Oracle® Solaris 11.2 での OpenStack のインストールと構成

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更新: 2015 年 4 月
 
 

単一システムのインストール

このセクションでは、単一システムの OpenStack 評価構成をインストールする方法について説明します。最初に説明する 3 つの方法では、ベアメタルにインストールします。4 つ目の方法では、カーネルゾーンにインストールします。

ダウンロードした USB ファイルを使用してインストールする方法

この手順では、ダウンロードした USB ファイルを使用して Oracle Solaris と OpenStack をベアメタルにインストールする方法について説明します。この方法は、AI サーバーを必要とせず、もっとも直接的なベアメタルインストールの方法です。

  1. ターゲットのシステムアーキテクチャーに対応する USB ファイルをダウンロードします。

    イメージファイルをダウンロードする方法を参照してください。

  2. USB ファイルを USB フラッシュドライブに転送します。
    • usbcopy コマンドを使用する。

      Oracle Solaris 11.2 システムにアクセスできる場合は、usbcopy ユーティリティーを使用します。usbcopy(1M) のマニュアルページを参照してください。

      Oracle Solaris 11.2 の usbcopy コマンドを使用する必要があります。以前のバージョンの Solaris の usbcopy は使用できません。

    • dd コマンドを使用する。

      Oracle Solaris 11.2 システムにアクセスできない場合は、dd コマンドを使用できます。

      dd を使用するときは、適切なディスク (フラッシュドライブ) を正しく指定するように特に注意してください。

      • Oracle Solaris 11 の場合:
        1. HAL サービスを無効にします。
          # svcadm disable -t hal
        2. フラッシュドライブを挿入し、該当するデバイスを特定します。
          # rmformat
        3. イメージをコピーします。
          # dd if=/path/image.usb of=/dev/rdsk/device bs=16k
        4. HAL サービスを有効にします。
          # svcadm enable hal
      • Linux の場合:
        1. フラッシュドライブを挿入し、該当するデバイスを特定します。
          # dmesg | tail
        2. イメージをコピーします。
          # dd if=/path/image.usb of=/dev/diskN bs=16k
      • MacOSX の場合:
        1. ドライブ (/dev/diskNN はディスク番号) を識別します。
          # diskutil list
          # diskutil unmountDisk /dev/diskN
        2. イメージをコピーします。
          # dd if=/path/image.usb of=/dev/diskN bs=16k
  3. フラッシュドライブをシステムに挿入し、USB からブートします。

    対話式システム構成 (SCI) ツールが表示されます。SCI ツールが表示されない場合は、Enter キーまたは Ctrl+L を押して画面表示を更新します。

統合アーカイブファイルと AI インストールサービスを使用してインストールする方法

この手順では、ダウンロードした統合アーカイブファイルと AI を使用して Oracle Solaris と OpenStack をベアメタルにインストールする方法について説明します。

  1. ターゲットのシステムアーキテクチャーに対応する統合アーカイブファイルをダウンロードします。

    イメージファイルをダウンロードする方法を参照してください。

  2. AI マニフェストを作成します。

    Oracle Solaris AI インストールサーバーで、AI の設定に従って /usr/share/auto_install/manifest/default_archive.xml をコピーし、変更します。ARCHIVE software セクションで、ダウンロードした .uar ファイルの場所を指定します。

  3. AI インストールサービスを設定します。

    前の手順で作成した AI マニフェストを使用して AI インストールサービスを設定します。Oracle Solaris 11.2 システムのインストール のパート IIIインストールサーバーを使用したインストールを参照してください。

  4. ネットワーク経由でシステムをブートします。
    ok boot net -install
  5. インストールが完了したら、システムをリブートします。

    システムを構成するための SCI ツールが表示されます。SCI ツールが表示されない場合は、Enter キーまたは Ctrl+L を押して画面表示を更新します。

統合アーカイブファイルから作成した AI ブート可能メディアを使用してインストールする方法

この手順では、ブート可能 AI イメージを作成して Oracle Solaris 11.2 と OpenStack をベアメタルにインストールする方法について説明します。ブート可能 USB イメージは、ダウンロードした統合アーカイブファイルから作成します。この方法の詳細は、Oracle Solaris 11.2 システムのインストール の第 5 章メディアからブートする自動インストールを参照してください。

  1. ターゲットのシステムアーキテクチャーに対応する統合アーカイブファイルをダウンロードします。

    イメージファイルをダウンロードする方法を参照してください。

  2. 統合アーカイブファイルから AI USB を作成します。
    # archiveadm create-media -s http://pkg.oracle.com/solaris/release \
    -f usb -o /workdir/usb-filename \
    /workdir/uar-file

    workdir は、統合アーカイブファイルをダウンロードした場所です。同じディレクトリに AI USB ファイルが作成されます。

  3. USB ファイルを USB フラッシュドライブに転送します。
    • Oracle Solaris 11.2 システムに USB ファイルをダウンロードした場合は、usbcopy コマンドを使用します。

    • Oracle Solaris OS が Oracle Solaris 11.2 より前のバージョンであるシステムに USB ファイルをダウンロードした場合は、次のように dd コマンドを使用します。

