同期書き込みバイアス
この設定は、同期書き込みを処理するときの動作を制御します。デフォルトでは、システムは待機時間に関して同期書き込みを最適化します。つまり、ログデバイスを活用して応答時間を短くします。システムに個別のファイルシステムが複数存在する場合、ログデバイスに競合が発生し、すべてのコンシューマで待機時間が増加する可能性があります。複数のファイルシステムが同期セマンティクスをリクエストしている場合でも、一部のファイルシステムがほかのファイルシステムよりも待機時間の影響を受けやすくなることがあります。
よくあるのが、個別のログを持つデータベースのケースです。ログは待機時間の影響を特に受けやすく、データベース自体は、同様に同期セマンティクスを要求していても、待機時間ではなく帯域幅の影響を受けます。このような環境では、このプロパティーをメインデータベースでは「throughput」に設定し、ログファイルシステムでは「latency」のままにしておくと、パフォーマンスが大幅に向上する可能性があります。ログデバイスが存在しない場合でも、この設定によって動作が変更されますが、それほど大きな影響はない可能性があります。
Oracle Intelligent Storage Protocol では、「同期書き込みバイアス」設定を省略できます。Oracle Intelligent Storage Protocol では、ファイルシステムで定義されている書き込みバイアスを使用する代わりに、Oracle Database NFSv4 クライアントによって提供される書き込みバイアス値を使用できます。Oracle Database NFSv4 クライアントによって送信された書き込みバイアス値は、その書き込みリクエストのためにのみ使用されます。詳細は、 Oracle Intelligent Storage Protocol を参照してください。
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待機時間
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latency
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同期書き込みは、専用のログデバイスがあればそれを活用して、待機時間に関して最適化されます。
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スループット
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throughput
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同期書き込みはスループットに関して最適化されます。データはログデバイスではなくプライマリデータディスクに書き込まれ、システムの合計帯域幅が最適になるような方法で書き込みが実行されます。
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