open (9E) エントリポイントは、指定されたデバイスへのアクセスを取得するために使用されます。ブロックドライバの open(9E) ルーチンは、ユーザースレッドがマイナーデバイスに関連付けられたブロック型特殊ファイルに対して open (2) または mount (2) システムコールを発行したとき、または階層化ドライバが open (9E) を呼び出したときに呼び出されます。詳細については、File I/Oを参照してください。
open() エントリポイントは、次の条件を確認します。
デバイスを開くことができる。つまり、デバイスがオンラインで、準備ができている。
要求どおりにデバイスを開くことができる。デバイスがこの操作をサポートしている。デバイスの現在の状態が要求と競合していない。
呼び出し元がデバイスを開くためのアクセス権を持っている。
次の例は、ブロックドライバの open (9E) エントリポイントを示しています。
使用例 16-2 ブロックドライバの open (9E) ルーチンstatic int
xxopen(dev_t *devp, int flags, int otyp, cred_t *credp)
{
minor_t instance;
struct xxstate *xsp;
instance = getminor(*devp);
xsp = ddi_get_soft_state(statep, instance);
if (xsp == NULL)
return (ENXIO);
mutex_enter(&xsp->mu);
/*
* only honor FEXCL. If a regular open or a layered open
* is still outstanding on the device, the exclusive open
* must fail.
*/
if ((flags & FEXCL) && (xsp->open || xsp->nlayered)) {
mutex_exit(&xsp->mu);
return (EAGAIN);
}
switch (otyp) {
case OTYP_LYR:
xsp->nlayered++;
break;
case OTYP_BLK:
xsp->open = 1;
break;
default:
mutex_exit(&xsp->mu);
return (EINVAL);
}
mutex_exit(&xsp->mu);
return (0);
}
otyp 引数は、デバイスに対するオープンのタイプを指定するために使用されます。OTYP_BLK は、ブロックデバイスの標準的なオープンのタイプです。otyp が OTYP_BLK に設定されている場合は、デバイスを複数回開くことができます。close (9E) は、デバイスに対するタイプ OTYP_BLK の最後のクローズが実行されるときに 1 回だけ呼び出されます。デバイスが階層化デバイスとして使用されている場合、otyp は OTYP_LYR に設定されます。階層化ドライバは、タイプ OTYP_LYR のすべてのオープンに対してタイプ OTYP_LYR の対応するクローズを発行します。この例ではオープンの各タイプを常時監視しているため、ドライバはデバイスがいつ使用されていないかを close (9E) で判定できます。