マルチブート環境では、システム管理者がシステムに何らかの更新を加える前にバックアップブート環境を作成できるので、ソフトウェアを更新または変更する際のリスクが減ります。必要に応じて、管理者がバックアップブート環境をブートすることもできます。
次の例では、複数の Oracle Solaris ブート環境を用意して beadm ユーティリティーで管理するのが、いかに便利であるかを示します。
SuperCluster M7 上で複数のブート環境を維持し、それぞれに対して必要に応じてさまざまな更新を実行できます。たとえば、beadm create コマンドを使ってブート環境をクローニングできます。作成されるクローンは、元のもののブート可能なコピーになります。その後、元のブート環境上とそのクローン上で異なるソフトウェアパッケージのインストール、テスト、および更新を行えます。
一度にアクティブにできるブート環境は 1 つだけですが、beadm mount コマンドを使えば、アクティブでないブート環境をマウントできます。その後、その環境で、代替ルート (-R) オプション付きの pkg コマンドを使って特定のパッケージをインストールまたは更新できます。
ブート環境を変更する場合、変更時の任意の段階で、beadm create コマンドを使ってその環境のスナップショットを取得できます。たとえば、ブート環境に対して月次アップグレードを行う場合、月次アップグレードごとにスナップショットを取得できます。Create a Snapshot of a Boot Environmentを参照してください。
複数の Oracle Solaris 11 ブート環境の利点の詳細については、次を参照してください。
http://docs.oracle.com/cd/E23824_01/html/E21801/snap3.html#scrolltoc