ローカル ZFS ファイルシステムを高可用性にするには、次の主要なタスクを実行します。
ZFS ストレージプールを作成します。
その ZFS ストレージプール内に ZFS ファイルシステムを作成します。
ZFS ストレージプールを管理する HAStoragePlus リソースを設定します。
このセクションでは、これらのタスクを完了する方法について説明します。
注意 - クラスタによってすでに管理されている ZFS プールを手動でインポートすることを予定している場合は、そのプールが複数のノードにインポートされないようにしてください。複数のノードにプールをインポートすると、問題が発生する場合があります。詳細は、HAStoragePlus リソースによって管理されている ZFS プール構成の変更を参照してください。 |
このウィザードでは、すべてのクラスタノードが同じ root パスワードを持つ必要があります。
注意 - 構成済みの定足数デバイスを ZFS ストレージプールに追加しないでください。構成済みの定足数デバイスがストレージプールに追加されると、ディスクのラベルが EFI ディスクに変更され、定足数構成情報が失われ、さらにディスクはクラスタに定足数投票を提供しなくなります。ディスクがストレージプールにある場合、そのディスクを定足数デバイスとして構成できます。あるいは、ディスクの構成を解除し、それをストレージプールに追加したあと、そのディスクを定足数デバイスとして再構成することができます。 |
Oracle Solaris Cluster 構成内に ZFS ストレージプールを作成する場合は、次の要件に従ってください。
ZFS ストレージプールの作成元となるすべてのデバイスが、クラスタ内のすべてのノードからアクセス可能なことを確認してください。これらのノードは、HAStoragePlus リソースが属するリソースグループのノードリストで構成されている必要があります。
zpool(1M) コマンドに対して指定した Oracle Solaris デバイス識別子 (たとえば、/dev/dsk/c0t0d0) が、cldevice list -v コマンドに認識されることを確認してください。
最適なパフォーマンスのために、ディスク全体を使用して ZFS ストレージプールを作成します。Oracle Solaris 論理デバイスを ZFS ファイルシステムとして指定すると、ディスクの書き込みキャッシュを有効にすることによってパフォーマンスが向上します。ディスク全体が指定された場合、ZFS ファイルシステムはそのディスクに EFI でラベル付けします。
DID デバイス上に zpool を作成している場合は、スライスを指定する必要があります。/dev/did/dsk/dN は、ディスクラベルを破損させる可能性があるため使用しないでください。
ZFS ストレージプールを作成する方法については、Managing ZFS File Systems in Oracle Solaris 11.3 の Creating ZFS Storage Poolsを参照してください。
ZFS プール内に ZFS ファイルシステムを作成する場合は、次の要件に従ってください。
同じ ZFS ストレージプール内に複数の ZFS ファイルシステムを作成できます。
HAStoragePlus は、ZFS ファイルシステムボリューム上に作成されたファイルシステムをサポートしていません。
ZFS ファイルシステムを FilesystemMountPoints 拡張プロパティーに含めないでください。
必要に応じて、ZFS の failmode プロパティーの設定を、continue または panic のどちらか、要件に当てはまる方に変更します。
ZFS ファイルシステムを作成するときに、その暗号化を選択できます。HAStoragePlus リソースは、リソースのオンライン化中にプール内のすべてのファイルシステムを自動的にマウントします。マウント中に鍵またはパスフレーズを対話式に入力する必要がある暗号化されたファイルシステムでは、リソースをオンラインにする際に問題が発生します。問題を回避するために、HAStoragePlus リソースを使用してクラスタによって管理されている ZFS ストレージプールの暗号化されたファイルシステムには keysource=raw | hex | passphrase,prompt|pkcs11: を使用しないでください。HAStoragePlus リソースがオンラインになるクラスタノードから鍵またはパスフレーズの場所にアクセスできる場合は、keysource=raw | hex | passphrase,file://|https:// を使用できます。
ZFS ストレージプール内に ZFS ファイルシステムを作成する方法については、Oracle Solaris 11.3 での ZFS ファイルシステムの管理 の ZFS ストレージプールを作成するを参照してください。
# clresourcegroup create resource-group
# clresourcetype register SUNW.HAStoragePlus
# clresource create -g resource-group -t SUNW.HAStoragePlus \ -p Zpools=zpool -p ZpoolsSearchDir=/dev/did/dsk \ resource
ZFS ストレージプールのデバイスを検索するデフォルトの場所は /dev/dsk です。これは、ZpoolsSearchDir 拡張プロパティーを使用してオーバーライドできます。
リソースは有効状態で作成されます。
# clresourcegroup online -M resource-group
次の例は、ローカル ZFS ファイルシステムを高可用性にするためのコマンドを示しています。
phys-schost-1% su Password: # cldevice list -v DID Device Full Device Path ---------- ---------------- d1 phys-schost-1:/dev/rdsk/c0t0d0 d2 phys-schost-1:/dev/rdsk/c0t1d0 d3 phys-schost-1:/dev/rdsk/c1t8d0 d3 phys-schost-2:/dev/rdsk/c1t8d0 d4 phys-schost-1:/dev/rdsk/c1t9d0 d4 phys-schost-2:/dev/rdsk/c1t9d0 d5 phys-schost-1:/dev/rdsk/c1t10d0 d5 phys-schost-2:/dev/rdsk/c1t10d0 d6 phys-schost-1:/dev/rdsk/c1t11d0 d6 phys-schost-2:/dev/rdsk/c1t11d0 d7 phys-schost-2:/dev/rdsk/c0t0d0 d8 phys-schost-2:/dev/rdsk/c0t1d0使用例 49 ローカル ZFS ファイルシステムをゾーンクラスタで高可用性にするための HAStoragePlus リソースタイプの設定Solaris デバイス識別子を指定することによって、ディスクスライスを使用して ZFS ストレージプールを作成できます。 # zpool create HAzpool c1t8d0s2または、論理デバイス識別子を指定することによって、ディスクスライスを使用して ZFS ストレージプールを作成できます # zpool create HAzpool /dev/did/dsk/d3s2 # zfs create HAzpool/export # zfs create HAzpool/export/home # clresourcegroup create hasp-rg # clresourcetype register SUNW.HAStoragePlus # clresource create -g hasp-rg -t SUNW.HAStoragePlus -p Zpools=HAzpool hasp-rs # clresourcegroup online -M hasp-rg
次の例は、ゾーンクラスタ sczone でローカル ZFS ファイルシステムを高可用性にするための手順を示しています。
phys-schost-1# cldevice list -v # zpool create HAzpool c1t8d0 # zfs create HAzpool/export # zfs create HAzpool/export/home # clzonecluster configure sczone clzc:sczone> add dataset clzc:sczone:fs> set name=HAzpool clzc:sczone:fs> end clzc:sczone:fs> exit # clresourcegroup create -Z sczone hasp-rg # clresourcetype register -Z sczone SUNW.HAStoragePlus # clresource create -Z sczone -g hasp-rg -t SUNW.HAStoragePlus \ -p Zpools=HAzpool hasp-rs # clresourcegroup online -Z -sczone -M hasp-rg