Oracle Solaris Cluster ソフトウェアの構成時に自動定足数構成を選択した場合
単一ノードグローバルクラスタをインストールした場合
ノードを既存のグローバルクラスタに追加し、十分な定足数投票を割り当て済みの場合
クラスタの確立時に自動定足数構成を選択した場合は、この手順を実行しないでください。代わりに、定足数構成とインストールモードを確認する方法に進みます。
次の手順は、新しいクラスタが完全に形成された後に一度だけ実行します。この手順で定足数投票を割り当て、クラスタのインストールモードを解除します。
始める前に
定足数サーバー – 定足数サーバーを定足数デバイスとして構成するには、次を実行します。
定足数サーバーのホストコンピュータに Oracle Solaris Cluster Quorum Server ソフトウェアをインストールして、定足数サーバーを起動します。定足数サーバーのインストールと起動についての詳細は、Oracle Solaris Cluster Quorum Server ソフトウェアをインストールおよび構成する方法を参照してください。
クラスタノードに直接接続されているネットワークスイッチが次の基準のいずれかを満たすことを確認します。
スイッチは RSTP (Rapid Spanning Tree Protocol) をサポートしています。
スイッチ上で高速ポートモードが有効になっています。
クラスタノードと定足数サーバー間ですぐに通信できるようにするには、これらの機能の 1 つが必要です。この通信がスイッチによって大幅に遅延すると、クラスタはこの通信の中断を定足数デバイスが失われたものと解釈します。
次の情報を用意します。
構成された定足数デバイスの名前
定足数サーバーのホストコンピュータの IP アドレス
定足数サーバーのポート番号
NAS デバイス – ネットワーク接続ストレージ (NAS) デバイスを定足数デバイスとして構成するには、次を実行します。
NAS デバイスのハードウェアとソフトウェアをインストールします。NAS ハードウェアおよびソフトウェアの要件とインストール手順については、Oracle Solaris Cluster With Network-Attached Storage Device Manualおよび使用しているデバイスのドキュメントを参照してください。
定足数サーバーを使用する場合。
パブリックネットワークが、classless inter domain routing (CIDR) とも称せられる可変長のサブネットマスキングを使用する場合。
# ipadm show-addr ADDROBJ TYPE STATE ADDR lo0/v4 static ok 127.0.0.1/8 ipmp0/v4 static ok 10.134.94.58/24
あるいは、ユーザーアカウントに System Administrator プロファイルが割り当てられている場合、プロファイルシェル経由で非 root としてコマンドを発行するか、コマンドの先頭に pfexec コマンドを付加します。
phys-schost# cluster status -t node
このコマンドを実行するのに root 役割としてログインする必要はありません。
phys-schost-1# cldevice list -v
出力は次のようになります。
DID Device Full Device Path ---------- ---------------- d1 phys-schost-1:/dev/rdsk/c0t0d0 d2 phys-schost-1:/dev/rdsk/c0t6d0 d3 phys-schost-2:/dev/rdsk/c1t1d0 d3 phys-schost-1:/dev/rdsk/c1t1d0 …
Step 1 の cldevice の出力を使用して、定足数デバイスとして構成する各共有ディスクのデバイス ID を識別します。たとえば、Step 1 の出力は、グローバルデバイス d3 が phys-schost-1 と phys-schost-2 によって共有されていることを示しています。
phys-schost# cldevice show device === DID Device Instances === DID Device Name: /dev/did/rdsk/dN … default_fencing: nofencing …
代わりに、単に各ディスクのフェンシングを無効化することもできます (そのディスクの global_fencing プロパティーは、どのような値が設定されていてもオーバーライドされます)。Step 6 に進んで、個々のディスクのフェンシングを無効にします。
phys-schost# cluster show -t global === Cluster === Cluster name: cluster … global_fencing: nofencing …
phys-schost# cldevice set \ -p default_fencing=nofencing-noscrub device
phys-schost# cldevice show device
phys-schost# clsetup
「初期クラスタ設定」画面が表示されます。
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定足数サーバーの場合、次の情報も指定します。
定足数サーバーのホストコンピュータの IP アドレス
クラスタノードとやり取りする際に定足数サーバーが使用するポート番号
clsetup ユーティリティーによって、クラスタの定足数構成と投票数が設定されたあと、「クラスタの初期化は完了しました。」というメッセージが表示されます。ユーティリティーは、「メインメニュー」に戻ります。
次のステップ
定足数構成とインストールモードが無効になっていることを確認します。定足数構成とインストールモードを確認する方法に進みます。
トラブルシューティング
scinstall が自動構成の実行に失敗する – scinstall によって、共有ディスクを定足数デバイスとして自動的に構成できなかった場合、またはクラスタの installmode 状態がまだ enabled の場合、scinstall の処理の完了後に clsetup ユーティリティーを使用して、定足数デバイスを構成し、installmode をリセットできます。
中断された clsetup 処理 – 定足数設定プロセスが中断されるか、完了に失敗した場合は、clsetup を再実行してください。
定足投票数の変更 – 定足数デバイスへのノード接続の数をあとで増加または減少させた場合、定足投票数が自動的に再計算されることはありません。各定足数デバイスを一度に 1 つずつ取り外してもう一度構成に追加することにより、正しい定足数投票をもう一度確立できます。2 ノードクラスタの場合、定足数デバイスを取り外して、もとの定足数デバイスに戻す前に一時的に新しい定足数デバイスを追加します。次に一時的に追加した定足数デバイスを取り外します。Oracle Solaris Cluster 4.3 システム管理 の 第 6 章, 定足数の管理の「定足数デバイスのノードリストを変更する」手順を参照してください。
到達不可能な定足数デバイス – クラスタノードで定足数デバイスが到達不可能というメッセージが表示される場合、またはクラスタノードで「CMM: 定足数デバイスを獲得できません」というエラーメッセージが表示される場合、定足数デバイスまたは定足数デバイスへのパスに問題がある可能性があります。定足数デバイスおよび定足数デバイスへのパスが機能していることを確認してください。
引き続き問題が発生する場合、別の定足数デバイスを使用します。また、同じ定足数デバイスを使用する場合は、定足数のタイムアウトを次のように高い値に増やします。
1. root 役割になります。
2. 各クラスタノードで、root 役割として /etc/system ファイルを編集して、タイムアウトを高い値に設定します。
次の例では、タイムアウトを 700 秒に設定します。
phys-schost# pfedit /etc/system … set cl_haci:qd_acquisition_timer=700
3. ノードのどれか 1 つでクラスタを停止します。
phys-schost-1# cluster shutdown -g0 -y
4. 各ノードをブートしてクラスタに戻します。
/etc/system ファイルに対する変更は、リブート後に初期化されます。