scinstall ユーティリティーは 2 つのインストールモード (通常またはカスタム) で実行されます。「通常」を指定した Oracle Solaris Cluster ソフトウェアのインストールでは、scinstall が自動的に次のデフォルト構成を指定します。
172.16.0.0
255.255.240.0
正確に 2 つのアダプタ
switch1 および switch2
有効
制限付き
通常モードまたはカスタムモードのインストールの計画を立てるには、次のいずれかのクラスタ構成ワークシートに記入します。
「通常」モードのワークシート - 「通常」モードを使用して、デフォルト値をすべて受け入れる場合は、次のワークシートに必要事項を記入します。
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「カスタム」モードのワークシート - 「カスタム」モードを使用して構成データをカスタマイズする場合は、次のワークシートに必要事項を記入します。
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Oracle Solaris Cluster ソフトウェアをクラスタのすべてのノードで構成するには、グローバルクラスタの 1 つのノードからこの手順を実行します。
この手順では、対話型の scinstall コマンドを使用します。インストールスクリプトを開発するときなど、非対話型の scinstall コマンドを使用する方法については、scinstall(1M) のマニュアルページを参照してください。
clauth コマンドは、新規クラスタのノードとして構成されるマシンのネットワークアクセスポリシーを制御します。clauth コマンドの詳細は、clauth(1CL) のマニュアルページを参照してください。
ブラウザインタフェースを使用してこのタスクを実行する前に、Oracle Solaris Cluster Manager パッケージを含む、すべてのクラスタパッケージをインストールする必要があります。そのあと、いずれかのクラスタノード上でブラウザにアクセスできます。Oracle Solaris Cluster Manager のログイン手順については、Oracle Solaris Cluster 4.3 システム管理 の Oracle Solaris Cluster Manager にアクセスする方法を参照してください。ログインしたあと、そのノードがクラスタの一部として構成されていない場合、ウィザードは「構成」ボタンを含む画面を表示します。クラスタ構成ウィザードを起動するには、「構成」をクリックします。
これらのガイドラインに従い、次に示す手順で対話式の scinstall ユーティリティーを使用します。
対話式 scinstall を使用すると、先行入力が可能になります。したがって、次のメニュー画面がすぐに表示されなくても、Return キーを押すのは一度だけにしてください。
特に指定のある場合を除いて、Control-D キーを押すと、関連する一連の質問の最初に戻るか、メインメニューに戻ります。
前のセッションのデフォルトの解凍が、質問の最後に角かっこ ([ ]) で囲まれて表示されます。入力せずに角かっこ内の回答を入力するには、Return キーを押します。
始める前に
次のタスクを実行します。
Oracle Solaris Cluster ソフトウェアをサポートするように Oracle Solaris OS がインストールされているか確認します。
Oracle Solaris ソフトウェアがすでにノード上にインストールされている場合は、Oracle Solaris のインストールが Oracle Solaris Cluster ソフトウェアの必要条件、およびそのクラスタにインストールする予定のほかのソフトウェアの必要条件を満たしていることを確認してください。Oracle Solaris Cluster ソフトウェアの要件を満たすように Oracle Solaris ソフトウェアをインストールする方法の詳細については、Oracle Solaris ソフトウェアをインストールする方法を参照してください。
NWAM が無効になっていることを確認します。手順については、Oracle Solaris Clusterソフトウェアパッケージをインストールする方法を参照してください。
SPARC: Oracle VM Server for SPARC 論理ドメインをクラスタノードとして構成している場合は、各物理マシンに Oracle VM Server for SPARC ソフトウェアがインストールされていること、およびドメインが Oracle Solaris Cluster の要件を満たしていることを確認してください。Oracle VM Server for SPARC ソフトウェアをインストールし、ドメインを作成する方法を参照してください。
Oracle Solaris Cluster ソフトウェアパッケージおよび更新が各ノードにインストールされていることを確認します。Oracle Solaris Clusterソフトウェアパッケージをインストールする方法を参照してください。
タグ付き VLAN アダプタとして使用するアダプタがすべて構成済みであることと、それらの VLAN ID があることを確認します。
完成した通常モードまたはカスタムモードのインストールワークシートを使用可能にしておきます。すべてのノードでの Oracle Solaris Cluster ソフトウェアの構成 (scinstall)を参照してください。
