Oracle® Solaris 11.2 での sendmail サービスの管理

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更新: 2014 年 7 月
 
 

sendmail() の version 8.12 からの FEATURE の宣言についての変更点

FEATURE() の宣言についての変更点については、次の表を参照してください。

FEATURE の新しい名前および改訂された名前を使用するには、次の構文を使用します。

FEATURE(`name', `argument')

新しい sendmail.cf ファイルを構築する必要がある場合は、Chapter 2, メールサービスの管理sendmail 構成を変更する を参照してください。

表 3-23  追加または改訂された FEATURE() の宣言
FEATURE() の名前
説明
compat_check
引数 : 次の段落の例を参照してください。
この新しい FEATURE() によって、送信者アドレスと受信者アドレスからなるアクセスマップ内で鍵を検索できます。この FEATURE() は、文字列 <@> で区切ります。たとえば、sender@sdomain<@>recipient@rdomain のようにします。
delay_checks
引数 : friend にすると、スパムメールの friend テストを実行できます。また、hater にすると、スパムメールの hater テストを実行できます。
すべての検査作業を遅らせる新しい FEATURE()FEATURE(`delay_checks') を使用すると、クライアントが接続する場合、またはクライアントが MAIL コマンドを発行する場合に、ルールセット check_mail および check_relay は呼び出されません。代わりに、これらのルールセットはルールセット check_rcpt によって呼び出されます。詳細については、/etc/mail/cf/README ファイルを参照してください。
dnsbl
引数 : この FEATURE() は、最大次の 2 つの引数を受け入れます。
  • DNS サーバー名

  • リジェクトメッセージ

DNS 参照の戻り値を検査する回数を複数にできる新しい FEATURE()。この FEATURE() を使用して、参照が一時的に失敗した場合の動作を指定できる点に注意してください。
enhdnsbl
引数: ドメイン名。
dnsbl の強化バージョンの新しい FEATURE() 。この FEATURE を使用して、DNS 参照の戻り値を検査できます。詳細は、/etc/mail/cf/README を参照してください。
generics_entire_domain
引数: なし。
genericstable$=G のサブドメインに適用するのにも使用できる新しい FEATURE()
ldap_routing
引数: 詳細は、http://www.sendmail.orghttp://www.sendmail.org の「リリースノート」を参照してください。
LDAP アドレスルーティングを実装する新しい FEATURE()
local_lmtp
引数 : LMTP (Local Mail Transfer Protocol) を使用できるメールプログラムのパス名。デフォルトは mail.local であり、今回の Oracle Solaris リリースでは LMTP を使用できます。
ローカルメールプログラムの DSN (delivery status notification) 診断コードのタイプを SMTP の正しい値に設定する FEATURE()
local_no_masquerade
引数: なし。
ローカルメールプログラムをマスカレードしないようにするために使用する新しい FEATURE()
lookupdotdomain
引数: なし。
アクセスマップの .domain を参照するのに使用する新しい FEATURE()
nocanonify
引数 : canonify_hosts またはなし。
FEATURE() には次の機能が含まれます。
CANONIFY_DOMAIN または CANONIFY_DOMAIN_FILE で指定したドメインのリストを、正規化のために演算子 $[ および $] に渡すことができます。
canonify_hosts がそのパラメータとして指定されている場合には、<user@host> など、ホスト名だけを含むアドレスを正規化できます。
複数のコンポーネントを持つアドレスの末尾にドットを追加できます。
no_default_msa
引数: なし。
sendmail() のデフォルト設定を m4 構成ファイルでオフにする新しい FEATURE。このファイルは、複数の異なるポート上で待機するために生成されたもので、RFC 2476 に実装されています。
nouucp
引数: reject にすると、! トークンを使用できません。 nospecialにすると、! トークンを使用できます。
! トークンをアドレスのローカルの部分に使用するかどうかを決定する FEATURE()
nullclient
引数: なし。
通常の構成ですべてのルールセットを提供する FEATURE()。スパムメール対策チェックを実行します。
preserve_local_plus_detail
引数: なし。
sendmail() がアドレスをローカル配信エージェントに渡す際に、アドレスの +detail の部分を保存できる新しい FEATURE
preserve_luser_host
引数: なし。
LUSER_RELAY を使用している場合に、受信者のホスト名を保存できる新しい FEATURE()
queuegroup
引数: なし。
電子メールのアドレス全体または受信者のドメインに基づいたキューグループを選択できる新しい FEATURE()
relay_mail_from
引数 : ドメインは、任意の引数です。
メールの送信側がアクセスマップに RELAY として指定されており、それをヘッダー行 From: でタグ付けされている場合に、リレーを許可する新しい FEATURE()。省略可能な引数 domain を指定すると、メール送信側のドメイン部も検査されます。
virtuser_entire_domain
引数: なし。
VIRTUSER_DOMAIN または VIRTUSER_DOMAIN_FILE を使って生成できる virtusertable エントリを一致させるための新しいクラスである $={VirtHost} を適用するために使用できる FEATURE()
また、FEATURE(`virtuser_entire_domain') を使用して、クラス $={VirtHost} をサブドメイン全体に適用することもできます。

次の FEATURE () 宣言はサポートされなくなりました。

表 3-24  サポートされていない FEATURE() 宣言
FEATURE() の名前
代替
rbl
削除されたこの FEATURE() は、FEATURE(`dnsbl') および FEATURE(`enhdnsbl') に置き換えられます。
remote_mode
/etc/mail/cf/subsidiary.mc では、FEATURE(`remote_mode')MASQUERADE_AS(`$S') に置き換えられます。$S は、sendmail.cf における SMART_HOST の値です。
sun_reverse_alias_files
FEATURE(`genericstable')
sun_reverse_alias_nis
FEATURE(`genericstable')
sun_reverse_alias_nisplus
FEATURE(`genericstable')