このセクションでは、ZFS プールを作成するために使用されるコンポーネントについて説明します。
ストレージプールのもっとも基本的な要素は、物理ストレージです。128M バイト以上のサイズであれば、任意のブロック型デバイスを物理ストレージとして利用できます。このデバイスは通常、/dev/dsk ディレクトリとしてシステムから認識されるハードドライブです。
ディスク全体 (c1t0d0) または個別のスライス (c0t0d0s7) をストレージデバイスとして利用できます。管理、信頼性、およびパフォーマンスの観点からは、ディスク全体の使用が、ZFS を使用するためのもっとも簡単で、かつもっとも効率的な方法です。ZFS では、1 つの大きなスライスが含まれるようにディスク全体をフォーマットします。ディスクの特殊なフォーマットは必要ありません。ディスクスライスからのプールの構築、ハードウェア RAID アレイ内の LUN、ソフトウェアベースのボリュームマネージャーによって提供されるボリュームなどのその他の方法では、管理がますます複雑になり、最適とは言えないパフォーマンスが提供される可能性があります。
![]() | 注意 - ストレージプールのスライスの管理が複雑になる可能性があるため、スライスの使用は避けてください。 |
format コマンドは、ディスクのパーティションテーブルを表示します。Oracle Solaris が、GPT 対応ファームウェアが搭載された SPARC® システムにインストールされている場合は、EFI (GPT) ラベルがディスクに適用されます。パーティションテーブルは、次の例のようになります。
Current partition table (original): Total disk sectors available: 143358287 + 16384 (reserved sectors) Part Tag Flag First Sector Size Last Sector 0 usr wm 256 68.36GB 143358320 1 unassigned wm 0 0 0 2 unassigned wm 0 0 0 3 unassigned wm 0 0 0 4 unassigned wm 0 0 0 5 unassigned wm 0 0 0 6 unassigned wm 0 0 0 8 reserved wm 143358321 8.00MB 143374704
Oracle Solaris が x86 ベースのシステムにインストールされている場合は、ほとんどの場合、EFI (GPT) ラベルがルートプールディスクに適用されます。パーティションテーブルは、次のようになります。
Current partition table (original): Total disk sectors available: 27246525 + 16384 (reserved sectors) Part Tag Flag First Sector Size Last Sector 0 BIOS_boot wm 256 256.00MB 524543 1 usr wm 524544 12.74GB 27246558 2 unassigned wm 0 0 0 3 unassigned wm 0 0 0 4 unassigned wm 0 0 0 5 unassigned wm 0 0 0 6 unassigned wm 0 0 0 8 reserved wm 27246559 8.00MB 27262942
この出力では、パーティション 0 (BIOS boot) に必要な GPT ブート情報が含まれています。パーティション 8 と同様に、パーティション 0 は管理を必要としないため、変更しないようにしてください。ルートファイルシステムは、パーティション 1 に含まれています。
x86 ベースのシステムでは、有効な Solaris fdisk パーティションがディスクに含まれている必要があります。Oracle Solaris fdisk パーティションの作成または変更について詳しくは、Oracle Solaris 11.3 でのデバイスの管理 の ディスクの構成を参照してください。
ディスク名は一般に、/dev/dsk/cNtNdN の命名規則に従います。サードパーティーのドライバの中には、異なる命名規則を使用したり、ディスクを /dev/dsk ディレクトリ以外の場所に配置するものがあります。これらのディスクを使用するには、手動でラベルを付け、そのディスクを ZFS に割り当てる必要があります。
ディスクは、フルパスか、または /dev/dsk ディレクトリ内のデバイス名で構成される短縮名を使用して指定できます。次の例は、有効なディスク名を示しています。
c1t0d0
/dev/dsk/c1t0d0
/dev/tools/disk
ZFS では、ファイルをストレージプール内の仮想デバイスとして使用できます。この方法を採用する場合は、すべてのファイルが完全パスとして指定され、サイズが少なくとも 64M バイトあることを確認してください。
この機能は、物理デバイスが不足している場合により複雑な ZFS 構成を実験するなどのテストに役立ちます。この機能を本番環境で使用しないでください。
ZFS プールを UFS ファイルシステム上のファイルに基づいて作成する場合には、正確さと同期のセマンティクスを保証するために、UFS に暗黙に依存しています。ただし、別の ZFS プール上に作成されたファイルまたはボリュームによってバックアップされる ZFS プールを作成すると、システムのデッドロックまたはパニックが発生することがあります。