このセクションでは、クラスタ構成のミラー化を計画する際のガイドラインについて説明します。
Oracle Solaris Cluster 構成内のすべての多重ホストディスクをミラー化することにより、この構成で単一デバイスの障害を許容できるようになります。Oracle Solaris Cluster ソフトウェアでは、すべての多重ホストディスクは、複数の拡張装置にまたがるようにミラー化する必要があります。ストレージデバイスがハードウェア RAID とデバイスへの冗長パスを提供する場合は、ソフトウェアミラー化を使用する必要はありません。
多重ホストディスクをミラー化する際は、次の点を考慮してください。
独立したディスク拡張装置 – ミラーまたはプレックスのサブミラーは、それぞれ異なる多重ホスト拡張装置に分散してください。
ディスク領域 – ミラー化すると、2 倍のディスク領域が必要になります。
3 方向のミラー化 – Solaris Volume Manager ソフトウェア は 3 方向のミラー化を サポートしています。ただし、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアが必要とするのは、2 方向のミラー化だけです。
異なるデバイスサイズ – 異なるサイズのデバイスにミラーを作成した場合、ミラーの容量は最小のサブミラーまたはプレックスのサイズに制限されます。
多重ホストディスクの詳細については、Oracle Solaris Cluster Concepts Guide のMultihost Devicesを参照してください。
Oracle Solaris ZFS は、Oracle Solaris リリースのデフォルトのルートファイルシステムです。ZFS ルートプールをミラー化する方法の手順については、Oracle Solaris 11.2 での ZFS ファイルシステムの管理 のミラー化ルートプールを構成する方法 (SPARC または x86/VTOC)を参照してください。また、ルートプールの各種コンポーネントの管理方法については、Oracle Solaris 11.2 での ZFS ファイルシステムの管理 の第 4 章ZFS ルートプールのコンポーネントの管理を参照してください。
最高の可用性を得るには、ローカルディスク上のルート (/)、/usr、/var、/opt、swap をミラー化してください。ただし、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアでは、ZFS ルートプールのミラー化を要求しません。
ZFS ルートプールをミラー化するかどうかを決定する際は、次のことを考慮してください。
ブートディスク – ブート可能ルートプールをミラーとして設定できます。プライマリブートディスクに障害が発生した場合に、ミラーからブートできます。
バックアップ – ルートプールをミラー化するかどうかに関係なく、ルートは定期的にバックアップしてください。ミラー化だけで、管理上の誤りが防げるわけではありません。誤って変更あるいは削除したファイルは、バックアップによってのみ復元できます。
独立したコントローラ – 独立したコントローラにルートプールをミラー化するという方法は、最高の可用性を得る手段の 1 つです。