このセクションでは、Oracle Solaris Cluster の Oracle VM Server for SPARC テンプレートを使用して、ゲストドメインのみまたは I/O ドメインをクラスタノードとして構成する手順について説明します。
ゲストドメインまたは I/O ドメインのクラスタを作成するには、この手順を実行します。
ゲストドメインと I/O ドメインの両方を含むクラスタを作成します。
制御ドメインのクラスタを作成します。
既存のクラスタに論理ドメインノードを追加します。
これらのタスクを実行するには、代わりに物理マシンの手順に従ってください。Oracle Solaris Cluster のインストールタスクの確認を参照してください。
始める前に
制御ドメインに ovmtutils パッケージがインストールされていることを確認してください。パッケージがインストールされているかどうかを確認するには、次のコマンドを使用できます。
# pkg info ovmtutils
Oracle VM Server for SPARC テンプレートファイルが制御ドメインからアクセス可能であることを確認してください。
Oracle VM Server for SPARC サービスが定義されていることを確認してください。
仮想ディスクサービス - ovmtutils は、配備中に Oracle VM Server for SPARC 環境のさまざまな側面を作成および構成しますが、いくつかのサービスが存在していることが必要です。さらに、以降のタスクにもいくつかのサービスが必要です。次に示すのはディスクサービスを作成するためのコマンド例であり、制御ドメインから実行されます。
# /usr/sbin/ldm add-vds primary-vds0 primary
仮想コンソール端末集配信装置サービス - 次に示すのはコンソール端末集配信装置サービスを作成するためのコマンド例であり、制御ドメインから実行されます。
# /usr/sbin/ldm add-vcc port-range=5000-5100 primary-vcc0 primary
この手順では、すべてのコマンドを制御ドメインから入力します。テンプレートファイルは、/export/ovmt/ovm_osc43_sparc.ova にあります。
# ovmtdeploy -U newdomain
作業ディレクトリがすでに存在する場合は、そのディレクトリが空であることを確認します。
# mkdir -p /domains/newdomain # ls -l /domains/newdomain total 0
# ovmtdeploy -n -l -d newdomain /export/ovmt/ovm_osc43_sparc.ova Oracle VM for SPARC Deployment Utility ovmtdeploy Version 3.4.0.0.11 Copyright (c) 2014, 2015, Oracle and/or its affiliates. All rights reserved. STAGE 1 - EXAMINING SYSTEM AND ENVIRONMENT ------------------------------------------ Checking user privilege Performing platform & prerequisite checks Checking for required services Named resourced available STAGE 2 - ANALYZING ARCHIVE & RESOURCE REQUIREMENTS --------------------------------------------------- Checking .ova format and contents Validating archive configuration Listing archive configuration Assembly ------------------------ Assembly name: ovm_osc43_sparc.ovf Gloabl settings: References: system -> System.img.gz Disks: system -> system Networks: primary-vsw0 Virtual machine 1 ------------------------ Name: newdomain Description: Oracle Solaris Cluster 4.3 with 2 vCPUs, 4G memory, 1 disk image(s) vcpu Quantity: 2 Memory Quantity: 4G Disk image 1: ovf:/disk/system -> system Network adapter 1: Ethernet_adapter_0 -> primary-vsw0 Oracle Solaris Cluster 4.3 name Solaris 11 System computer-name ifname time-zone keyboard language Solaris 11 Root Account root-password Solaris 11 User Account name.0 real-name.0 password.0 Solaris 11 Network ipaddr.0 netmask gateway.0 dns-servers.0 dns-search-domains.0 name-service domain-name nis-servers ldap-profile ldap-servers ldap-search-base ldap-proxy-bind-distinguished-name ldap-proxy-bind-password Oracle Solaris Cluster cluster_name node_list interconnect private_netaddr
Oracle Solaris システム構成ファイルのテンプレートを使用して独自のファイルを作成します。Oracle Solaris システム構成プロパティーファイルのテンプレートは、/opt/ovmtutils/share/props/solaris.properties にあります。
システム構成プロパティーファイルはノードごとに異なります。ノードがクラスタに参加するときにリモートのスポンサーノード名を解決できるように、Oracle Solaris プロパティーファイル内にネームサービスが提供されている必要があります。
クラスタ構成ファイルには、次の Oracle Solaris Cluster プロパティーが含まれています。
com.oracle.hacluster.config.cluster_name – クラスタ名を指定します。
