1 Oracle ZFS Storage Appliance の概要
プロジェクトレベルのレプリケーションとシェアレベルのレプリケーションの比較
レプリケーションを逆向きにする - 障害からの回復のシミュレート
パッケージは、レプリケートされたプロジェクトとシェアのコンテナです。前述のとおり、ソース ZFSSA 上の各レプリケーションアクションは、ターゲット ZFSSA 上の 1 つのパッケージに対応します。BUI と CLI のどちらを使用しても、レプリケートされたプロジェクト、シェア、スナップショット、およびプロパティーをローカルのプロジェクトやシェアと同様に参照できます。ただし、レプリケートされたシェアは、ソース ZFSSA 上の対応するシェアと厳密に一致する必要があるため、レプリケーションパッケージ内では多くの管理操作が禁止されます。たとえば、プロジェクトとシェアの作成、名前の変更、破棄、スナップショットの作成と名前の変更、プロジェクトとシェアのほとんどのプロパティーの変更などです。レプリケーションパッケージ内のスナップショットは、増分レプリケーションの基礎として使用されるもの以外は破棄できます。この操作はお勧めしませんが、追加の空き容量が必要になった場合に使用できます。
2009.Q3 以前のソフトウェアバージョンでは、レプリケートされたシェアのプロパティーを変更することはできませんでした。2010.Q1 リリース (および関連する遅延アップグレード) を使用すると、レプリケートされたシェアのプロパティーを変更するための限定的なサポートが追加され、ソース ZFSSA とターゲット ZFSSA で異なるポリシーを実装できるようになります。そのようなプロパティーの変更は、レプリケーション更新後も保持されます。レプリケートされたプロジェクトとシェアのプロパティーのうち、次のものだけが変更可能です。
予約、圧縮、コピー、複製解除、およびキャッシュ。これらのプロパティーをレプリケーションターゲット上で変更することで、コスト、柔軟性、パフォーマンス、信頼性などに関してソース ZFSSA とは異なるポリシーをターゲット ZFSSA に適用できます。
マウントポイントおよびシェアのプロパティー (たとえば sharenfs、SMB リソース名など)。これらのプロパティーは、シェアが NAS クライアントにエクスポートされる方法を制御します。また、ソース とターゲット ZFSSA で異なるセキュリティーポリシーまたは保護ポリシーを適用するよう変更できます。
自動スナップショットのポリシー。自動スナップショットのポリシーはターゲットシステム上で変更できますが、パッケージが切断されるまで変更は有効になりません。レプリケートされたプロジェクトおよびシェアでは自動スナップショットの作成や破棄は行われません。
BUI と CLI では、管理者は変更不可能なプロパティーを変更できません。シェアの場合は、プロパティーの継承を変更できないことを示すために、別のアイコンが使用されます。
Figure 13-2 レプリケーションパッケージのプロパティーの管理
レプリケーションターゲットでプロパティーを変更できるようにするには、2010.Q1 リリースで提供されている遅延更新をターゲットに適用する必要があります。2010.Q1 の遅延更新が適用されていないシステムでは、管理者は、レプリケーションパッケージ内のプロパティーを変更できません。
現在のリリースでは、「連鎖」レプリケーション (つまり、レプリケートされたシェアを別の ZFSSA にレプリケーションする) 構成はサポートされていません。