Essbaseの実装の開始

この章の情報の一部は、ブロック・ストレージ・データベースのみに適用され、集約ストレージ・データベースとは関係がありません。

関連項目:

次の表に、Essbaseを実装するときのプロセス・マップを示します。このプロセスの各ステップには概略を記載しています。また、詳細情報を入手できる参照先も記載しています。

表 1. プロセス・マップ

プロセス手順

参照先

Essbaseおよび分散OLAPの基本について学習します。

自社におけるニーズと要件を判断します。

データ分析のニーズおよび実行する計算とレポート処理を明確にします。

予算、予測およびその他の財務レポートと、それらの改善点。

データを多次元的な視点から分析します:

  • データ・ソースはどこにありますか?

  • データはどのようなタイプですか?そのデータは、詳細なリレーショナル・データですか、それとも、分析に利用できる概要的な階層型データですか?

  • そのデータのフォーマットは何ですか?

  • データにはどのようにアクセスしますか?リレーショナル・データにアクセスする必要がある場合は、Oracle Essbase SQLインタフェースまたはIntegration Servicesが必要になることがあります。

Essbaseをインストールします。

Oracle Enterprise Performance Management System Installation and Configuration Guide

アプリケーションおよびデータベースを設計します。

  • セキュリティなどのビジネス要件およびユーザー要件を明確にします。

  • ソース・データを識別し、Essbaseデータベースのスコープを決定します。

  • 最下位レベルのメンバー・データをリレーショナル・データベースに残して、ハイブリッド分析でアクセスするか、またはすべてのデータをロードするかを選択します。

  • 標準次元を定義し、疎および密のストレージを指定します。

  • 属性次元でのニーズを明確にします。

  • 異なる通貨のデータを追跡する、通貨換算アプリケーションでのニーズを明確にします。

  • アウトライン次元およびメンバーに必要な計算を定義します。

  • データベースでのデータの変更を監視するためのニーズを特定します。データの変更は、Essbaseのトリガー機能を使用して監視します。

ケース・スタディ: 単一サーバー、多次元データベースの設計

データベースのサイズを見積り、ディスク・スペースを確認して、メモリー内のインデックス・キャッシュ、データ・ファイル・キャッシュおよびデータ・キャッシュ・サイズが十分であることを確認します。

アプリケーションおよびデータベースを作成します。

アプリケーションとデータベースの作成

通貨アプリケーションを設計します。

通貨換算アプリケーションの設計および作成

データベースのアウトラインを構築します。

データベース・アウトラインの作成および変更

メンバーに別名を割当てます。

次元およびメンバーのプロパティの設定

次元を構築します。データ・ロードによって新規メンバーをアウトラインに取り入れるかどうかを決定します。取り入れる場合は、ルール・ファイルとデータ・ソースを使用して次元を動的に構築することを検討してください。取り入れない場合は、標準のデータ・ロードを設定してください。

データをロードします。データは次の方法でロードできます:

  • フリーフォーム

  • ルール・ファイルの使用

  • ハイブリッド分析の使用

データベース計算を行います。

  • 計算のタイプ(アウトラインまたは計算スクリプト、あるいはその組合せ)を決定します

  • データベース・アウトライン内のメンバーとメンバー集計の関係が正しいことを確認します。

  • 一部のメンバーを「動的計算」としてタグ付けするか高機能計算を使用することで、計算効率が向上するかどうかを検討します。

  • 計算結果を正しくするために、「2パス計算」のタグを付ける必要があるメンバーはどれかを検討します。

動的計算、および動的計算を使用してパフォーマンスを向上させる方法について学習します。

データ値の動的計算

Smart View、その他のOracleツールまたはサードパーティ・ツールでデータを表示します。

  • Oracle Hyperion Smart View for Office User's Guideを参照してください

  • サードパーティ・ツールについては、ベンダーのドキュメントを参照

パーティショニングについて学習します。相互接続された複数のデータベースに、データを分散することのメリットについて検討します。

ファイルまたはセル・ノートをデータ・セルにリンクします。

Essbaseデータへのオブジェクトのリンク

データのサブセットをコピーまたはエクスポートします。

データ・サブセットのコピーとデータのエクスポート

データをバックアップおよび復元します。

『Oracle Hyperion Enterprise Performance Management Systemバックアップおよびリカバリ・ガイド』

ストレージを割当てて、データベースに対するEssbaseカーネル設定を指定します。

  • データ圧縮: ディスク上のデータ圧縮および圧縮方式を指定します。

  • キャッシュ・サイズ: インデックス、データ・ファイルおよびデータ・キャッシュのサイズを指定できます。オペレーティング・システムのシャットダウンを防ぐには、サーバー上のアクティブなすべてのデータベースのインデックスとデータ・キャッシュのサイズの合計が、システムのRAMの3分の2より大きくならないようにします。

  • キャッシュ・メモリーのロック: インデックス・キャッシュ、データ・ファイル・キャッシュおよびデータ・キャッシュで使用されるメモリーを物理メモリー内にロックできます。

  • ディスク・ボリューム: Essbaseのインデックス・ファイルとデータ・ファイルのストレージの場所、適切なディスク・ボリューム名、および構成パラメータを指定できます。

  • 分離レベル: コミット・アクセスまたはアンコミット・アクセスを指定します。

レポートを生成します。

  • レポートのタイプ(構造化したレポートまたはフリーフォーム・レポート)を選択します。

  • ページ・レイアウト、列番号、メンバーID、データ値のフォーマットおよびタイトル・コンテンツなど、レポートの要素をプランします。

  • 構造化したレポートの場合は、ページ、列および行のヘッダーを作成します(フリーフォーム・レポートの場合は必要ありません)。

  • レポート・スクリプトを作成して、テストします。Administration Servicesのレポート・スクリプト・エディタまたは他のテキスト・エディタを使用します。

  • Essbaseサーバー上またはクライアント・コンピュータ上にレポートを保存します。

データベースのパフォーマンスおよびストレージ設定を調整します。

MaxLまたはESSCMDを使用して、定期的な操作を自動化します。

データベースに対するセキュリティを設計します。

  • データベース・セキュリティに対するニーズに基づいて、環境のセキュリティ・プランを作成します。

  • ユーザーおよびグループを作成し、必要に応じて、管理者またはデータ・アクセスの権限を割り当てます。

  • サーバー、アプリケーション、データベースまたはデータ・セル・レベルのスコープで、共通のデータ・アクセス権限を定義します。

  • グローバル・アプリケーション権限やデータベース権限を定義するには、関連するアプリケーションまたはアプリケーションとデータベースを選択して設定を調整します。

アプリケーションを維持します。

パフォーマンスを分析および改善し、エラー発生時にトラブルシューティングを行います。

  • ブロック・サイズが大きすぎないことを確認します。

  • インデックス・キャッシュ、データ・ファイル・キャッシュ、データ・キャッシュおよび計算機キャッシュに正しいサイズを設定します。

  • データベースを検証して、データの整合性を確保します。

  • 拡張性およびパフォーマンスを向上させるために、複数のキューブにわたってデータを分散させるパーティション化の使用を検討します。

  • アプリケーションを今後拡大できるように十分なディスク・スペースがあることを確認します。

  • Essbaseサーバーからデータを定期的にアーカイブします。

  • アーカイブ後にログ・ファイルが更新されるように、スプレッドシート更新ロギングを使用可能にします。

  • 取得中にソートする場合は、取得ソート・バッファのサイズを増やします。