スイッチのドキュメントの手順に従って、NDP が有効になっているかどうかを確認し、NDP を無効にします。
クラスタ構成中に、ソフトウェアはプライベートインターコネクトにトラフィックがないことを確認します。プライベートインターコネクトでトラフィックを確認したときに NDP がプライベートアダプタにパッケージを送信する場合、ソフトウェアはインターコネクトがプライベートではないものとみなし、クラスタ構成が中断されます。このため、クラスタ作成中は NDP を無効にしてください。
クラスタが確立されたあと、NDP の機能を使用する場合は、プライベートインターコネクトスイッチ上でもう一度 NDP を有効にすることができます。
あるいは、ユーザーアカウントに System Administrator プロファイルが割り当てられている場合、プロファイルシェル経由で非 root としてコマンドを発行するか、コマンドの先頭に pfexec コマンドを付加します。
Oracle Solaris の RPC 用 TCP ラッパー機能は、クラスタの構成に必要なノード間通信を妨げます。
次のコマンド出力例に示すように、config/enable_tcpwrappers が true に設定されている場合、TCP ラッパーが有効になっています。
# svccfg -s rpc/bind listprop config/enable_tcpwrappers config/enable_tcpwrappers boolean true
# svccfg -s rpc/bind setprop config/enable_tcpwrappers = false # svcadm refresh rpc/bind # svcadm restart rpc/bind
# ipadm create-ip interface # ipadm create-addr -T static -a local=address/prefix-length addrobj
詳細は、Oracle Solaris 11.3 でのネットワークコンポーネントの構成と管理 の IPv4 インタフェースを構成する方法を参照してください。
リンクローカルでない IPv6 パブリックネットワークインタフェースがクラスタ内に存在していないかぎり、クラスタの初期構成時に、IPMP グループが一致するサブネットに基づいて自動的に作成されます。これらのグループでは、インタフェースモニタリング用として推移的プローブが使用されるため、テストアドレスは必要ありません。
これらの自動的に作成された IPMP グループがユーザーのニーズに合わない場合や、リンクローカルでない IPv6 パブリックネットワークインタフェースが構成に 1 つ以上含まれているために IPMP グループが作成されない場合は、次のいずれかを実行します。
詳細は、Oracle Solaris 11.3 での TCP/IP ネットワーク、IPMP、および IP トンネルの管理 の IPMP グループの構成を参照してください。
詳細は、Oracle Solaris 11.3 でのネットワークデータリンクの管理 の 第 2 章, リンクアグリゲーションを使用した高可用性の構成を参照してください。
このシステムは制御ノードです。
phys-schost# clauth enable -n control-node
sys (unix) プロトコルではなく des (Diffie-Hellman) 認証プロトコルを使用する場合、コマンドに –p des を含めます。
phys-schost# clauth enable -p des -n control-node
DES 認証の設定については、Oracle Solaris 11.3 での Kerberos およびその他の認証サービスの管理 の Secure RPC による認証の管理を参照してください。
phys-schost# scinstall
*** Main Menu *** Please select from one of the following (*) options: * 1) Create a new cluster or add a cluster node * 2) Print release information for this cluster node * ?) Help with menu options * q) Quit Option: 1
「新しいクラスタとクラスタノード」メニューが表示されます。
「通常」または「カスタム」モードメニューが表示されます。
「新しいクラスタの作成」画面が表示されます。要件を読み、Control-D キーを押して操作を続けます。
scinstall ユーティリティーは、すべてのクラスタノードのインストールと構成を行い、クラスタをリブートします。クラスタ内ですべてのノードが正常にブートされると、クラスタが確立されます。Oracle Solaris Cluster のインストール出力は、/var/cluster/logs/install/scinstall.log.N ファイルに記録されます。
ノードのサービスがまだオンラインでない場合は、次のステップに進む前に状態がオンラインに変わるまで待ちます。
phys-schost# svcs multi-user-server node STATE STIME FMRI online 17:52:55 svc:/milestone/multi-user-server:default
phys-schost# clnode status
