Oracle Solaris の電源管理フレームワークでは、デバイスドライバを利用して、デバイス単位の電源管理機能を実装します。フレームワークの実装には次の 2 種類があります。
デバイス電源管理 – 使用されていないデバイスの電源を自動的に切り、電力消費を削減します。
システム電源管理 – システム全体がアイドル状態のときに自動的にコンピュータの電源を切ります。
このフレームワークでは、指定したアイドル時間間隔が経過したあと、そのデバイスのエネルギー消費を削減できます。電源管理の一環として、システムソフトウェアがアイドル状態のデバイスを確認します。電源管理フレームワークは、システムソフトウェアとデバイスドライバの間で通信を行うためのインタフェースをエクスポートします。
Oracle Solaris の電源管理フレームワークは、デバイスの電源管理のために次の機能を提供します。
電源管理に対応したデバイス向けのデバイス非依存モデル。
ワークステーションの電源管理を構成するための dtpower(1M) ツール。
電源管理の互換性やアイドル状態についてフレームワークに通知するための DDI インタフェース群。
システム電源管理では、システムの電源を切る前にシステムの状態を保存します。これにより、ふたたび電源を入れたときに、システムを以前と同じ状態に戻すことができます。
シャットダウン前の状態に戻すことを前提にシステム全体をシャットダウンするには、次の手順を実行します。
カーネルスレッドおよびユーザープロセスを停止します。あとからこれらのスレッドおよびプロセスを再起動します。
システム上のすべてのデバイスのハードウェア状態をディスクに保存します。あとからこれらの状態を復元します。
Oracle Solaris OS のシステム電源管理フレームワークは、システム電源管理のための次の機能を提供します。
システムのアイドル状態のプラットフォーム非依存モデル。
ハードウェア状態を持つドライバを調べるためのメソッドをオーバーライドする、デバイスドライバのインタフェース群。
フレームワークからドライバを呼び出してデバイス状態を保存および復元するためのインタフェース群。
レジューム操作が発生したことをプロセスに通知するためのメカニズム。