Oracle® Solaris 11.2 での OpenStack のインストールと構成

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更新: 2015 年 4 月
 
 

Cinder のインストール

Cinder 構成では少なくとも次の情報を指定する必要があります。

  • Keystone で認証するための認可情報。

  • 作成するボリュームのクラス。

Cinder をインストールし、構成する方法

  1. Cinder パッケージをインストールします。
    controller# pkg install cinder
  2. 認証構成情報を指定します。

    /etc/cinder/api-paste.ini ファイル内の次のパラメータをコメント解除し、設定します。これらのパラメータは、Keystone API サービスと Cinder 認証情報の場所を指定します。

    auth_uri = http://controller-name:5000/v2.0
    identity_uri = http://controller-name:35357
    admin_tenant_name = service
    admin_user = cinder
    admin_password = cinder-password
  3. Cinder ボリュームサービスが作成すべきボリュームのクラスを指定します。

    /etc/cinder/cinder.conf ファイル内の該当する volume_driver パラメータをコメント解除します。次の 4 つのクラスのボリュームがサポートされています。

    ZFSVolumeDriver

    Cinder ボリュームサービスと同じノード上の Nova によって使用されるローカルボリュームの作成をサポートします。

    ZFSISCSIDriver

    リモート Nova コンピュートノードによって使用される iSCSI ターゲットの作成とエクスポートをサポートします。

    ZFSFCDriver

    リモート Nova コンピュートノードによって使用されるファイバチャネル LUN の作成とエクスポートをサポートします。

    ZFSSAISCSIDriver

    リモート Nova コンピュートノードによって使用されるリモート Oracle ZFS Storage Appliance からの iSCSI ターゲットの作成とエクスポートをサポートします。このドライバの追加パラメータを /etc/cinder/cinder.conf ファイルに設定する必要があります。

    この章で説明する例では、Nova インスタンスによって使用されるボリュームを提供するために iSCSI を使用しています。ZFSVolumeDriver のデフォルトの選択をコメントアウトし、ZFSISCSIDriver の選択をコメント解除します。

    # Driver to use for volume creation (string value)
    # The local ZFS driver provides direct access to ZFS volumes that it
    # creates. The other listed drivers provide access to ZFS volumes via
    # iSCSI or Fibre Channel and are suitable for cases where block storage
    # for Nova compute instances is shared.
    #volume_driver=cinder.volume.drivers.solaris.zfs.ZFSVolumeDriver
    volume_driver=cinder.volume.drivers.solaris.zfs.ZFSISCSIDriver
    #volume_driver=cinder.volume.drivers.solaris.zfs.ZFSFCDriver
    #volume_driver=cinder.volume.drivers.zfssa.zfssaiscsi.ZFSSAISCSIDriver
  4. 追加の構成パラメータを設定します。

    /etc/cinder/cinder.conf ファイル内の次のパラメータをコメント解除し、設定します。これらのパラメータは、Glance API サービス、Cinder の対応するデータベース、および RabbitMQ サービスの場所を指定します。

    glance_host=controller-name
    sql_connection=mysql://cinder:cinder@controller-name/cinder
    rabbit_host=controller-name
    volume_driver=cinder.volume.drivers.solaris.zfs.ZFSISCSIDriver
  5. iSCSI ターゲットを構成する場合は、対応する SMF サービスを有効にします。
    controller# svcadm enable iscsi/target stmf
  6. Cinder SMF サービスを有効にします。
    controller# svcadm enable cinder-db
    controller# svcadm enable cinder-api cinder-scheduler
    controller# svcadm enable cinder-volume:default cinder-volume:setup

関連項目

ZFS に OpenStack Block Storage を構築する方法に関するドキュメントも参照してください。

ZFS Storage Appliance iSCSI Cinder ドライバの構成方法

Oracle ZFS Storage Appliance iSCSI Cinder ドライバにより、Oracle ZFS Storage Appliance (ZFSSA) を Cinder のブロックストレージリソースとしてシームレスに使用できます。このドライバは、Nova サービスによってインスタンス化された任意の仮想マシンに、Cinder サーバーによって割り当て可能な iSCSI ボリュームを作成する機能を提供します。ドライバは cloud/openstack/cinder パッケージで配布されます。アプライアンスでは ZFSSA ソフトウェアリリース 2013.1.2.0 以上を実行している必要があります。

