Oracle® Solaris 11.2 での UUCP および PPP を使用したシリアルネットワークの管理

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更新: 2014 年 7 月
 
 

/etc/uucp/Devices ファイルの Dialer-Token-Pairs フィールドの構造

DTP フィールドの構造は、エントリに対応するデバイスに応じて 4 通りに設定できます。

次に 1 つ目の方法を示します。

直接接続モデム – コンピュータのポートにモデムが直接接続されている場合は、対応する Devices ファイルエントリの DTP フィールドに入るペアは 1 つだけです。このペアは、通常はモデムの名前です。この名前は、Devices ファイルの特定のエントリと、Dialers ファイル内のエントリとを対応付けるために使用されます。したがって、Dialer フィールドは、Dialers ファイルエントリの最初のフィールドに一致している必要があります。

使用例 12-7  直接接続モデム用 Dialers フィールド
Dialers   hayes =,-,  ""          \\dA\pTE1V1X1Q0S2=255S12=255\r\c 
                                  \EATDT\T\r\c CONNECT

Devices ファイルエントリの DTP フィールドには、dialer の部分 (hayes) だけが示されている点に注意してください。これは、ダイアラに渡す token (この例では電話番号) が、Systems ファイルエントリの Phone フィールドから取得されることを意味します (Example 12–9 で説明するように、Example 12–9 が暗黙で指定されます)。

    次に、DTP フィールドの構造化に利用できる 2 つ目と 3 つ目の方法を示します。

  • 直接リンク – 特定のコンピュータへの直接リンクの場合は、対応するエントリの DTP フィールドには、キーワード direct が入ります。これは、直接リンクエントリ DirectSystem-Name の両方にあてはまります。/etc/uucp/Devices ファイルの Type フィールドを参照してください。

  • 同じポートセレクタ上のコンピュータ – 通信するコンピュータが、ローカルコンピュータと同じポートセレクタスイッチ上にある場合は、ローカルコンピュータはまずそのスイッチにアクセスする必要があります。そのスイッチが、相手のコンピュータとの接続を確立します。この種のエントリでは、ペアは 1 つだけです。dialer 部が Dialers ファイルのエントリと突き合わされます。

使用例 12-8  同一ポートセレクタ上のコンピュータ用 UUCP Dialer フィールド
Dialers    develcon ,""   ""            \pr\ps\c est:\007 \E\D\e \007

上記に示すように、token 部分が空です。このように指定されている場合は、この部分が Systems ファイルから取得されることを示しています。このコンピュータ用の Systems ファイルエントリには、Phone フィールドにトークンが含まれています。このフィールドは、通常、コンピュータの電話番号用として確保されています。詳細は、UUCP /etc/uucp/Systems ファイルを参照してください。この種類の DTP にはエスケープ文字 (\D) が含まれています。これは、Phone フィールドの内容が、Dialcodes ファイル内の有効エントリとして解釈されないことを保証します。

次に、DTP フィールドの構造化に利用できる 4 つ目の方法を示します。

ポートセレクタに接続しているモデム – ポートセレクタに高速モデムが接続されている場合は、ローカルコンピュータはまずポートセレクタスイッチにアクセスする必要があります。そして、そのスイッチがモデムとの接続を確立します。この種類のエントリには、ダイアラとトークンのペアが 2 つ必要です。各ペアの dialer 部 (エントリの 5 番目と 7 番目のフィールド) が、Dialers ファイル内のエントリと突き合わされます。

使用例 12-9  ポートセレクタに接続されたモデム用 UUCP Dialer フィールド
develcon ""     ""    \pr\ps\c  est:\007    \E\D\e      \007
ventel   =&-%   t""   \r\p\r\c  $           <K\T%\r>\c  ONLINE!

最初のペアでは、develcon がダイアラで、vent が Develcon スイッチに渡されるトークンです。トークンは、コンピュータに接続するデバイス (たとえば Ventel モデム) をダイアラに指示しています。各スイッチごとに設定が異なることがあるので、このトークンは各ポートセレクタに固有のものにします。Ventel モデムが接続されたあと、第 2 のペアがアクセスされます。このペアでは、Ventel がダイアラで、トークンは Systems ファイルから取得されます。

    DTP フィールドで使用できるエスケープ文字が 2 つあります。

  • \T – Phone (token) フィールドを、/etc/uucp/Dialcodes ファイルを使用して解釈することを指定します。通常、モデム (Hayes、US Robotics など) に対応する各呼び出しスクリプトについて、/etc/uucp/Dialers ファイルにこのエスケープ文字を組み込みます。したがって、呼び出しスクリプトがアクセスされるまでは、解釈は行われません。

  • \D – Phone (token) フィールドを、/etc/uucp/Dialcodes ファイルを使用して解釈しないことを指定します。Devices エントリの末尾にエスケープ文字が何も指定されていないときは、デフォルトで \D があるものと想定します。\D は、/etc/uucp/Dialers ファイルの中でも、ネットワークスイッチ develconmicom に関連したエントリで使用されます。