com.oracle.hacluster.config.node_list – クラスタを形成する論理ドメインのホスト名のコンマ区切りリスト。このリスト内の先頭のノードはクラスタに追加される最初のノードであり、残りのノードのスポンサーノードとして機能します。リスト内の順序が重要である (先頭のホスト名がスポンサーノードになる) ため、テンプレートを使用して配備されるすべてのドメインにまったく同じリストが存在することが必要です。
com.oracle.hacluster.config.interconnect – InfiniBand パーティションを使用している場合、インターコネクトのアダプタ (pkeys) のコンマ区切りリスト。
com.oracle.hacluster.config.private_netaddr – (オプション) ネットマスク 255.255.240.0 と互換性のあるプライベートネットワークアドレスを指定します。デフォルトのアドレスは 172.16.0.0 です。InfiniBand を使用している場合は、pkeys がクラスタ間で異なるため、デフォルトのプライベートネットワークアドレスを使用できます。
すべての新しいドメインに対して、同じクラスタ構成プロパティーファイルを使用できます。
次のシナリオでさまざまなオプションを使用できます。
制御ドメインが vanilla 状態にあり、そこにまだスイッチが作成されていない場合は、–e オプションを使用して、vswitch または vnet を作成するためのアダプタを指定します。
制御ドメイン内にすでにスイッチが作成されている場合は、ovmtdeploy –n –l の出力に示されるテンプレート内の順序を使用するか、または –t オプションを使用して各 vnet の既存の vswitch を使用するための順序を指定できます。
–I オプションを使用して SR-IOV 仮想機能を指定します。
次の例では、指定されたスイッチ/アダプタとディスクを含む新しいドメインを配備します。–v オプションによって指定されている最初のディスクは新しいドメインのローカルのルートディスクであり、次の 2 つのディスクは共有ディスクです。
# /opt/ovmtutils/bin/ovmtdeploy -d newdomain -o /domains/newdomain \ -k -s -c 8 -t primary-vsw0,priv-vsw1,priv-vsw2 -e net0,net2,net3 \ -v /dev/rdsk/c0tNd0s2,/dev/rdsk/c0tX9d0s2,/dev/rdsk/c0tYd0s2 \ /export/ovmt/ovm_osc43_sparc.o
次の例では、新しいドメインを配備するために SR-IOV 仮想機能を使用します。
# /opt/ovmtutils/bin/ovmtdeploy -d newdomain -o /domains/newdomain -k -s -c 8 \ -I /SYS/PCI-EM0/IOVIB.PF0.VF0,/SYS/PCI-EM4/IOVIB.PF0.VF0 \ -e net0 \ -v /dev/rdsk/c0tNd0s2,/dev/rdsk/c0tX9d0s2,/dev/rdsk/c0tYd0s2\ /export/ovmt/ovm_osc43_sparc.ova
–v オプションは、ターゲットデバイスのコンマ区切りリストを指定します。クラスタの場合は、Oracle Solaris の raw ディスクデバイス全体を指定できます。たとえば、/dev/rdsk/c3t3d0s2 または iSCSI デバイス (/dev/rdsk/c0t600144F00021283C1D7A53609BE10001d0s2 など) を指定します。スライス上のターゲットデバイスやブロックデバイス上のターゲットデバイスはサポートされません。ルート zpool ディスクは最初のディスクとして指定します。ローカルディスクと共有デバイスを含む複数のディスクを指定する場合は、それらをすべてのドメインについて同じ順序で指定します。詳細は、ovmtdeploy(1M) のマニュアルページを参照してください。
すべての制御ドメインで、ovmtconfig コマンドを使用して、Step 4 とStep 5 で作成されたシステムおよび Oracle Solaris Cluster 構成プロパティーファイルを含む新しいドメインを構成します。ovmtconfig コマンドはまた、ソフトウェアによって実行された残りの構成操作を完了するためにドメインをブートします。このプロセスでは、ドメインは 2 回リブートされ、最後のリブートによってクラスタモードになります。
–P オプションを使用してシステムおよび Oracle Solaris Cluster 構成プロパティーファイルを指定するか、または –p オプションを使用して、プロパティーファイル内で指定されている同じプロパティーをオーバーライドする個々のプロパティーを指定します。その他のオプションの使用に関する情報は、ovmtconfig(1M) のマニュアルページで見つけることができます。
# ovmtconfig -d newdomain -s -v \ -P /export/ovmt/properties/system_node1OVM.props,/export/ovmt/properties/cluster_newdomain.props # ldm ls
詳細は、ovmtconfig(1M) のマニュアルページを参照してください。
# ldm ls newdomain # telnet 0 console-port-number-of-newdomain
# cluster show # cluster status
# svcs -xv
# ipmpstat -g
配備されたドメインで設定されている solaris および ha-cluster パブリッシャーは、この手順を実行するまで機能しません。
# pkg unset-publisher solaris # pkg unset-publisher ha-cluster
鍵と証明書に対するダウンロードボタンを含む認証ページが表示されます。
次の例ではリポジトリ名が https://pkg.oracle.com/repository-location/ になっています。
# pkg set-publisher \ -k /var/pkg/ssl/Oracle_Solaris_Cluster_4.0.key.pem \ -c /var/pkg/ssl/Oracle_Solaris_Cluster_4.0.certificate.pem \ -O https://pkg.oracle.com/repository-location/ ha-cluster
ダウンロードされた SSL 鍵ファイルへのフルパスを指定します。
ダウンロードされた SSL 証明書ファイルへのフルパスを指定します。
Oracle Solaris Cluster 4.3 パッケージリポジトリへの URL を指定します。
詳細は、pkg(1) のマニュアルページを参照してください。