名前空間のマウントポイントへのプロトコルアクセス
プロトコルの設定に関係なく、すべてのファイルシステムにはマウントポイントが必要です。ただし、これらのマウントポイントがどのように使用されるかはプロトコルによって異なります。
名前空間の NFSv2 / NFSv3
NFS では、各ファイルシステムは MOUNT プロトコル経由で表示できる一意のエクスポートです。NFSv2 と NFSv3 には入れ子のファイルシステムをトラバースする手段がなく、各ファイルシステムにはそのフルパスによってアクセスする必要があります。入れ子のマウントポイントは引き続き機能していますが、入れ子のマウントポイントを越えようとすると、空のディレクトリがクライアント上に作成されます。この問題は自動マウントによるマウントを使用することで軽減できますが、動的な環境で入れ子のマウントポイントを透過的にサポートするには NFSv4 が必要です。
名前空間の NFSv2
NFSv4 では、NFSv3 と比べてマウントポイントの処理にいくつかの改善が加えられています。まず、階層内のそのポイントで使用できるシェアがない場合でも、その親ディレクトリをマウントできます。たとえば、/export/home がシェアされていた場合、/export をクライアント上にマウントして、実際のエクスポートを透過的にトラバースできます。さらに重要なことに、一部の NFSv4 クライアント (Linux を含む) はクライアント側での自動マウントをサポートしており、これは「ミラーマウント」と呼ばれることがあります。このようなクライアントがあれば、ユーザーがマウントポイントをトラバースすると、子ファイルシステムは適切なローカルマウントポイントで自動的にマウントされ、ファイルシステムがそのクライアント上でアンマウントされると無効になります。サーバー側から見ると、これらは別々のマウントリクエストですが、1 つにまとめてクライアントに送られ、シームレスなファイルシステムの名前空間を形成します。
名前空間の SMB
SMB プロトコルでは、各シェアがリソース名によって使用できるようになるため、マウントポイントを使用しません。ただし、各ファイルシステムには引き続き一意のマウントポイントが必要です。入れ子のマウントポイント (1 つのリソース内に複数のファイルシステムがある) は現在サポートされていないため、マウントポイントのトラバースを試みると空のディレクトリが作成されます。
名前空間の FTP / FTPS / SFTP
ファイルシステムは、それぞれの標準のマウントポイントを使ってエクスポートされます。入れ子のマウントポイントは完全にサポートされており、ユーザー対して透過的です。ただし、親がシェアされているときに入れ子のファイルシステムをシェアしないようにはできません。親のマウントポイントがシェアされている場合は、子もすべて同様にシェアされます。
名前空間の HTTP / HTTPS
ファイルシステムは /shares ディレクトリの下にエクスポートされるため、/export/home にあるファイルシステムは HTTP または HTTPS を介して /shares/export/home に表示されます。入れ子のマウントポイントは完全にサポートされており、ユーザー対して透過的です。FTP プロトコルのセクションで説明されているシェアオプションの競合に関する動作と同じ動作が、HTTP にも当てはまります。