レプリケーションの失敗
個々のレプリケーション更新はいくつかの理由で失敗することがあります。可能な場合、ZFSSA は、ソース ZFSSA またはターゲット ZFSSA で通知される警告か、失敗したアクションの「レプリケーション」画面で、失敗の理由を報告します。アクションのステータスを表すオレンジ色の警告アイコンをクリックすると、失敗の詳細を取得できます。もっとも一般的な失敗の種類は次のとおりです。
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取り消されました
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レプリケーション更新は管理者によって取り消されました。レプリケーションはソース上またはターゲット上で取り消すことができ、一方のピアには他方のピアが操作を取り消したことがわからない場合があります。
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ネットワーク接続失敗
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ネットワークの問題のため、ZFSSA はターゲット ZFSSA に接続できませんでした。ソース、ターゲット、またはネットワークの構成に誤りがある可能性があります。
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ピア検証失敗
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ZFSSA はターゲットのアイデンティティーを確認できませんでした。これは、ターゲットを再インストールまたは出荷時設定にリセットした場合によく発生します。ターゲットを再インストールまたは出荷時構成にリセットした場合は、新しい認証鍵セットを生成するために、そのターゲットに対する新しいレプリケーションターゲットをソース ZFSSA 上で構成する必要があります。 プロジェクトレプリケーションターゲット を参照してください。
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ピア RPC 失敗
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ターゲットシステムでリモート手続き呼び出しが失敗しました。これは、ターゲット ZFSSA で互換性のないソフトウェアが実行されている場合によく発生します。詳細は、 2009.Q3 以前からのアップグレード を参照してください。
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パッケージがありません
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レプリケートされたデータを格納するパッケージがターゲット上に存在しないため、レプリケーションが失敗しました。パッケージはアクションの構成時に作成されるため、このエラーは通常、管理者がターゲット上のパッケージを破棄したあとに発生します。パッケージを格納しているストレージプールがターゲットシステムにインポートされていない場合にも、このエラーが発生する可能性があります。プールに障害が発生したときや、ターゲット ZFSSA でストレージまたはネットワークの再構成が行われたときに、このような状況になることがあります。
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空でないパッケージが存在します
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ターゲットパッケージに以前の失敗したレプリケーション更新のデータが含まれているため、レプリケーションが失敗しました。このエラーは、アクションの最初のレプリケーション更新が一部のデータをレプリケートしたあとで失敗した場合に、そのアクションのレプリケーション更新を送信しようとすると発生します。ターゲット ZFSSA では、明示的な管理操作で指示しないかぎりデータは破棄されないため、部分的に受信されたデータは上書きされません。管理者は既存のアクションとパッケージを削除し、ソース上で新しいアクションを作成してレプリケーションを再度開始するようにしてください。
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無効
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ターゲット上でレプリケーションが無効になっているため、レプリケーションが失敗しました。ターゲット上でレプリケーションサービスが無効になっているか、レプリケートされている特定のパッケージに対してレプリケーションが無効になっています。
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ターゲットビジー
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ターゲットシステムが同時レプリケーション更新の最大数に到達したため、レプリケーションが失敗しました。システムでは、リソース不足を防ぐために、進行中のレプリケーション処理の最大数が制限されます。この制限に到達した場合、それ以降は、更新の受信の試行はこのエラーで失敗しますが、更新の送信の試行はリソースが使用可能になるまでキューに入れられます。
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容量不足
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ソースシステムに新しいスナップショットを作成するための領域が不足しているため、レプリケーションが失敗しました。ストレージプールに使用可能な物理的領域がないか、スナップショットを含まない予約のためプロジェクトまたはそのシェアの 1 つが割り当て制限を超えていることが、この原因になっている場合があります。
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互換性のないターゲット
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ターゲットシステムがソースシステムのデータストリーム形式を受信できないため、レプリケーションが失敗しました。ソースシステムにはアップグレードと遅延更新の適用を行なったが、ターゲットにはアップグレードおよび同じ更新の適用を行なっていない場合に、これが発生する可能性があります。ソースシステムのソフトウェアバージョンのリリースノートで遅延更新のリストを調べ、リモートレプリケーションに関連するものがないか確認してください。
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その他
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レプリケーションが失敗しましたが、ソースには使用可能な追加情報がありません。ターゲットシステムの警告ログを確認し、必要に応じてサポートに問い合わせてください。現在、このカテゴリに入る障害モードとしては、ターゲットに更新を受信するためのディスク容量が不足している、クローンの元のスナップショットがターゲットシステムに存在しない状態でクローンをレプリケートしようとした、などがあります。
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レプリケーション更新の一部が失敗した場合、その更新は失敗になります。現在の実装では、プロジェクト内のシェアが順次にレプリケートされ、失敗した更新から変更がロールバックされることはありません。そのため、更新が失敗した場合、ターゲット上の一部のシェアは最新の状態で、ほかのシェアは最新の状態でない可能性があります。詳細は、前述の「スナップショットとデータ整合性」を参照してください。
失敗した更新で一部のデータは正常にレプリケートされている可能性はありますが、現在の実装では、前回の (失敗した) 更新で送信されたすべてのデータが再度送信されます。つまり、失敗した更新は、中止したところから再開するのではなく、失敗した更新が開始したところから開始します。
手動更新または定期更新が失敗した場合、次の定期更新 (存在する場合) まで、自動的に再試行されることはありません。連続レプリケーションが失敗した場合、システムは数分待機してから再試行します。失敗した連続レプリケーションの再試行は無限に繰り返されます。
レプリケーション更新の進行中に、別の更新の実行がスケジュールされている場合、後者の更新は、前の更新が完了した直後に開始されるのではなく、完全に省略されます。次の更新は、次の更新の実行がスケジュールされている場合にのみ送信されます。この理由で更新が省略された場合は、警告が通知されます。