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Oracle® Solaris Cluster 4.4 構成の管理

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更新: 2018 年 8 月
 
 

HAStoragePlus を使用せずに、クラスタ全体にわたるグローバルアクセス用に ZFS ストレージプールを構成する方法

この手順では、HAStoragePlus リソースを構成せずに、共有デバイスのクラスタ全体にわたるグローバルアクセス用として ZFS ストレージプール (zpool) を構成する方法について説明します。ブート時にグローバルファイルシステムをすべてのノードにマウントする構成で、データサービスがファイルシステムに明示的な依存関係を持っていないときは、このアプローチが役立つ可能性があります。HAStoragePlus を使用して、データサービスからのグローバルアクセス用の ZFS プールを管理する方法については、Oracle Solaris Cluster 5.0 データサービス計画および管理ガイド の Configuring an HAStoragePlus Resource for Cluster File Systemsを参照してください。

  1. DID マッピングを一覧表示し、使用する共有デバイスを識別します。

    グローバルにアクセスできる ZFS プールを構成するには、cldevice show コマンドの出力からマルチホストデバイスを 1 つ以上選択します。cNtXdY デバイス名と /dev/did/rdsk/dN DID デバイス名の両方を書きとめておきます。選択したデバイスは、すべてのクラスタノードに接続できる必要があります。

    phys-schost-1# cldevice show | grep Device

    次の例で、DID デバイスのエントリ /dev/did/rdsk/d1 および /dev/did/rdsk/d2 はそれらのドライブが phys-schost-1 のみに接続されていることを示し、/dev/did/rdsk/d3 はこの 2 ノードクラスタの両ノード phys-schost-1 および phys-schost-2 からアクセス可能であることを示しています。この例では、c1t1d0 というデバイス名を持つ DID デバイス /dev/did/rdsk/d3 が両ノードからのグローバルアクセスに使用されます。

    === DID Device Instances ===
    DID Device Name: /dev/did/rdsk/d1
    Full Device Path: phys-schost-1:/dev/rdsk/c0t0d0
    DID Device Name: /dev/did/rdsk/d2
    Full Device Path: phys-schost-1:/dev/rdsk/c0t6d0
    DID Device Name: /dev/did/rdsk/d3
    Full Device Path: phys-schost-1:/dev/rdsk/c1t1d0
    Full Device Path: phys-schost-2:/dev/rdsk/c1t1d0
    ...
  2. 選択した DID デバイス用の ZFS ストレージプールを作成します。

    このプールの名前には gpool が選択されています。ZFS では個別のスライスまたはパーティションを使用できますが、zpool(8) のマニュアルページはディスク全体の使用を推奨しています。

    phys-schost-1# zpool create gpool c1t1d0
  3. 指定された名前のデバイスグループを作成します。

    デバイスグループには、プールに選択したものと同じ名前 gpool が必要です。poolaccess プロパティーが global に設定されている場合、このプールのファイルシステムがクラスタノードにわたってグローバルにアクセス可能であることを示します。

    phys-schost-1# cldevicegroup create -p poolaccess=global \
    -n phys-schost-1,phys-schost-2 -t zpool gpool
  4. (オプション) 1 つまたは複数の ZFS データセットを作成します。
    phys-schost-1# zfs create gpool/myfilesystem

    プールのファイルシステムデータセットはすべて、グローバルにマウントされ、クラスタ全体にわたってアクセス可能になります。

  5. デバイスグループをオンラインにします。
    phys-schost-1# cldevicegroup online gpool
  6. 新しい zpool を確認します。

    次の zpool list コマンドをデバイスグループのプライマリノードで実行する必要があります。プライマリノードを確認するには、cldevicegroup status コマンドを実行します。

    phys-schost-1# cldevicegroup status gpool
    
    === Cluster Device Groups ===
    
    --- Device Group Status ---
    
    Device Group Name   Primary        Secondary      Status
    -----------------   -------        ---------      ------
    gpool               phys-schost-1  phys-schost-2  Online
    
    phys-schost-1# zpool list
    NAME      SIZE  ALLOC   FREE  CAP  DEDUP  HEALTH  ALTROOT
    gpool    49.8G  2.16G  47.6G   4%  1.00x  ONLINE  /
    ...