次に、Oracle Solaris 11.2 の OpenStack (Havana 2013.2.3) に関する既知の問題を示します。
OpenStack ダッシュボードを使用した VM インスタンスへのリモートコンソールアクセスはサポートされていません。代わりに、ダッシュボードを使用して SSH 鍵ペアをアップロードします。この鍵ペアは、その VM インスタンスの root の authorized_keys ファイルに挿入されます。
Neutron ではネットワーク仮想化のプラグインは 1 つしかサポートされないため、完全にサポートされるのは Solaris を実行している Nova ノードだけです。
非大域ゾーンでは、Cinder ボリュームの接続は現在サポートされていません。
VM インスタンスは Oracle Solaris 11.2 を実行している必要があります。
VM インスタンスのサイズ変更はサポートされていません。
nova resize コマンドはサポートされていません。nova resize コマンドでは、コマンドが完了したと出力に表示される場合がありますが、nova resize-confirm コマンドでは、インスタンスのサイズ変更は確定できないと報告され、nova show コマンドでは、インスタンスのサイズは変更されていないことが示されます。
VM インスタンスのライブ移行はサポートされていません。
nova live-migration コマンドはサポートされていません。
cinder パッケージをインストールすると cinder-backup サービスがインストールされますが、サービスは無効になっています。無効のままにしておいてください。
ダッシュボードの「インスタンスの起動」ダイアログボックスで、「インスタンスのブートソース」には「イメージから起動」だけがサポートされています。「プロジェクト」->「イメージとスナップショット」->「アクション」メニューで、CreateVolumeFromImage はサポートされていません。Solaris OpenStack ダッシュボードのカスタマイズについては、Solaris OpenStack Horizon のカスタマイズに関する記事を参照してください。
/etc/neutron/l3_agent.ini ファイル内の external_network_datalink オプションの値として VXLAN データリンクはサポートされていません。external_network_datalink オプションの値として VXLAN データリンクを設定した場合、Neutron L3 エージェントは外部ネットワーク上の VNIC の作成および plumb に失敗します。
プロジェクトのネットワークリソースの割り当て制限を変更するには、コマンド行を使用する必要があります。
ネットワークリソースの割り当て制限を Horizon から変更することはできません。プロジェクトを作成する場合、または既存のプロジェクトの非ネットワークリソースを変更する場合には、Horizon ダッシュボードを使用できます。プロジェクトのネットワーク、サブネット、ポート、ルーターまたはフローティング IP アドレスの割り当て制限を変更するには、neutron quota-update コマンドを使用する必要があります。
非ネットワークリソースを変更する場合でも、次のエラーメッセージが表示されます。このメッセージは無視してかまいません。このメッセージに反して、非ネットワークリソースの割り当て制限は適用されています。
Error: Modified project information and members, but unable to modify project quotas.
SMF と OpenStack とでは、報告されるサービスのステータスが異なる場合があります。
次の例では、nova-cert サービスが OpenStack では無効になっているにもかかわらず、SMF では online として表示されています。
root@c190-133:~# nova service-disable c190-133 nova-cert +----------+-----------+----------+ | Host | Binary | Status | +----------+-----------+----------+ | c190-133 | nova-cert | disabled | +----------+-----------+----------+ root@c190-133:~# svcs nova-cert STATE STIME FMRI online 21:14:11 svc:/application/openstack/nova/nova-cert:default
neutron-l3-agent SMF サービスが再起動時に保守に入ります。
回避方法: ipfilter サービスを再起動し、neutron-l3-agent をクリアします。
network# svcadm restart ipfilter:default network# svcadm clear neutron-l3-agent:default
ネットワークノードのデフォルトのゲートウェイが特定の設定で削除されます。
ネットワークノードの IP アドレスが external_network アドレス空間から派生している場合に、neutron router-gateway-clear コマンドを使用して provider_router から external_network を削除すると、ネットワークノードのデフォルトのゲートウェイが削除され、ネットワークノードにアクセスできなくなります。
network# neutron router-gateway-clear router_UUID
回避方法: コンソールを介してネットワークノードに接続し、デフォルトのゲートウェイを再度追加します。
複数のインスタンスが同時に作成されると、Nova sqlite データベースが動作しなくなります。
多数のインスタンス (たとえば 10 個以上) が同時に作成されると、nova list コマンドはしばらく動作を停止し、次のエラーメッセージを表示します。
$ nova list ERROR: The server has either erred or is incapable of performing the requested operation. (HTTP 500) (Request-ID: req-0ad63452-6753-c9fc-8275-e80604d42569)
Horizon でもインスタンスを見つけることができません。
この問題の原因は、Nova sqlite データベースが動作しなくなることです。しばらくすると、データベースは遅れを取り戻し、nova list と Horizon は予期したとおりに機能します。
回避方法: sqlite の代わりに MySQL データベースを使用します。コンピュートノードを構成する方法を参照してください。