物理ホストをゲスト・イメージにサイレントに変換するには、kickstartファイルを使用してP2Vユーティリティにパラメータを渡します。
次のステップでは、ホストをサイレントに変換する方法の概要を示します。
P2V kickstartファイルを作成し、kickstartサーバーにコピーします。
イメージを作成するコンピュータの光ディスク・ドライブにOracle VM Serverのインストール・メディアを挿入します。
BIOSまたはUEFIの設定で、光ディスク・ドライブから起動するようにブート順を変更します。
Oracle VM Serverのインストール・メディアを使用してコンピュータを起動します。
Oracle VM Serverの起動画面が表示されます。
boot
プロンプトで、次を入力します。# mboot.c32 xen.mb.efi --- vmlinuz p2v ksdevice=
9C:B6:54:82:15:AC
ks=http://example.com
/mypath
/ks.cfg --- initrd.imgここで:
ksdeviceは、使用するネットワーク・インタフェースを指定します。
ksは、P2V kickstartファイルへのパスです。
P2Vユーティリティが変換プロセスを開始します。 kickstartファイルにパラメータが不足している場合は、入力を求めるプロンプトが表示されます。
変換プロセスが終了すると、ハードウェア仮想化ゲストを仮想マシン・テンプレートとしてOracle VM Managerにインポートできるようになります。 10.4項「Oracle VM Managerへの仮想マシン・テンプレートとしてのゲストのインポート」を参照してください。
kickstartファイルを使用してホストを変換する前に、次の事項を考慮してください。
P2Vユーティリティは、コンピュータ上のディスクを仮想ディスク・イメージに変換します。 仮想ディスク・イメージは、元のディスク名を使用して、ゲスト上にIDEディスク(hda、hdb、hdc、hddなど)として作成されます。 P2V kickstartファイルを使用すると、最大で4つのディスクがゲストに自動的にデプロイされます。 それ以上のディスクは、ゲストにはデプロイされませんが、変換されてゲスト構成ファイル(
vm.cfg
)に追加されます。ゲストに追加ディスクをデプロイするには、ディスク・エントリからコメントを削除するためにゲスト構成ファイルを編集し、その追加ディスクをSCSIデバイス名(sda、sdb、sdcなど)にマップします。 ブート・ディスクは、常にデバイスhdaにマップする必要があります。 ゲストのファイルのうち、これらのデバイスを参照しているファイルも変更する必要があります(たとえば、
/etc/fstab
ファイルは/dev/hda1
、/dev/sda1
などを参照している場合があります)。P2Vユーティリティを実行しているコンピュータがネットワーク経由でkickstartファイルを読み取ることができるように、少なくとも1つのネットワークがDHCPを使用する必要があります。
kickstartセッションを起動するネットワーク・インタフェース以外のネットワーク・インタフェースを使用して、P2VユーティリティのWebサーバーでリスニングする場合は、kickstartファイルでそのネットワーク・インタフェースのネットワーク構成を指定します。
kickstartファイルを使用してホストを変換するには、起動プロンプトおよびP2V kickstartファイルでパラメータを指定する必要があります。
起動プロンプトで、次のようにパラメータを指定する必要があります。
# mboot.c32 xen.mb.efi --- vmlinuz p2v ksdevice=device
ks=ksfile
--- initrd.img
起動パラメータ
オプション | 説明 |
---|---|
| P2V変換ユーティリティをロードします。 |
| P2V kickstartファイルの名前および場所を指定します。 |
| 使用するネットワーク・インタフェースを指定します。 次の値のいずれか1つを設定できます。
|
Kickstartファイル・オプション
オプション | 説明 |
---|---|
| kickstartファイルがP2V変換の自動化を目的としていることを示します。 パラメータは使用しません。 |
| ゲスト・イメージの宛先を設定します。 P2VユーティリティをHTTPSサーバー・モードで動作するように設定し、ゲスト・イメージをOracle VM Managerの実行中のインスタンスに転送します。 |
|
ゲスト・イメージに含めるディスクを指定します。 P2Vユーティリティでは、デバイス・マッパー・ベースのスナップショット機能を使用して、ディスクを
イメージ化するデバイスです。 diskimage --device /dev/sda
ディスクの種類を設定します。 diskimage --device /dev/hda --type IDE |
| コンピュータのネットワーク情報を構成します。
ネットワーク構成を判別する方法を設定します。
network --bootproto dhcp
network --bootproto static --ip 10.0.2.15 --netmask 255.255.255.0 --gateway 10.0.2.254 --nameserver 10.0.2.1
コンピュータのIPアドレスです。
デフォルト・ゲートウェイのIPアドレスです。
プライマリ・ネームサーバーのIPアドレスです。
コンピュータのネットマスクです。 |
| ゲストの構成オプションを設定します。
ゲストの名前です。
ゲストのメモリーの割当て(MB)です。
ゲストのVCPUの数です。
ゲストのコンソール・パスワードです。 このオプションは、ゲストがインポート済の場合、Oracle VM Managerで無視されます。 次に例を示します。 vm_options --name MyVM --mem 2048 --vcpus 2
--consolepasswd |