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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用
11gリリース1 (11.1.1.8.0)
E49667-02
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1 WebCenter Portalの紹介

この章では、WebCenter Portalの概要について説明します。重要な用語の意味の定義やこのガイドの概要説明も行います。

この章の内容は次のとおりです。

1.1 このガイドについて

WebCenter Portalは、ポータル、コミュニティ、ソーシャル・ネットワークのサイトをすばやく簡単に作成し、ユーザーがより効果的で効率的に情報を使用したり他のユーザーと対話できるようにするツールを提供します。このガイドは、WebCenter Portalを介して情報およびユーザーと対話することで業務を行うナレッジ・ワーカーを対象としています。

1.2 WebCenter Portalの概念

この項の内容は次のとおりです。

1.2.1 ポータルとは

ポータルは、広い範囲の目的で使用するオンライン・ゲートウェイです。ポータルは、組織内の従業員同士を接続し、チーム間のプロファイル情報とプロジェクト情報をアクティブに共有するためのツールを提供します。また、顧客に向けられた別のポータルでは、顧客が製品を調べて購入することもできます。一部のポータルは小規模なチームの領域に絞られていますが、その他のポータルは何千人ものメンバーが使用できるような機能が搭載されています。

ポータルは、場所、テクノロジおよび生成元が様々な情報やリソースを、1つのエントリ・ポイントを通じて表示します。広範なソースから収集されたコンテンツやテクノロジが、1箇所から容易に利用できるひとまとまりの情報およびサービスとして表示されます。

たとえば、あるポータルでは、組織のE-Businessスイートから生成されたすべてのワークリスト・アイテム、CRMスイートから生成された詳細な顧客情報、およびビジネス・インテリジェンス・ツールから生成された最新の売上高のグラフを参照できます。このようにソースが複数であるにもかかわらず、1つのソースから生成されたかのように、すべてのコンテンツを1箇所で利用できます。

またポータルには、パーソナライズ機能も用意されています。パーソナライズによって、ユーザーのプロファイル内の情報を利用して、ポータルの操作性を調整できます。たとえば、マネージャであるMaryがログインすると、部門全体の業績情報とレポート・アプリケーションへのリンクが表示されます。営業担当者であるSalがログインすると、自身の業績に関するレポートとリードへのリンクが表示されます。

1.2.2 ホーム・ポータルとは

ホーム・ポータルは、ユーザーが自分のプロファイル、プリファレンス、使用可能なポータルにアクセスできる領域で、ホーム・ポータルの独自のビューでは特定の要素をカスタマイズできます。ユーザーはホーム・ポータルに自分の個人用ページを作成でき、システム管理者は選択した閲覧者に対してシステム・ページビジネス・ロール・ページを公開できます。

詳細は、第2章「WebCenter Portalの探究」を参照してください。

1.2.3 ページとは

WebCenter Portalには複数タイプのページがあります。WebCenter Portalのページは、デフォルトですぐに使用できる場合と、ユーザー作成の場合があります。

WebCenter Portalですぐに使用できるページは、次のようなものです。

  • システム・ページ「ログイン」ページや「ドキュメント」ページなどで、関連する入力フィールドおよびボイラープレート・テキストを使用して事前に移入されています。システム・ページは、ポータル・モデレータとシステム管理者が管理します。

  • ビジネス・ロール・ページ。販売担当者、経理担当者、マーケティング・アソシエイトなどの特定のビジネス・ロールに関連する情報を使用して移入し、該当するロールを割り当てられたすべてのユーザーのホーム・ポータル・ビューにプッシュできます。ビジネス・ロール・ページは、システム管理者が管理します。

ポータルの構成方法にかかわらず、デフォルトで使用可能なページに加えて新しいページが常に必要になります。ニーズに応じて、どのWebCenter Portalユーザーも新しいページを作成できます。

  • 個人用ページ。ホーム・ポータル内に自分専用に作成できます。デフォルトでは、個人用ページはホーム・ポータル内で自分(作成したユーザー)だけに表示されますが、自分の個人用ページを他のユーザーが表示できるようにすることもできます。個人用ページの詳細は、第5章「個人用ページの作成および管理」を参照してください。個人用ページのコンテンツの管理は主に作成したユーザーが担当しますが、システム管理者は、WebCenter Portal管理においてすべての個人用ページを管理する権限を持ちます。

  • ポータル・ページ。ポータル内でページを作成する権限を持つすべてのユーザーが作成可能で、様々な目的で提供されます。

    • ポータル・モデレータが作成するページ。ポータルのナレッジ・ベースに役立つように設計されており、通常はポータルのすべてのメンバーが使用できるようになっています。

    • ポータル・メンバーが作成するページ。自分専用にするのか、他の選択したポータル・メンバーと共有するのか選択して公開されます。この種のポータル・ページはすべてのポータル・メンバーには公開されないこともありますが、ポータル・モデレータはすべてのポータル・ページを管理する権限を持ちます。

    自分の個人用ビューのためのページは、アイテムを再配置したり、ビューアを展開または縮小したり、自分だけに表示される領域をサイズ変更したりすることで、カスタマイズできます。

    ポータル・ページには任意の数のサブページページ・バリアントを作成できます。ページ・バリアントは、タブレットや携帯電話など、他のデバイスでの表示に合せて最適化されます。

1.2.4 ポータル・コンポーネントとは

WebCenter Portalを使用する場合、ページ上の要素を操作することになります。これらの要素は多種多様ですが、まとめてポータル・コンポーネントと呼ばれます。ポータル・コンポーネントには、ビュー/ビューア、ポートレット、コンテンツ・コンテナ、およびその他のタイプのリソース(イメージやリンクなど)が含まれます。

1.2.5 ポータル・ツールとサービスとは

WebCenter Portalは、他のWebCenter Portalユーザーとの共同作業やコミュニケーションを可能にする多数のツールとサービスを提供しています。WebCenter Portalを正しくインストールおよび構成し、システム管理者が必要な外部のバックエンド・サーバーに対する適切な接続を設定したら、WebCenter Portalでツールとサービスが使用可能になります。

ツールとサービスは、ポータル内で別々のURLでアドレス指定された独自のページで公開することも、1つのページ内の多数のコンポーネントの1つとして公開することもできます。ツールとサービスには、お知らせ、ディスカッション、ドキュメント、イベント、リスト、検索、タグ、インスタント・メッセージおよびプレゼンス、リンク、メール、投票、アクティビティ・グラフ、ノート、通知などが含まれます。

1.3 WebCenter Portalの基本タスク

この項では、WebCenter Portalの使用に関係するタスクを概説します。これらのタスクについては、このガイドの各章で手順を追って説明しています。