次の IPS 機能および特性により、ソフトウェアの自己アセンブリが容易になります。
アクションとは IPS でのソフトウェア配布の不可分単位です。各アクションは 1 つのソフトウェアオブジェクトを配布します。そのソフトウェアオブジェクトは、ファイル、ディレクトリ、リンクなどのファイルシステムオブジェクトにも、ユーザー、グループ、デバイスドライバなどのより複雑なソフトウェア構成にもなり得ます。SVR4 パッケージシステムでは、これらのより複雑なアクションタイプは、クラスアクションスクリプトを使用して処理されます。IPS では、スクリプト作成は必要ありません。
アクションは、いくつかのパッケージにまとめられ、ライブイメージとオフラインイメージの両方からインストール、更新、および削除できます。ライブイメージは、現在のゾーンのアクティブな実行中のブート環境の / にマウントされたイメージです。
アクションについては、パッケージの内容: アクションに詳しく説明されています。
IPS では、パッケージ化の操作中にスクリプトを使用して構成ファイルを更新するのではなく、構成ファイルのフラグメントを配布することを推奨しています。このフラグメントは、次の方法で使用できます。
ファイルフラグメントを認識するようにパッケージ化されたアプリケーションを作成できます。アプリケーションは、その構成の読み取り時に構成ファイルフラグメントに直接アクセスするか、あるいは、フラグメントを完全な構成ファイルにまとめてから読み取ることができます。
構成ファイルのフラグメントのインストール、削除、または更新が行われるたびに、SMF サービスは構成ファイルをまとめなおすことができます。
構成ファイルをまとめるサービスを配布するパッケージの作成例については、フラグメントファイルからのカスタムファイルの作成を参照してください。
アクチュエータとは、パッケージシステムによって配布されたアクションに適用されるタグのことで、そのアクションがインストール、削除、または更新されたときにシステム変更をもたらします。これらの変更は通常、SMF サービスとして実装されます。アクチュエータの詳細については、Chapter 7, パッケージインストールの一環としてのシステム変更の自動化を参照してください。
SMF サービスはソフトウェアを直接構成するか、SMF マニフェストに配布されたデータまたはシステムにインストールされたファイルのデータを使用すると、構成ファイルを作成できます。
SMF には、依存関係を表現するための多機能な構文があります。各サービスが実行されるのは、その必要な依存関係がすべて満たされている場合だけです。SMF サービスの詳細については、Oracle Solaris 11.2 でのシステムサービスの管理 を参照してください。
どのサービスも、それ自身を svc:/milestone/self-assembly-complete:default SMF マイルストーンへの依存関係として追加できます。ブートオペレーティングシステムがこのマイルストーンに到達すると、自己アセンブリのすべての操作が行われます。
不変ゾーンと呼ばれる特別な種類のゾーンは、そのファイルシステムの一部に対する制限付き書き込みアクセス権を持つように構成できるゾーンです。zonecfg(1M) のマニュアルページの file-mac-profile の説明を参照してください。このタイプのゾーンで自己アセンブリを完了するには、Oracle Solaris ゾーンの作成と使用 の書き込み可能なルートファイルシステムを持つ読み取り専用ゾーンをブートするオプションの説明に従い、ゾーン読み取り/書き込みをブートします。self-assembly-complete SMF マイルストーンがオンラインになると、必要な file-mac-profile 設定に基づいてゾーンが自動的にブートされます。