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10.3 Kickstartファイルを使用したホストのサイレントな変換

物理ホストをゲスト・イメージにサイレントに変換するには、kickstartファイルを使用してP2Vユーティリティにパラメータを渡します。

次のステップでは、ホストをサイレントに変換する方法の概要を示します。

  1. P2V kickstartファイルを作成し、kickstartサーバーにコピーします。

  2. イメージを作成するコンピュータの光ディスク・ドライブにOracle VM Serverのインストール・メディアを挿入します。

  3. BIOSまたはUEFIの設定で、光ディスク・ドライブから起動するようにブート順を変更します。

  4. Oracle VM Serverのインストール・メディアを使用してコンピュータを起動します。

    Oracle VM Serverの起動画面が表示されます。

  5. bootプロンプトで、次を入力します。

    # mboot.c32 xen.mb.efi --- vmlinuz p2v ksdevice=9C:B6:54:82:15:AC 
    ks=http://example.com/mypath/ks.cfg --- initrd.img

    ここで:

    • ksdeviceは、使用するネットワーク・インタフェースを指定します。

    • ksは、P2V kickstartファイルへのパスです。

P2Vユーティリティが変換プロセスを開始します。 kickstartファイルにパラメータが不足している場合は、入力を求めるプロンプトが表示されます。

変換プロセスが終了すると、ハードウェア仮想化ゲストを仮想マシン・テンプレートとしてOracle VM Managerにインポートできるようになります。  10.4項「Oracle VM Managerへの仮想マシン・テンプレートとしてのゲストのインポート」を参照してください。

Kickstartファイルの使用に関する考慮事項

kickstartファイルを使用してホストを変換する前に、次の事項を考慮してください。

  • P2Vユーティリティは、コンピュータ上のディスクを仮想ディスク・イメージに変換します。 仮想ディスク・イメージは、元のディスク名を使用して、ゲスト上にIDEディスク(hda、hdb、hdc、hddなど)として作成されます。 P2V kickstartファイルを使用すると、最大で4つのディスクがゲストに自動的にデプロイされます。 それ以上のディスクは、ゲストにはデプロイされませんが、変換されてゲスト構成ファイル(vm.cfg)に追加されます。

    ゲストに追加ディスクをデプロイするには、ディスク・エントリからコメントを削除するためにゲスト構成ファイルを編集し、その追加ディスクをSCSIデバイス名(sda、sdb、sdcなど)にマップします。 ブート・ディスクは、常にデバイスhdaにマップする必要があります。 ゲストのファイルのうち、これらのデバイスを参照しているファイルも変更する必要があります(たとえば、/etc/fstabファイルは/dev/hda1/dev/sda1などを参照している場合があります)。

  • P2Vユーティリティを実行しているコンピュータがネットワーク経由でkickstartファイルを読み取ることができるように、少なくとも1つのネットワークがDHCPを使用する必要があります。

  • kickstartセッションを起動するネットワーク・インタフェース以外のネットワーク・インタフェースを使用して、P2VユーティリティのWebサーバーでリスニングする場合は、kickstartファイルでそのネットワーク・インタフェースのネットワーク構成を指定します。

P2V Kickstartパラメータ

kickstartファイルを使用してホストを変換するには、起動プロンプトおよびP2V kickstartファイルでパラメータを指定する必要があります。

起動プロンプトで、次のようにパラメータを指定する必要があります。

# mboot.c32 xen.mb.efi --- vmlinuz p2v ksdevice=device ks=ksfile --- initrd.img

起動パラメータ

オプション

説明

p2v

P2V変換ユーティリティをロードします。

ks=ksfile

P2V kickstartファイルの名前および場所を指定します。

ksdevice=value

使用するネットワーク・インタフェースを指定します。 次の値のいずれか1つを設定できます。

  • インタフェースのデバイス名。たとえば、eth0

  • インタフェースのMACアドレス。たとえば、9C:B6:54:82:15:AC

  • キーワードlink。これは、システム上で見つかる最初のアクティブ・ネットワーク・インタフェースです。

  • キーワードbootif。これは、PXEサーバーから起動するために使用するシステムのインタフェースを使用します。

  • キーワードibft。これは、システムのBIOSまたはファームウェアのiSCSI Boot Firmware Table (iBFT)で指定されたインタフェースのMACアドレスを使用します。

Kickstartファイル・オプション

オプション

説明

p2v

kickstartファイルがP2V変換の自動化を目的としていることを示します。 パラメータは使用しません。

target --ovmmanager

ゲスト・イメージの宛先を設定します。 P2VユーティリティをHTTPSサーバー・モードで動作するように設定し、ゲスト・イメージをOracle VM Managerの実行中のインスタンスに転送します。

diskimage option ...

