Oracle® Solaris 11.2 国際化対応言語環境の利用ガイド

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更新: 2014 年 7 月
 
 

IBus について

Linux および Unix オペレーティングシステム 用の Intelligent Input Bus (IBus) は、多くのオープンソースの IM 言語エンジンで動作する強力な多言語の入力方式フレームワークです。IBus は、バスに似たアーキテクチャーを使用して、IBus IM フレームワークと IM 言語エンジンとの間の通信を処理します。このプロセスはユーザーセッションごとに実行されます。異なるユーザーデスクトップセッション間で共有されるプロセスはありません。

IBus の構成

IBus は、IBus 設定ツール (ibus-setup ) によってユーザーごとに構成されます。このツールにアクセスするには、「システム」->「設定」->「入力方式 - IBus」を選択します。次のタスクでは、変更可能ないくつかの主要な構成について説明します。

新しい言語エンジンを追加する方法

  1. 「IBus 設定」ウィンドウで「入力方式」タブをクリックします。
  2. 優先する IM 言語エンジンを選択します。
  3. 「追加」をクリックします。

新しい入力方式トリガーキーを追加する方法

  1. 「IBus 設定」ウィンドウで「一般」タブをクリックします。
  2. 「有効」または「無効」ラベルの「...」ボタンをクリックします。次に、キーコードのラベルと情報ダイアログのポップアップで「...」ボタンをクリックします。ここで、トリガーキーとして優先するキーの組み合わせを押して、情報ダイアログの「閉じる」ボタンをクリックします。次に、トリガーウィンドウの「キーボードの選択」ショートカットで「追加」および「OK」ボタンを押します。
  3. トリガーキーは、フォーカスにあるアプリケーションで IBus をアクティブ化するために使用されます。IBus がアクティブ化されていない場合、文字は入力デバイスからフォーカスがあるアプリケーションに直接送られます。デフォルトのトリガーキーが「有効」または「無効」ラベルに表示されます。

言語パネルの場所を構成する方法

  1. IBus 設定ツールで、「言語パネルの表示」メニューから構成を選択します。

    言語パネルの位置として、3 つの可能な位置があります。

    • 「メニューに組み込む」(デフォルト) - 言語パネルは GNOME パネルの通知領域に埋め込まれます。

    • 「アクティブであるとき」 - 言語パネルは、入力方式がアクティブ化されているときにだけ、独立したウィンドウとして表示されます

    • 「常に表示する」 - 言語パネルは、常に独立したウィンドウとして表示されます。

  2. 「OK」をクリックします。

IBus で新しい言語エンジンを追加する方法

  1. 「システム」->「設定」->「入力方式 – IBus」を選択します。
    image:IBus の選択
  2. 「IBus 設定」ウィンドウが開いたら、「入力方式」タブをクリックします。
    image:IBus 入力方式
  3. 「入力方式の選択」を選択し、必要な入力方式を選択します。
    image:IBus 入力方式の選択
  4. 「追加」ボタンをクリックして、選択したリストに追加します。
    image:IBus 入力方式の追加
  5. 新しい入力方式をデフォルトにするには、「上へ」ボタンをクリックします。選択をリストの最上部に移動します。
    image:IBus 入力方式を上に移動
  6. 現在選択されている入力方式をデフォルトとして使用するには、ログアウトしてから再度ログインします。

IBus 入力方式フレームワークで使用可能な言語エンジン

IBus 入力方式フレームワークでは、次の言語エンジンを使用できます。

  • デスクトップのインストールプロセス中にデフォルトでインストール

    • Anthy - 日本語

    • Chewing - 繁体字中国語

    • Hangul - 韓国語

    • IBus-Sayura -- シンハラ語

    • IBus-XKBC - キーボードエミュレーション IM エンジンフレームワーク

    • SunPinyin - 簡体字中国語

    • 多言語化に基づく各種言語エンジン。詳細は、http://www.m17n.org を参照してください。

  • オプションの言語エンジン

    • Pinyin - 簡体字中国語エンジン

    • IBus table フレームワークに基づく各種言語エンジン

インド語の入力方式

次の表で、インド語に使用できる入力方式の概要を示します。

表 4-1  インド語の入力方式
ロケール
言語
入力方式
as_IN.UTF-8
アッサム語
Inscript 配列、ITRANS 転写方式、表音配列
bn_IN.UTF-8
ベンガル語
Inscript 配列、ITRANS 転写方式、probhat 配列、Unijoy キーボード配列
en_IN.UTF-8
英語
入力方式は不要
gu_IN.UTF-8
グジャラート語
Inscript 配列、ITRANS 転写方式、表音配列
hi_IN.UTF-8
ヒンズー語
Inscript 配列、ITRANS 転写方式、表音配列、レミントン製タイプライタの配列、`typewriter' を含む入力方式
kn_IN.UTF-8
カナラ語
Inscript 配列、ITRANS 転写方式、KGP 方式
ks_IN.UTF-8
カシミール語
カシミール語のキーボードをシミュレートする入力方式
ml_IN.UTF-8
マラヤーラム語
Inscript 配列、ITRANS 転写方式、Mozhi 入力方式、Swanalekha 入力方式
mr_IN.UTF-8
マラーティー語
Inscript 配列、ITRANS 転写方式、表音配列
or_IN.UTF-8
オリヤー語
Inscript 配列、ITRANS 転写方式、表音配列
pa_IN.UTF-8
パンジャブ語
inscript 配列、ITRANS 転写方式、jhelum 配列、表音配列
sa_IN.UTF-8
サンスクリット語
京都・ハーバード方式による入力方式
ta_IN.UTF-8
タミル語
Inscript 配列、ITRANS 転写方式、表音配列、Renganathan 配列。tamil99 配列、タイプライター配列、"vutam" Type_As_You_Write 配列。
te_IN.UTF-8
テルグ語
Telugu 用の Apple キーボード配列、inscript 配列、ITRANS 転写方式、pothana Telugu 入力方式 バージョン2.0、RTS 方式

IBus XKBC IM エンジン

IBus XKBC は、XKeyboard 構成データベースを使用してキーボード配列をエミュレートします。XkeyboardConfig で使用可能な、キーボード配列のバリアントを含むすべてのキーボード配列は、IBus IM フレームワークでエミュレートできます。IBus XKBC は、IBus 設定ツールの「その他」の言語カテゴリで使用可能です。IBus XKBC ヘルプに、詳細な構成情報があります。

IBus 仮想キーボード (ibus-keyboard)

IBus 仮想キーボードは、IBus XKBC 言語エンジンに基づいたグラフィカルキーボードエミュレータです。これは、グラフィカルキーボードをウィンドウに表示し、キーアイコンをクリックすることによって、フォーカスにあるアプリケーションに文字を入力できます。IBus XKBC と同様に、IBus 仮想キーボードは、エミュレーション用のさまざまなキーボード配列とバリアントをサポートします。IBus 仮想キーボードを起動するには、「GNOME」パネルの「IBus」メニューから「仮想キーボード」を選択します。

仮想キーボードの構成メニューを表示するには、仮想キーボードアプリケーションのウィンドウを右クリックします。

図 4-1  仮想キーボード

image:仮想キーボード