ネットワークから x86 ベースのシステムをブートするときは、次の情報に注意してください。
Oracle Solaris で使用されるネットワーク構成ブート方法は動的ホスト構成プロトコル (DHCP) です。
Oracle Solaris のネットワークブートでは、データストレージデバイス (ハードディスクなど) やインストールされているオペレーティングシステムに関係なく、ネットワーク経由でブートプログラムをロードするメカニズムを提供する PXE ファームウェアインタフェースを使用します。このファームウェアは、BIOS ファームウェアを搭載するシステムの場合に pxegrub2 および 64 ビット UEFI ファームウェアを搭載するシステムの場合に grub2netx86.efi という名前の特別に構築された GRUB 2 イメージであるブートプログラムのロードを担当します。これらのファイルには、ネットワークでパケットを転送するために、Trivial File Transfer Protocol (TFTP)、DHCP、User Datagram Protocol (UDP)、インターネットプロトコル (IP)、および Universal Network Device Interface (UNDI) ファームウェアインタフェース (BIOS システムの場合) または Simple Network Protocol (SNP) インタフェース (UEFI システムの場合) のいずれかを使用するミニドライバの基本実装が含まれます。
GRUB 2 は、GRUB Legacy の PXE ベースのネットワークブートと同様のメカニズムを使用します。GRUB 2 の PXE ブートイメージには、GRUB を初期化するために必要なコードとモジュール、ZFS からブートするために必要なファイルシステムモジュール、および多くの有益な GRUB コマンドが含まれています。ネットワーク経由でモジュールをロードすると、ネットワークリソースに不必要な負荷がかかり、必須のコマンドを使用できないような障害に PXE ブートプロセスがさらされることがあるため、GRUB コマンドを実装するモジュールが、TFTP サーバー上に残される代わりに、GRUB 2 PXE イメージに組み込まれています。
GRUB 2 ブートイメージには、GRUB Legacy に存在するのと同じ検索アルゴリズムを実装する、埋め込みの grub.cfg ファイルが含まれています。このアルゴリズムは、TFTP サーバー上のいくつかの場所で、オペレーティングシステムのブートに使用する grub.cfg ファイルを検索します。
GRUB Legacy と同様に、GRUB 2 の PXE ブートイメージは、TFTP サーバーのルートディレクトリにインストールされます。PXE ブートイメージの名前は、自動インストーラ (AI) の構成方法によって異なります。AI ドキュメントに従って、該当する DHCP BootFile マクロには、PXE ブートイメージの名前が含まれます。
installadm コマンドは、無条件に BIOS および UEFI PXE イメージを TFTP サーバー上の適切な場所にコピーするように変更されました。さらに、DHCP サーバーは、UEFI ファームウェアを実行しているシステムに、PXE ブート時に正しい GRUB 2 (UEFI) BootFile オプションが与えられるように、ブートクライアントによって適切なシステムアーキテクチャータグが送られた場合に、適切な BootFile マクロを返すことができる必要もあります。この情報は、DHCP サーバーが DHCPOFFER を送信した場合に提供されます。
インストールされた Oracle Solaris インスタンスで、PXE ブートイメージは /boot/grub/pxegrub2 ファイル (BIOS 対応のイメージの場合) および /boot/grub/grub2netx64.efi ファイル (64 ビット UEFI 対応のイメージの場合) に保存されます。
AI を使用して Oracle Solaris をインストールするためにネットワークからシステムをブートする場合、詳細については、Oracle Solaris 11.3 システムのインストールを参照してください。
DHCP サーバーは、DHCP クラス PXEClient に次の情報で応答できる必要があります。
ファイルサーバーの IP アドレス
ブートファイルの名前。これは BIOS ファームウェアを搭載するシステムの場合 pxegrub2 で、UEFI ファームウェアを搭載するシステムの場合 grub2netx64.efiです。
ネットワークから PXE ブートを実行するシーケンスは次のようになります。
ファームウェアが、ネットワークインタフェースからブートするように構成されます。
ファームウェアが DHCP リクエストを送信します。
DHCP サーバーが、サーバーのアドレスとブートファイルの名前を返します。
ファームウェアは、TFTP を使用して、pxegrub2 (または grub2netx64.efi) をダウンロードし、次に GRUB 2 イメージを実行します。
TFTP を使用して GRUB 構成ファイルがダウンロードされます。
このファイルによって、利用可能なブートメニューエントリが表示されます。
メニューエントリを選択すると、システムは Oracle Solaris の読み込みを開始します。