出力は次のようになります。
=== Cluster Nodes === --- Node Status --- Node Name Status --------- ------ phys-schost-1 Online phys-schost-2 Online phys-schost-3 Online
詳細は、clnode(1CL) のマニュアルページを参照してください。
phys-schost# clquorum reset
少なくともディスクのいずれかが、クラスタ内の別のノードからアクセス可能である場合、モニターされる共有ディスクパスがすべて失敗すると、この機能はノードを自動的にリブートします。
phys-schost# clnode set -p reboot_on_path_failure=enabled +
設定するプロパティーを指定します。
モニターされる共有ディスクパスすべてに障害が発生する場合、自動ノードリブートを有効化します。
phys-schost# clnode show === Cluster Nodes === Node Name: node … reboot_on_path_failure: enabled …
/etc/hosts.allow ファイルへのこの追加を行わなかった場合、TCP ラッパーは、クラスタ管理ユーティリティーの RPC 経由でのノード間通信を妨げます。
# /usr/sbin/ipadm show-addr ADDROBJ TYPE STATE ADDR clprivnet0/N static ok ip-address/netmask-length …
オートマウンタマップを変更する方法の詳細については、Oracle Solaris 11.3 でのネットワークファイルシステムの管理 の マップの管理タスクを参照してください。
ここでは、scinstall を使用して 2 ノードクラスタ schost で構成タスクを完了したときに、ログに記録される scinstall 進行状況メッセージの例を示します。このクラスタは、「通常」モードで、scinstall ユーティリティーを使用することによって、phys-schost-1 からインストールされます。もう一つのクラスタノードは、phys-schost-2 です。アダプタ名は、net2 と net3 です。定足数デバイスの自動選択は有効です。
Log file - /var/cluster/logs/install/scinstall.log.24747 Configuring global device using lofi on pred1: done Starting discovery of the cluster transport configuration. The following connections were discovered: phys-schost-1:net2 switch1 phys-schost-2:net2 phys-schost-1:net3 switch2 phys-schost-2:net3 Completed discovery of the cluster transport configuration. Started cluster check on "phys-schost-1". Started cluster check on "phys-schost-2". cluster check completed with no errors or warnings for "phys-schost-1". cluster check completed with no errors or warnings for "phys-schost-2". Configuring "phys-schost-2" … done Rebooting "phys-schost-2" … done Configuring "phys-schost-1" … done Rebooting "phys-schost-1" … Log file - /var/cluster/logs/install/scinstall.log.24747
トラブルシューティング
構成の失敗 – 1 つ以上のノードがクラスタに参加できない場合、または間違った構成情報が指定された場合は、まずこの手順の再実行を試みます。それでも問題が修正されない場合は、誤った構成の各ノードで インストールの問題を修正する方法ために Oracle Solaris Cluster ソフトウェアを構成解除する方法 の手順を実行して、クラスタ構成からそのノードを削除します。Oracle Solaris Cluster ソフトウェアパッケージをアンインストールする必要はありません。次に、この手順を再度実行します。
次のステップ
単一ノードクラスタをインストールすると、クラスタは確立されます。クラスタファイルシステムの作成に進んで、ボリューム管理ソフトウェアをインストールし、クラスタを構成してください。
複数ノードクラスタをインストールして、自動定足数構成を選択した場合は、インストール後の設定は完了しています。定足数構成とインストールモードを確認する方法に進みます。
複数ノードクラスタをインストールして、自動定足数構成を拒否した場合は、インストール後の設定を実行します。定足数デバイスを構成する方法に進みます。
クラスタに定足数デバイスを構成する場合、定足数デバイスを構成する方法 を参照してください。
それ以外の場合は、定足数構成とインストールモードを確認する方法に進みます。