      1. HAL サービスを無効にします。

        # svcadm disable -t hal
      2. フラッシュドライブを挿入し、該当するデバイスを特定します。

        # rmformat
      3. イメージをフラッシュドライブにコピーします。

        # dd if=/path/image.usb of=/dev/rdsk/device bs=16k
      4. HAL サービスを有効にします。

        # svcadm enable hal
  4. デフォルトの AI マニフェストを確認します。

    デフォルトのマニフェストを使用することも、カスタムマニフェストを作成することもできます。カスタムマニフェストを作成する場合は、インストールするシステムから到達可能な場所にカスタムマニフェストを格納します。

  5. USB フラッシュドライブをシステムに挿入し、USB からブートします。

    デフォルトの AI マニフェストを使用するか、カスタムマニフェストの場所を指定するように求められます。

    システムを構成するための SCI ツールが表示されます。SCI ツールが表示されない場合は、Enter キーまたは Ctrl+L を押して画面表示を更新します。

Havana 統合アーカイブファイルを使用してカーネルゾーンにインストールする方法

この手順では、ダウンロードした統合アーカイブファイルを使用して Oracle Solaris 11.2 と Havana OpenStack をカーネルゾーンに直接インストールする方法について説明します。

始める前に

カーネルゾーンをホストするシステムが OpenStack のインストール要件で指定されている仮想化の要件を満たしていることを確認してください。

  1. ターゲットのシステムアーキテクチャーに対応する統合アーカイブファイルをダウンロードします。

    イメージファイルをダウンロードする方法を参照してください。

  2. カーネルゾーンを作成します。
    # zonecfg -z OpenStackKZ create -t SYSsolaris-kz
  3. カーネルゾーンを構成します。

    カーネルゾーンに十分な仮想 CPU、RAM、ストレージ、および MAC アドレスがあることを確認します。カーネルゾーンの内部に作成された非大域ゾーンは、これらの余分な MAC アドレスを自動的に消費できます。

    次の例では、8 個の仮想 CPU、最大 8G バイトの物理メモリー、および MAC アドレスの自動割り当てを使用してゾーンを構成しています。構成可能なリソースの詳細は、zonecfg(1M) のマニュアルページを参照してください。

    # zonecfg -z OpenStackKZ
    zonecfg:OpenStackKZ> add virtual-cpu
    zonecfg:OpenStackKZ:virtual-cpu> set ncpus=8
    zonecfg:OpenStackKZ:virtual-cpu> end
    zonecfg:OpenStackKZ> select capped-memory
    zonecfg:OpenStackKZ:capped-memory> set physical=8g
    zonecfg:OpenStackKZ:capped-memory> end
    zonecfg:OpenStackKZ> select anet id=0
    zonecfg:OpenStackKZ:anet> add mac
    zonecfg:OpenStackKZ:anet:mac> set mac-address=auto
    zonecfg:OpenStackKZ:anet:mac> end
    zonecfg:OpenStackKZ:anet> end
    zonecfg:OpenStackKZ> exit
  4. 構成を確認します。
    # zonecfg -z OpenStackKZ info
  5. カーネルゾーンをインストールします。

    次の例は、.uar ファイルの x86 バージョンのインストールを示しています。

    # zoneadm -z OpenStackKZ install -a /path/uar-file

    ここで、uar-file は Havana OpenStack アーカイブ付き Oracle Solaris 11.2 です。

  6. ゾーンをブートします。
    # zoneadm -z OpenStackKZ boot
  7. ゾーンコンソールにログインして構成を完了します。
    # zlogin -C OpenStackKZ

    システムを構成するための SCI ツールが表示されます。SCI ツールが表示されない場合は、Enter キーまたは Ctrl+L を押して画面表示を更新します。

  8. カーネルゾーンに IP アドレスがあることを確認します。

    統合アーカイブでは、DHCP サーバーがカーネルゾーンに IP アドレスを割り当てることが期待されます。DHCP を使用している場合は、カーネルゾーンに MAC アドレスが割り当てられていることを確認してください。前の手順で SCI ツールのネットワークページの「自動」を選択すると、MAC アドレスが割り当てられます。DHCP を使用していない場合は、必ずカーネルゾーンに IPv4 アドレスを割り当ててください。

    現在のところカーネルゾーンに対するシステムリポジトリは存在しないため、この IP アドレスは重要です。IP アドレスがあれば、必要に応じてカーネルゾーンから IPS パッケージリポジトリに接続できます。