Oracle® Solaris 11.2 での OpenStack のインストールと構成

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更新: 2015 年 4 月
 
 

既知の制限事項

次に、Oracle Solaris 11.2 の OpenStack (Havana 2013.2.3) に関する既知の問題を示します。

  • OpenStack ダッシュボードを使用した VM インスタンスへのリモートコンソールアクセスはサポートされていません。代わりに、ダッシュボードを使用して SSH 鍵ペアをアップロードします。この鍵ペアは、その VM インスタンスの rootauthorized_keys ファイルに挿入されます。

  • Neutron ではネットワーク仮想化のプラグインは 1 つしかサポートされないため、完全にサポートされるのは Solaris を実行している Nova ノードだけです。

  • 非大域ゾーンでは、Cinder ボリュームの接続は現在サポートされていません。

  • VM インスタンスは Oracle Solaris 11.2 を実行している必要があります。

  • VM インスタンスのサイズ変更はサポートされていません。

    nova resize コマンドはサポートされていません。nova resize コマンドでは、コマンドが完了したと出力に表示される場合がありますが、nova resize-confirm コマンドでは、インスタンスのサイズ変更は確定できないと報告され、nova show コマンドでは、インスタンスのサイズは変更されていないことが示されます。

  • VM インスタンスのライブ移行はサポートされていません。

    nova live-migration コマンドはサポートされていません。

  • Cinder バックアップはサポートされていません。

    cinder パッケージをインストールすると cinder-backup サービスがインストールされますが、サービスは無効になっています。無効のままにしておいてください。

  • ダッシュボードの「インスタンスの起動」ダイアログボックスで、「インスタンスのブートソース」には「イメージから起動」だけがサポートされています。「プロジェクト」->「イメージとスナップショット」->「アクション」メニューで、CreateVolumeFromImage はサポートされていません。Solaris OpenStack ダッシュボードのカスタマイズについては、Solaris OpenStack Horizon のカスタマイズに関する記事を参照してください。

  • /etc/neutron/l3_agent.ini ファイル内の external_network_datalink オプションの値として VXLAN データリンクはサポートされていません。external_network_datalink オプションの値として VXLAN データリンクを設定した場合、Neutron L3 エージェントは外部ネットワーク上の VNIC の作成および plumb に失敗します。

  • プロジェクトのネットワークリソースの割り当て制限を変更するには、コマンド行を使用する必要があります。

    ネットワークリソースの割り当て制限を Horizon から変更することはできません。プロジェクトを作成する場合、または既存のプロジェクトの非ネットワークリソースを変更する場合には、Horizon ダッシュボードを使用できます。プロジェクトのネットワーク、サブネット、ポート、ルーターまたはフローティング IP アドレスの割り当て制限を変更するには、neutron quota-update コマンドを使用する必要があります。

    非ネットワークリソースを変更する場合でも、次のエラーメッセージが表示されます。このメッセージは無視してかまいません。このメッセージに反して、非ネットワークリソースの割り当て制限は適用されています。

    Error: Modified project information and members, but unable to modify project quotas.
  • SMF と OpenStack とでは、報告されるサービスのステータスが異なる場合があります。

    次の例では、nova-cert サービスが OpenStack では無効になっているにもかかわらず、SMF では online として表示されています。

    root@c190-133:~# nova service-disable c190-133 nova-cert
    +----------+-----------+----------+
    | Host     | Binary    | Status   |
    +----------+-----------+----------+
    | c190-133 | nova-cert | disabled |
    +----------+-----------+----------+
    root@c190-133:~# svcs nova-cert
    STATE          STIME    FMRI
    online         21:14:11 svc:/application/openstack/nova/nova-cert:default
  • neutron-l3-agent SMF サービスが再起動時に保守に入ります。

    回避方法: ipfilter サービスを再起動し、neutron-l3-agent をクリアします。

    network# svcadm restart ipfilter:default
    network# svcadm clear neutron-l3-agent:default
  • ネットワークノードのデフォルトのゲートウェイが特定の設定で削除されます。

    ネットワークノードの IP アドレスが external_network アドレス空間から派生している場合に、neutron router-gateway-clear コマンドを使用して provider_router から external_network を削除すると、ネットワークノードのデフォルトのゲートウェイが削除され、ネットワークノードにアクセスできなくなります。

    network# neutron router-gateway-clear router_UUID

    回避方法: コンソールを介してネットワークノードに接続し、デフォルトのゲートウェイを再度追加します。

  • 複数のインスタンスが同時に作成されると、Nova sqlite データベースが動作しなくなります。

    多数のインスタンス (たとえば 10 個以上) が同時に作成されると、nova list コマンドはしばらく動作を停止し、次のエラーメッセージを表示します。

    $ nova list
    ERROR: The server has either erred or is incapable of performing the
    requested operation. (HTTP 500) (Request-ID:
    req-0ad63452-6753-c9fc-8275-e80604d42569)

    Horizon でもインスタンスを見つけることができません。

    この問題の原因は、Nova sqlite データベースが動作しなくなることです。しばらくすると、データベースは遅れを取り戻し、nova list と Horizon は予期したとおりに機能します。

    回避方法: sqlite の代わりに MySQL データベースを使用します。コンピュートノードを構成する方法を参照してください。