Oracle ZFS Storage Appliance の概要
Oracle ZFS Storage Appliance の構成
Oracle ZFS Storage Appliance のサービスの操作
SMB の Microsoft スタンドアロン DFS 名前空間管理ツールのサポートマトリックス
BUI を使用した SMB Active Directory の構成
CLI を使用したリモートアクセスのための SFTP の構成
BUI を使用した NIS からのアプライアンス管理者の追加
Active Directory のドメインとワークグループ
Active Directory の Windows Server でのサポート
CLI を使用した Active Directory の構成
BUI を使用してアプライアンスのステータスを配信するよう SNMP を構成
「dump」および「tar」バックアップタイプを使用してバックアップを行う場合、管理者はバックアップパスと呼ばれるファイルシステムパスによってバックアップするデータを指定します。たとえば、管理者が /export/home のバックアップを構成した場合、そのパスにマウントされたシェアがバックアップされます。同様に、バックアップストリームが /export/code に復元される場合、ファイルは、別のパスからバックアップされていてもそのパスに復元されます。
バックアップに指定できるのは、既存のシェアのマウントポイントであるパスか、または既存のシェアの中に含まれているパスだけです。バックアップパスがシェアのマウントポイントと一致する場合は、そのシェアだけがバックアップされます。一致しなければ、パスはシェアの中に含まれている必要があり、その場合は、そのパスの下にあるそのシェアの部分だけがバックアップされます。どちらの場合も、バックアップパス下の指定されたシェア内にマウントされたほかのシェアはバックアップされません。これらのシェアはバックアップ対象として個別に指定する必要があります。
スナップショット - バックアップパスがライブファイルシステム (/export/code など) またはライブファイルシステムの中に含まれるパス (/export/code/src など) を示す場合、アプライアンスはただちに新しいスナップショットを取得し、そのスナップショットから指定のパスをバックアップします。バックアップが完了すると、スナップショットは破棄されます。バックアップパスがスナップショット (/export/code/.zfs/snapshot/mysnap など) を示す場合、新しいスナップショットは作成されず、システムは指定のスナップショットからバックアップします。
シェアメタデータ - 複雑なシェア構成のバックアップと復元を簡略化するため、「dump」と「tar」のバックアップには、バックアップパスに関連付けられたプロジェクトおよびシェア用のシェアメタデータが含まれています。このメタデータには、プロトコルシェアプロパティー、割り当て制限プロパティー、「シェア」画面で構成されるその他のプロパティーなど、アプライアンスのシェア構成が記述されています。これを、NDMP でもバックアップおよび復元される、ディレクトリ構造やファイルアクセス権のようなファイルシステムメタデータと混同しないようにしてください。
たとえば、/export/proj をバックアップする場合は、マウントポイントが /export/proj で始まるすべてのシェアのシェアメタデータと、その親プロジェクトのシェアメタデータがバックアップされます。同様に、/export/someshare/somedir をバックアップする場合は、シェアが /export/someshare にマウントされていれば、そのシェアとそのプロジェクトのシェアメタデータがバックアップされます。
復元時は、復元パスの宛先が既存のシェアの中に含まれていない場合、必要に応じてバックアップストリーム内のプロジェクトとシェアが、バックアップに格納されているそれぞれの元のプロパティーを使って再作成されます。たとえば、プロジェクト proj1 とシェア share1 および share2 が含まれる /export/foo をバックアップしたあとで、そのプロジェクトを破棄してバックアップから復元する場合、これらの 2 つのシェアとプロジェクトは、復元操作の一部としてバックアッププロパティーを使用して再作成されます。
復元中は、自動的に再作成されるプロジェクトが存在すれば、その既存のプロジェクトが使用され、新しいプロジェクトが自動的に作成されることはありません。自動的に再作成されるシェアが存在し、そのマウントポイントが、アプライアンスで元のバックアップパスと復元の宛先に基づいて予測されるものと一致する場合は、その既存のシェアが使用され、新しいシェアが自動的に作成されることはありません。そうでない場合は、バックアップのメタデータから新しいシェアが自動的に作成されます。同じ名前のシェア (マウントポイントは異なる) がすでに存在する場合は、新しく作成されるシェアに「ndmp-」で始まる一意の名前と適切なマウントポイントが付けられます。
アプライアンスにもう存在しないデータセットを含むストリームを復元して、アプライアンスでそのバックアップストリームに指定されたとおりにデータセットを再作成できるようにするか、復元先のシェアを事前に作成しておくことをお勧めします。このどちらかを行うことで、前述の自動シェア作成に関連する予期しない結果を回避できます。