Oracle® Solaris 11.2 での OpenStack のインストールと構成

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更新: 2015 年 4 月
 
 

3 ノードアーキテクチャーの概要

この章で説明するアーキテクチャーは次の 3 つのシステムにデプロイされています。

  • コントローラノード。コントローラノードで、ほとんどの共有 OpenStack サービスおよびその他のツールが実行されます。コントローラノードはクラウドに API、スケジュール、およびその他の共有サービスを提供します。コントローラノードには、ダッシュボード、イメージストア、およびアイデンティティーサービスがあります。さらに、Nova コンピュート管理サービスと Neutron サーバーもこのノードに構成されます。

  • ネットワークノード。ネットワークノードは、Neutron Layer 3 および DHCP ネットワークサービスを使用して、Nova インスタンスに仮想ネットワークおよびネットワークサービスを提供します。

  • コンピュートノード。コンピュートノードには VM インスタンス (Nova コンピュートインスタンス) がインストールされています。VM インスタンスは Cinder ボリュームサービスによってプロビジョニングされた iSCSI ターゲットを使用します。

このアーキテクチャーで、3 つのノードは管理サブネットと呼ばれる共通のサブネットを共有しています。コントローラノードと各コンピュートノードは、データサブネットと呼ばれる別の共通のサブネットを共有しています。各システムは、その net0 物理インタフェースを介して管理ネットワークに接続されています。ネットワークノードとコンピュートノードは、それらの net1 物理インタフェースを介してデータネットワークに接続されています。

次の図に、この章で説明するアーキテクチャーの概要図を示します。

図 3-1  3 ノード構成のリファレンスアーキテクチャー

image:3 つの各ノードにインストールされているサービスを示します。

次の表に、各ノードにインストールされている OpenStack に関連する SMF サービスを示します。リストに、svcadm コマンドなどのコマンドで使用できる、各 SMF サービスの名前の最小部分を示しています。SMF サービスのインスタンス名は、名前にインスタンス名が含まれておらず、あいまいになりそうな場合のみ示しています。

表 3-1  コントローラ、ネットワーク、およびコンピュートノードにインストールされた SMF サービス
コントローラノード
ネットワークノード
コンピュートノード
mysql
rabbitmq
keystone
cinder-api
cinder-db
cinder-db
cinder-scheduler
cinder-volume:default
cinder-volume:setup
glance-api
glance-db
glance-registry
glance-scrubber
neutron-server
evs
nova-api-ec2
nova-api-osapi-compute
nova-cert
nova-conductor
nova-objectstore
nova-scheduler
http
ntp
heat-api
heat-db
heat-api-cfn
heat-api-cloudwatch
heat-engine
neutron-dhcp-agent
neutron-l3-agent
evs-controller
ntp
nova-compute
ntp

この例のアーキテクチャーでは、Swift オブジェクトストレージサービスを示していません。Swift の構成に関する一般的な情報については、OpenStack 構成参照などの OpenStack コミュニティサイトの情報を参照してください。OpenStack システムで Swift サービスを構成する方法および、Solaris 上の OpenStack に関するほかの情報については、OpenStack for Oracle Solaris 11 に関するドキュメントを参照してください。

Oracle Solaris システムへの OpenStack のデプロイメントに役立つ OpenStack 構成パラメーターのリストについては、Oracle Solaris 11.2 での OpenStack のスタートガイドの OpenStack の一般的な構成パラメーターに関するセクションを参照してください。

3 ノードのサンプル OpenStack 構成の実装を準備するには、次の情報が手元にあることを確認してください。

  • コントローラノードの IP アドレスとホスト名。

  • ネットワークノードの IP アドレスとホスト名。

  • コンピュートノードの IP アドレスとホスト名。

  • 各サービスユーザーのパスワード (必要に応じて)。

サンプル構成では、3 つのノードの名前は controllernetwork、および compute1 です。