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8.6 Oracle VM Guest Additions (ovmd)の使用方法

Oracle VM Guest Additionsデーモン(ovmd)は、Oracle VM Managerゲストの間の双方向メッセージング・チャネルを容易に作成できるようにします。 これを使用すると、ファーストブートのインストール構成が可能となり、キー/値のペアを含むメッセージを送受信できます。

以前のリリースでは、ovmdユーティリティを使用して、キー/値メッセージを仮想マシンに送信できました。 この機能は直接Oracle VM Managerに組み込まれました。 この項では、ovmdを使用して仮想マシンにメッセージを送信するのに使用できるオプションについて説明しますが、これよりもOracle VM Manager WebインタフェースまたはOracle VM Managerコマンドライン・インタフェースを使用してキー/値メッセージを送信してください。 仮想マシンには、Oracle VM Guest Additionsデーモンがインストールされ、実行されている必要があります。 詳細は、Oracle VM Managerコマンドライン・インタフェース・ユーザー・ガイドsendVmMessageまたはOracle VM Managerユーザー・ガイドVMメッセージの送信の項を参照してください。

ovm-template-configスクリプトとovmdユーティリティを組み合せて使用すると、仮想マシンの起動時に、仮想マシン内のシステムおよびアプリケーションの構成パラメータをリモートから構成できます。 この機能の詳細は、8.8項「Oracle VMテンプレート構成スクリプトおよびモジュール」を参照してください。

Oracle VM Managerは、ovmdを使用して、ゲストからIPアドレス情報を取得します。この情報は、Oracle VM Manager Webインタフェースで仮想マシンの詳細情報を表示するときに含まれます。 仮想マシンIPアドレスを参照してください。

ovmdをコマンドラインから直接実行して、ovmdの機能外で操作をデーモンまたはシステム・サービスとして実行できます。 --helpパラメータを使用してovmdを実行すると、コマンドラインから直接実行する場合にサポートされるオプションの概要が、次のように表示されます。

ノート

Oracle Solarisでは、コマンド・オプションとスクリプト名がOracle Linuxのものと異なる場合があります。 詳細については、Oracle Solarisのovm-guest-additionsパッケージとともにインストールされているovmd(1M)のマニュアル・ページを参照してください。

構文

ovmd [ { -p | --set-param= } param ] [ { -g | --get-param= } key ] [ { -r | --delete-param= } key ] [ { -x | --delete-params } ] [ { -l | --list-params } ] [ { -e | --event= } event ] [ { -s | --script= } script ] [ { -d | --debug= } { 0 | 1 | 2 } ] [ { -f | --pid-file= } filename ] [ { -t | --time-period= } seconds ] [ { -v | --version } ] [ { -h | --help } ]

オプション

次の表に、このコマンドで使用可能なオプションを示します。

オプション

説明

{ -p | --set-param= } param

key=valueの形式でパラメータを設定します。

{ -g | --get-param= } key

キー名でパラメータの値を取得します。

{ -r | --delete-param= } key

キー名でパラメータを削除します。

{ -x | --delete-params }

すべてのパラメータを削除します。

{ -l | --list-params }

すべてのパラメータをリストします。

{ -e | --event= } event

イベントを挿入します。

{ -s | --script= } script

仮想マシンでスクリプトを実行します。

{ -d | --debug= } { 0 | 1 | 2 }

デバッグ・レベルを設定します。0DEBUG_OFF1DEBUG_STDERRおよび2DEBUG_SYSLOGです。 デフォルトは、2です。

{ -f | --pid-file= } filename

プロセスID (PID)ファイルのパス名を設定します。

{ -t | --time-period= } seconds

デーモン・モードの時間を設定します。 デフォルトは10秒です。

{ -v | --version }

ovmdスクリプト・バージョン番号を表示して、終了します。

{ -h | --help }

ovmdコマンド・オプションでヘルプを表示します。

例 8.1 ovmdスクリプト・バージョンの表示

# ovmd -v

例 8.2 仮想マシンでのスクリプトの実行

# ovmd --script=/scripts/cleanup

例 8.3 仮想マシンからOracle VM Managerへのメッセージの送信

# ovmd -p key1=value1

ovmdスクリプトを使用したメッセージの送受信の詳細は、 8.6.2項「仮想マシンへのメッセージの送信」を参照してください。


例 8.4 仮想マシンでOracle VM Managerから送信されたメッセージのリスト表示

# ovmd -\-list
{"key1":"value1"}
{"key2":"value2"}

例 8.5 仮想マシンでのメッセージの削除

# ovmd -r key1

8.6.1 Oracle VM Guest Additionsデーモンを使用して初回起動時の構成を有効にする方法

テンプレートとして機能するように仮想マシンを構成している場合、またはクローンしようとしている場合、初回起動時の構成を有効にできます。 この構成によって、仮想マシンは起動されるたびに初めて起動されたように動作します。 そのため、仮想マシンは、VM APIを使用して、または仮想マシン・コンソール上で、構成入力を求めるプロンプトを表示します。 これを行うには、次のコマンドを仮想マシン内でrootとして実行します。

# ovmd -s cleanup
# service ovmd enable-initial-config
# shutdown -h now

次回の起動時に、仮想マシンはあたかも初回起動であるかのように動作します。

ovmdをサービスとして実行するように構成している場合、メッセージング機能とovm-template-configスクリプトを使用することにより、このサービスをリモートから構成できます。

メッセージング・チャネルの使用の詳細は、 8.6.2項「仮想マシンへのメッセージの送信」の例を参照してください。 また、ovm-template-configスクリプトの詳細は、8.8項「Oracle VMテンプレート構成スクリプトおよびモジュール」を参照してください。

8.6.2 仮想マシンへのメッセージの送信

この項では、Oracle VM Guest Additionsがインストールされている場合の、Oracle VM Managerと実行中のOracle Linux仮想マシンとの間のメッセージ交換の例を説明します。

例 8.6 ゲストからOracle VM Managerへのメッセージの送信

ovmdを使用する場合、次の構文を使用して情報を仮想マシン内からOracle VM Managerに送信します。

# ovmd -p key1=value1

メッセージが、問題の仮想マシンのVirtual Machine API Incoming MessageイベントとしてOracle VM Managerユーザー・インタフェースに表示されます。 イベントを拡張すると、情報交換が行われるときに、説明にキー/値のペアおよび日時が表示されます。


例 8.7 Oracle VM Managerから仮想マシンへのメッセージの送信

ゲスト内からovmdを送信する場合、次の構文を使用して、Oracle VM Managerからメッセージを取得できます。

# ovmd -\-list
{"key1":"value1"}
{"key2":"value2"}

ovmd -\-listコマンドは、送信メッセージも受信メッセージもすべて取得します。 そのキーで、必要な特定のメッセージを識別できます。 不要なメッセージを削除するには、次の構文を使用します。

# ovmd -r key1
# ovmd -\-list
{"key2":"value2"}

8.6.3 Oracle VM Guest Additionsデーモンをサービスとして実行するように構成する方法

ovmdをOracle Linuxでサービスとして実行できるようにするには、chkconfigコマンドをrootとして実行します。

# chkconfig ovmd on

ovmdサービスを起動するには、次のコマンドをrootとして実行します。

# service ovmd start

ovmdはサービスとして構成されると、Oracle VM Managerを介して送信されるメッセージ・リクエストをリスニングします。