始める前に

Oracle ZFS Storage Appliance 上にプールを構成します。既存のプールを使用するように選択できます。

  1. ワークフロー cinder.akwf を実行します。

    Cinder ドライバ操作を実行するためのロール認可を持つ既存のユーザーを使用するか、新しいユーザーを作成できます。

    cinder.akwf ワークフローは次のタスクを実行します。

    • ユーザーが存在しない場合はユーザーを作成します。

    • Cinder ドライバの操作を実行するためのロール認可を設定します。

    • RESTful サービスが現在無効になっている場合、サービスを有効にします。

    コマンド行インタフェース (CLI) またはアプライアンスのブラウザユーザーインタフェース (BUI) からワークフローを実行できます。

    • CLI からワークフローを実行します。
      zfssa:maintenance workflows> download
      zfssa:maintenance workflows download (uncommitted)> show
      Properties:
                                url = (unset)
                               user = (unset)
                           password = (unset)
      
      zfssa:maintenance workflows download (uncommitted)> set url="url to the cinder.akwf file"
                                url = "url to the cinder.akwf file"
      zfssa:maintenance workflows download (uncommitted)> commit
      Transferred 2.64K of 2.64K (100%) ... done
      
      zfssa:maintenance workflows> ls
      Properties:
                         showhidden = false
      
      Workflows:
      
      WORKFLOW     NAME                                      OWNER SETID ORIGIN              VERSION
      workflow-000 Clear locks                               root  false Oracle Corporation  1.0.0
      workflow-001 Configuration for OpenStack Cinder Driver root  false Oracle Corporation  1.0.0
      
      zfssa:maintenance workflows> select workflow-001
      
      zfssa:maintenance workflow-001 execute (uncommitted)> set name=openstack
                               name = openstack
      zfssa:maintenance workflow-001 execute (uncommitted)> set password=openstack-password
                           password = ********
      zfssa:maintenance workflow-001 execute (uncommitted)> commit
      User openstack created.
    • BUI からワークフローを実行します。
      1. 「保守」 -> 「ワークフロー」を選択して、プラスアイコンを使用して、新しいワークフローをアップロードします。
      2. 参照ボタンをクリックして、cinder.akwf ファイルを選択します。
      3. アップロードボタンをクリックして、ワークフローのアップロードを完了します。
      4. BUI の「ワークフロー」ページに表示される新しい行をクリックし、Cinder ドライバワークフローを実行します。

        ワークフローによって、ユーザー名とパスワードの入力が求められます。このユーザー名とパスワードは、zfssa_auth_user および zfssa_auth_password として、cinder.conf ファイルでも使用されます。

  2. cinder.conf ファイルにパラメータを設定します。

    cinder.conf ファイルに次の必須プロパティーを指定します。

    • volume_driver - cinder.volume.drivers.zfssa.zfssaiscsi.ZFSSAISCSIDriver がコメント解除されていることを確認してください。ほかの 3 つの選択がコメントアウトされていることを確認してください。

    • zfssa_host – ZFSSA 管理ホストの名前または IP アドレス。

    • zfssa_auth_user – ZFSSA 上の Cinder ユーザーのユーザー名。

    • zfssa_auth_password – ZFSSA 上の Cinder ユーザーのパスワード。

    • zfssa_pool – ボリュームを割り当てるために使用するプール。

    • zfssa_target_portal – ZFSSA iSCSI ターゲットポータル (data-ip:port)。デフォルトのポートは 3260 です。

    • zfssa_project – ZFSSA プロジェクトの名前。プロジェクトがアプライアンスに存在していない場合は、起動時にドライバによって、その名前でプロジェクトが作成されます。このプロジェクトにはドライバによって作成されたすべてのボリュームが含まれます。ボリュームの特性 (ブロックサイズなど) やアクセス (イニシエータ、ターゲット、セキュリティーなど) を設定するために追加の ZFSSA プロパティーが提供されています。

    • zfssa_initiator_group – イニシエータグループの名前。イニシエータグループがアプライアンスに存在していない場合は、起動時にドライバによって、その名前でイニシエータグループが作成されます。default イニシエータグループを使用する場合は、このパラメータの値を default に設定します。default イニシエータグループは評価目的で役立つことがあります。default イニシエータグループは、不要なイニシエータまたは競合するイニシエータにボリュームが公開される可能性があるため、通常は使用しないでください。

    • zfssa_target_interfaces – ZFSSA iSCSI ターゲットネットワークインタフェース。インタフェースを表示するには次のコマンドを使用します。

      zfssa:configuration net interfaces> show
      Interfaces:
      
        INTERFACE STATE CLASS LINKS    ADDRS          LABEL
        e1000g0   up    ip    e1000g0  1.10.20.30/24  Untitled Interface
    • connectionconnectionsql_connection に変更します。

      次の行を見つけます。

      connection=mysql://cinder:cinder...

      この行を下に示すように変更します。

      sql_connection=mysql://cinder:cinder...
  3. ZFSSA iSCSI サービスがオンラインであることを確認します。

    ZFSSA iSCSI サービスがオンラインでない場合は、アプライアンスの BUI または CLI を使用して、それを有効にします。次の例では、アプライアンスの CLI の使用を示します。

    zfssa:> configuration services iscsi
    zfssa:configuration services iscsi> enable
    zfssa:configuration services iscsi> show
    Properties:
    <status> = online
    ...
  4. Cinder ボリューム SMF サービスを有効にします。
    controller# svcadm enable cinder-volume:default cinder-volume:setup