ゲスト・イメージに含めるディスクを指定します。 P2Vユーティリティでは、デバイス・マッパー・ベースのスナップショット機能を使用して、ディスクをsystem-*.imgファイルとしてターゲット・コンピュータにコピーします。 P2V kickstartファイル内に複数のdiskimageディレクティブが存在する場合があり、ディレクティブごとにゲスト・イメージにディスク・イメージが作成されます。 --deviceパラメータは、イメージ化する必要があるデバイスを示すdiskimageディレクティブとともに使用する必要があります。

optionパラメータは、次に示す1つ以上のオプションで構成されます。

--device path

イメージ化するデバイスです。pathにはデバイスのフル・パスを指定します。 次に例を示します。

diskimage --device /dev/sda

--type { IDE | SCSI | LVM | MDRAID }

ディスクの種類を設定します。 IDESCSILVMまたはMDRAIDのいずれかである必要があります。 デバイス/dev/hda、/dev/hdb、/dev/hdcおよび/dev/hddはIDEである必要があります。 デバイス/dev/sd[a-zz]はSCSIである必要があります。 論理ボリュームはLVMである必要があります。 デバイス/dev/md[a-zz]はMDRAIDである必要があります。 次に例を示します。

diskimage --device /dev/hda --type IDE

network option ...

コンピュータのネットワーク情報を構成します。

optionパラメータは、次に示す1つ以上のオプションで構成されます。

--bootproto { dhcp | bootp | static }

ネットワーク構成を判別する方法を設定します。 dhcpbootpまたはstaticのいずれかである必要があります。 デフォルトはdhcpです。bootpおよびdhcpは同様に処理されます。

dhcpでは、次のように、DHCPサーバーを使用して、ネットワーク構成を取得します。

network --bootproto dhcp

staticではすべてのネットワーク情報が必要です。 名前が示すとおり、この情報は静的であり、インストール中およびインストール後に使用されます。 すべてのネットワーク構成情報を1行に含める必要があるため、静的ネットワークのエントリはより複雑です。 次のように、IPアドレス、ネットマスク、ゲートウェイおよびネームサーバーを指定する必要があります。

network --bootproto static --ip 10.0.2.15 
  --netmask 255.255.255.0 --gateway 10.0.2.254 
  --nameserver 10.0.2.1

staticの方法には次の制限があります。

  • 静的ネットワーク構成情報は、すべてを1行に指定する必要があり、バックスラッシュを使用して行をラップすることはできません。

  • ネームサーバーは1つのみ指定できます。

--ip ipaddress

コンピュータのIPアドレスです。

--gateway ipaddress

デフォルト・ゲートウェイのIPアドレスです。

--nameserver ipaddress

プライマリ・ネームサーバーのIPアドレスです。

--netmask netmask

コンピュータのネットマスクです。

vm_options option ...

ゲストの構成オプションを設定します。

optionパラメータは、次に示す1つ以上のオプションで構成されます。

--name name

ゲストの名前です。

--mem size

ゲストのメモリーの割当て(MB)です。

--vcpus number

ゲストのVCPUの数です。

--consolepasswd password

ゲストのコンソール・パスワードです。 このオプションは、ゲストがインポート済の場合、Oracle VM Managerで無視されます。

次に例を示します。

vm_options --name MyVM --mem 2048 --vcpus 2 
  --consolepasswd mypassword

P2V Kickstartファイルの例

P2V kickstartファイルの例を次に示します。

p2v
target --ovmmanager
network --device eth0 --bootproto dhcp
diskimage --device /dev/sda --type IDE
vm_options --name myVM --mem 2048 --vcpus 2 --consolepasswd password