Oracle® Solaris 11.2 での sendmail サービスの管理

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更新: 2014 年 7 月
 
 

メール別名ファイル

別名を保守するには、次のファイル、マップ、またはテーブルを使用します。

別名を保守する方法は、だれが使用し、だれが変更するかによって決まります。別名のタイプにはそれぞれ固有の形式要件があります。

関連するタスク情報については、Chapter 2, メールサービスの管理メール別名ファイルの管理 (タスクマップ)を参照してください。

.mailrc の別名

.mailrc ファイルのリストに入っている別名には、そのファイルを所有するユーザーだけがアクセスできます。この制限により、ユーザーは自分で制御し、所有者だけが使用できる別名を作成できます。.mailrc ファイルの別名の形式は、次のとおりです。

alias aliasname value value value ...

aliasname は、ユーザーがメールの送信時に使用する名前であり、value は有効な電子メールアドレスです。

ユーザーが scott に個人的な別名を作成し、それがネームサービスの scott の電子メールアドレスと一致しない場合、エラーが発生します。そのユーザーが作成したメールにユーザーが返信しようとするときに、メールが間違ったユーザーに転送されることになります。これを回避するには、別の別名命名方式を使用する以外にありません。

/etc/mail/aliases ファイル

/etc/mail/aliases ファイルで作成したいずれの別名も、その別名の名前と、そのファイルが含まれているシステムのホスト名を知っているユーザーであればだれでも使用できます。ローカルの /etc/mail/aliases ファイルの配布リストの形式は、次のとおりです。

aliasname: value,value,value ...

aliasname は、ユーザーがこの別名にメールを送信するときに使用する名前で、value は有効な電子メールアドレスになります。

使用するネットワークがネームサービスを実行していない場合は、各システムの /etc/mail/aliases ファイルにすべてのメールクライアントのエントリを含めておく必要があります。各システムのファイルを編集するか、1 つのシステムのファイルを編集してからそのファイルをほかのシステムに個々にコピーします。

/etc/mail/aliases ファイルの別名は、テキスト形式で保存されます。/etc/mail/aliases ファイルを編集するときには、newaliases プログラムを実行する必要があります。このプログラムは、データベースをコンパイルし直し、sendmail プログラムが別名をバイナリ形式で使用できるようにします。タスク情報については、Chapter 2, メールサービスの管理ローカルメール別名ファイルを設定する方法を参照してください。

現在のホスト名やホスト名なしなどのローカル名のみに別名を作成できます。たとえば、システム saturn にメールボックスのあるユーザー ignatz の別名エントリには、/etc/mail/aliases ファイルの次のエントリが入ります。

ignatz: ignatz@saturn

各メールサーバーに管理アカウントを作成する必要があります。管理アカウントを作成するには、メールサーバーのメールボックスを root に割り当て、root のエントリを /etc/mail/aliases ファイルに追加します。たとえば、システム saturn がメールボックスサーバーの場合は、エントリ root: sysadmin@saturn/etc/mail/aliases ファイルに追加します。

通常は、root ユーザーだけがこのファイルを編集できます。または、次のエントリを作成します。

aliasname: :include:/path/aliasfile

aliasname は、ユーザーがメールを送信するときに使用する名前であり、/path/aliasfile は別名リストを含むファイルへのフルパスになります。別名ファイルには、各行に 1 つの電子メールエントリを入れ、その他の表記は付けないでください。

user1@host1
user2@host2

/etc/mail/aliases に追加のメールファイルを定義でして、ログやバックアップコピーの保守できます。次のエントリでは、aliasname に送信されるすべてのメールを filename 内に格納します。

aliasname: /home/backup/filename

また、ほかのプロセスにメールを回送することもできます。次の例のように入力すると、メールメッセージのコピーが filename 内に格納され、コピーがプリントされます。

aliasname: "|tee -a /home/backup/filename |lp"

タスクマップについては、Chapter 2, メールサービスの管理メール別名ファイルの管理 (タスクマップ)を参照してください。

NIS aliases マップ

ローカルドメインのすべてのユーザーは、NIS aliases マップのエントリを使用できます。これは、sendmail プログラムは、ローカルの /etc/mail/aliases ファイルの代わりに NIS aliases マップを使って送信アドレスを決定できるためです。詳細は、nsswitch.conf(4) のマニュアルページを参照してください。

NIS aliases マップの別名は、次のようになります。

aliasname: value,value,value ...

aliasname は、ユーザーがメールの送信時に使用する名前であり、value は有効な電子メールアドレスです。

NIS aliases マップには、すべてのメールクライアント用のエントリを含めてください。一般にこれらのエントリを変更できるのは、NIS マスターの root ユーザーだけです。この種の別名は頻繁に変更される場合には適していません。次の構文例のように、ほかの別名ファイルをポイントする場合には役立ちます。

aliasname: aliasname@host

aliasname はユーザーがメールを送信するときに使用する名前であり、host/etc/mail/alias ファイルを含むサーバー用のホスト名です。

タスク情報については、Chapter 2, メールサービスの管理NIS mail.aliases マップを設定する方法を参照してください。