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更新: 2016 年 7 月
 
 

クラスタファイルシステムを作成する方法

作成するクラスタファイルシステムごとに次の手順を実行します。ローカルファイルシステムと違って、クラスタファイルシステムはグローバルクラスタ内のどのノードからでもアクセスできます。

始める前に

次のタスクを実行します。

  1. クラスタの任意のノードで root 役割になります。

    ヒント  -  ファイルシステムを迅速に作成するには、ファイルシステムを作成するグローバルデバイスの現在のプライマリノードで root 役割になります。
  2. newfs コマンドを使用して UFS ファイルシステムを作成します。

    Caution

    注意  -  ファイルシステムを作成するとき、ディスク上のデータは破壊されます。必ず、正しいディスクデバイス名を指定してください。間違ったデバイス名を指定した場合、削除するつもりのないデータが削除されてしまいます。


    phys-schost# newfs raw-disk-device

    次の表に、引数 raw-disk-device の名前の例を挙げます。命名規約はボリュームマネージャーごとに異なるので注意してください。

    ボリュームマネージャー
    ディスクデバイス名の例
    説明
    Solaris Volume Manager
    /dev/md/nfs/rdsk/d1
    nfs ディスクセット内の raw ディスクデバイス d1
    なし
    /dev/global/rdsk/d1s3
    raw ディスクデバイス d1s3
  3. クラスタ内の各ノードで、クラスタファイルシステムのマウントポイントのディレクトリを作成します。

    そのノードからはクラスタファイルシステムにアクセスしない場合でも、マウントポイントはノードごとに必要です。


    ヒント  -  管理を行いやすくするには、マウントポイントを /global/device-group/ ディレクトリに作成します。この場所を使用すると、グローバルに利用できるクラスタファイルシステムとローカルファイルシステムを区別しやすくなります。
    phys-schost# mkdir -p /global/device-group/mount-point/
    device-group

    デバイスが含まれるデバイスグループ名に対応するディレクトリ名を指定します。

    mount-point

    クラスタファイルシステムのマウント先のディレクトリ名を指定します。

  4. クラスタ内の各ノードで、マウントポイント用の /etc/vfstab ファイルにエントリを追加します。

    詳細は、vfstab(4) のマニュアルページを参照してください。

    1. 各エントリで、使用する種類のファイルシステムに必要なマウントオプションを指定します。
    2. クラスタファイルシステムを自動的にマウントするには、mount at boot フィールドを yes に設定します。
    3. 各クラスタファイルシステムで、/etc/vfstab エントリの情報が各ノードで同じになるようにします。
    4. 各ノードの /etc/vfstab ファイルのエントリに、デバイスが同じ順序で表示されることを確認します。
    5. ファイルシステムのブート順の依存関係を検査します。

      たとえば、phys-schost-1 がディスクデバイス d0/global/oracle/ にマウントし、phys-schost-2 がディスクデバイス d1/global/oracle/logs/ にマウントすると仮定します。この構成では、phys-schost-1 がブートされ、/global/oracle/ がマウントされたあとにのみ、phys-schost-2 をブートし、/global/oracle/logs/ をマウントできます。

  5. クラスタ内の任意のノードで、構成確認ユーティリティーを実行します。
    phys-schost# cluster check -k vfstab

    構成確認ユーティリティーは、マウントポイントが存在することを確認します。また、/etc/vfstab ファイルのエントリが、クラスタのすべてのノードで正しいことを確認します。エラーが発生していない場合は、何も出力されません。

    詳細は、cluster(1CL) のマニュアルページを参照してください。

  6. クラスタ内の任意のノードから、クラスタファイルシステムをマウントします。
    phys-schost# mount /global/device-group/mountpoint/
  7. クラスタ内にある各ノード上で、クラスタファイルシステムがマウントされていることを確認します。

    df コマンドまたは mount コマンドのいずれかを使用し、マウントされたファイルシステムの一覧を表示します。詳細は、df(1M) のマニュアルページまたは mount(1M) のマニュアルページを参照してください。

使用例 11  UFS クラスタファイルシステムの作成

次に、Solaris Volume Manager ボリューム /dev/md/oracle/rdsk/d1 上に、UFS クラスタファイルシステムを作成する例を示します。各ノードの vfstab ファイルにクラスタファイルシステムのエントリが追加されます。次に、1 つのノードから cluster check コマンドを実行します。構成確認プロセスが正しく終了すると、1 つのノードからクラスタファイルシステムがマウントされ、全ノードで確認されます。

phys-schost# newfs /dev/md/oracle/rdsk/d1
…
phys-schost# mkdir -p /global/oracle/d1
phys-schost# vi /etc/vfstab
#device           device        mount   FS      fsck    mount   mount
#to mount         to fsck       point   type    pass    at boot options
#
/dev/md/oracle/dsk/d1 /dev/md/oracle/rdsk/d1 /global/oracle/d1 ufs 2 yes global,logging
…
phys-schost# cluster check -k vfstab
phys-schost# mount /global/oracle/d1
phys-schost# mount
…
/global/oracle/d1 on /dev/md/oracle/dsk/d1 read/write/setuid/global/logging/largefiles
on Sun Oct 3 08:56:16 2005

次のステップ

サードパーティーアプリケーションをインストールし、リソースタイプを登録し、リソースグループを設定し、データサービスを構成する方法を見つけるには、アプリケーションソフトウェアに付属のドキュメントおよびOracle Solaris Cluster 4.3 データサービス計画および管理ガイドを参照してください。