0の場合は0、QPIリンク1の場合は1です。
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Uncorrectable Error Detected on Last Boot:IOH(0) PCI-E [x] Error (Please Check SP Log for more Details) |
IOHエラー |
注意 - PCI-E [x]ポート番号は、IOH上のPCIルート・ポートに応じて1から10の範囲です。
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Uncorrectable Error Detected on Last Boot:IOH(0) ESI Error (Please Check SP Log for more Details) |
IOHエラー |
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Uncorrectable Error Detected on Last Boot:IOH(0) Thermal Error (Please Check SP Log for more Details) |
IOHエラー |
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Uncorrectable Error Detected on Last Boot:IOH(0) DMA Error (Please Check SP Log for more Details) |
IOHエラー |
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Uncorrectable Error Detected on Last Boot:IOH(0) Miscellaneous Error (Please Check SP Log for more Details) |
IOHエラー |
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Uncorrectable Error Detected on Last Boot:IOH(0) VTd Error (Please Check SP Log for more Details) |
IOHエラー |
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BMC Not Responding |
Oracle ILOMエラー |
注意 - このエラー・メッセージは、SP/BIOS通信中に内部エラーが発生した場合に表示される可能性があります。このエラーは、SPの再起動が必要になる可能性があります。
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- Primary Slave Hard Disk Error
Primary Master Hard Disk Error
Secondary Master Hard Disk Error
Secondary Slave Hard Disk Error
注意 - これらのエラー・メッセージは、Oracle Database Applianceではサポートされていません。
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IDE/ATAPIエラー |
注意 - これらのタイプのエラー・メッセージは、BIOSがPOSTでIDE/ATAPIデバイスを構成しようとしているときに表示されます。
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Timer Error |
8254タイム・エラー |
注意 - このタイプのエラーは通常、8254タイマーのチャネル2のカウント・レジスタのプログラミング中のエラーを示します。これは、システム・ハードウェアに問題があることを示している可能性があります。
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RAM R/W test failed |
メモリー・テストの失敗 |
注意 - このタイプのエラーは通常、RAMの読取り/書込みテストが失敗したことを示します。
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KBC BAT Test failed |
キーボード・コントローラ基本保証テスト・エラー |
注意 - キーボード・コントローラBATテストが失敗しました。このエラーは、キーボード・コントローラの初期化の問題を示している可能性があります。
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Display memory test failed |
ビデオ・ディスプレイ・エラー |
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CMOS Battery Low |
CMOSバッテリ・エラー |
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- CMOS Checksum Bad
CMOS Date/Time Not Set
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CMOSエラー |
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Password check failed |
パスワード・チェック・エラー |
注意 - このタイプのエラーは、入力したパスワードがBIOS設定ユーティリティで指定されたパスワードと一致しないことを示します。この状態は、スーパーバイザとユーザーの両方のパスワード検証に対して発生する可能性があります。
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Keyboard/Interface Error |
キーボード・コントローラ・エラー |
注意 - このタイプのエラーは、キーボード・コントローラの障害を示します。このエラーは、システム・ハードウェアの問題を示している可能性があります。
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S.M.A.R.T error on the drive |
S.M.A.R.Tデバイス・エラー |
注意 - 自己監視、分析およびレポート作成テクノロジ(S.M.A.R.T.)の障害メッセージは、ストレージ・デバイス交換の必要性を示している可能性があります。
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BIOS POSTメモリー・テストの機能
BIOS POSTメモリー・テストは次のように機能します。
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DRAMの最初のメガバイトがBIOSによってテストされてから、BIOSコードがROMからDRAMにコピーされます。
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DRAMから出た後、BIOSでは簡単なメモリー・テストが実行されます(パターン55aa55aaですべての位置の書込み/読取りが実行されます)。
注意 - 簡単なメモリー・テストは、「Boot Settings Configuration」画面からクイック起動ができない場合にのみ実行されます。クイック起動を有効にすると、BIOSではメモリー・テストが省略されます。
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BIOSにより、修正可能および修正不可能の両方のエラーについてメモリー・コントローラに対してポーリングが行われ、それらのエラーがSPに記録されます。