次の手順では、clresource コマンドを使用してこのタスクを実行する方法について説明します。ただし、このタスクでは clresource コマンドの使用に限定されるわけではありません。clresource コマンドの代わりに、clsetup コマンドの Oracle Solaris Cluster または Resource Group オプションを使用してこのタスクを実行できます。詳細は、clsetup(1CL) を参照してください。
始める前に
リソースをリソースタイプの新しいバージョンにいつ移行できるかを確認するには、リソースタイプをアップグレードするための手順を参照してください。
いつでも
リソースがモニターされていない場合のみ
リソースがオフラインである場合のみ
リソースが無効になっている場合のみ
リソースグループが非管理状態にある場合のみ
手順によっては、リソースの既存のバージョンをアップグレードできないと記載されている場合があります。リソースを移行できない場合は、次の代替方法を検討してください。
リソースを削除し、それをアップグレードされたバージョンの新しいリソースに置き換える
リソースをリソースタイプの古いバージョンのままにする
# clresource unmonitor resource
# clresource disable resource
# clresource disable resource
# clresource disable -g resource-group + # clresourcegroup offline resource-group # clresourcegroup unmanage resource-group
これらのコマンドの各項目は次のとおりです。
非管理状態にするリソースグループを指定します。
必要に応じて、同じリソースのほかのプロパティーを同じコマンドで適切な値に設定します。これらのプロパティーを設定するには、このコマンドの –p オプションを指定します。
ほかのプロパティーを設定する必要があるかどうかを確認するには、リソースタイプをアップグレードするための手順を参照してください。ほかのプロパティーの設定は、次の理由で必要になることがあります。
リソースタイプの新しいバージョンで拡張プロパティーが導入されている。
リソースタイプの新しいバージョンで既存のプロパティーのデフォルト値が変更されている。
# clresource set -p Type_version=new-version \ [-p extension-property=new-value] [-p standard-property=new-value] resource
# clresource monitor resource
# clresource enable resource
# clresource enable resource
# clresource enable -g resource-group + # clresourcegroup manage resource-group # clresourcegroup online resource-group
この例では、リソースがオフラインである場合にのみ移行できるリソースの移行を示します。新しいリソースタイプのパッケージには、新しいパスに配置されるメソッドが含まれます。メソッドはインストール中に上書きされないため、アップグレードされたリソースタイプがインストールされるまで、リソースを無効にする必要はありません。
この例でのリソースの特性は次のとおりです。
新しいリソースタイプバージョンは 2.0 です。
リソース名は myresource です。
リソースタイプ名は myrt です。
新しい RTR ファイルは /opt/XYZmyrt/etc/XYZ.myrt に存在します。
移行されるリソースに関する依存関係は存在しません。
移行されるリソースを、それが属するリソースグループをオンラインにしたままオフラインにすることができます。
この例では、アップグレードパッケージが、サプライヤの指示に従ってすべてのクラスタノードにすでにインストールされていると仮定します。
# clresourcetype register -f /opt/XYZmyrt/etc/XYZ.myrt myrt # clresource disable myresource # clresource set -p Type_version=2.0 myresource # clresource enable myresource使用例 5 モニターされていない場合のみ移行できるリソースの移行
この例では、リソースがモニターされていない場合のみ移行できるリソースの移行を示します。新しいリソースタイプのパッケージには、モニターと RTR ファイルのみが含まれます。モニターはインストール中に上書きされるため、アップグレードパッケージがインストールされる前に、リソースのモニタリングを無効にする必要があります。
この例でのリソースの特性は次のとおりです。
新しいリソースタイプバージョンは 2.0 です。
リソース名は myresource です。
リソースタイプ名は myrt です。
新しい RTR ファイルは /opt/XYZmyrt/etc/XYZ.myrt に存在します。
この例では、次の操作が実行されます。
アップグレードパッケージがインストールされる前に、リソースのモニタリングを無効にするために次のコマンドが実行されます。
# clresource unmonitor myresource
アップグレードパッケージが、サプライヤの指示に従ってすべてのクラスタノードにインストールされます。
リソースタイプの新しいバージョンを登録するために、次のコマンドが実行されます。
# clresourcetype register -f /opt/XYZmyrt/etc/XYZ.myrt myrt
Type_version プロパティーを新しいバージョンに変更するために、次のコマンドが実行されます。
# clresource set -p Type_version=2.0 myresource
リソースのモニタリングをその移行後に有効にするために、次のコマンドが実行されます。
# clresource monitor myresource