BUI での「シェア」>「シェア」の操作
シェアの UI には、「シェア」>「シェア」からアクセスします。デフォルトのビューには、システム上のすべてプロジェクトのシェアが表示されます。
シェアリスト
デフォルトのビューは、システム上のすべてのシェアのリストです。このリストを使用すると、シェアの名前変更、プロジェクト間でのシェアの移動、および個々のシェアの編集を実行できます。シェアは「ファイルシステム」と「LUN」の 2 つのリストに分けられ、このビューにあるタブを切り替えることで選択できます。シェアごとに、次のフィールドが表示されます。
Table 12-2 BUI のシェアリスト
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名前
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シェアの名前。すべてのプロジェクトが表示されている場合は、プロジェクト名もここに含まれます。シェア名は編集可能なテキストフィールドです。名前をクリックすると、新しい名前を入力できます。Return キーを押すか、名前からフォーカスを移動すると、変更が確定されます。シェアの名前を変更するには、アクティブクライアントの接続を切断する必要があるため、このアクションの確認を求められます。
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サイズ
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ファイルシステムの場合、これはファイルシステムの合計サイズになります。LUN の場合、これはボリュームのサイズになり、シンプロビジョニングの有無は問われません。詳細は、 使用状況統計を参照してください。
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マウントポイント
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ファイルシステムのマウントポイント。これは NFS を介して使用できるパスで、FTP および HTTP の場合は相対パスになります。SMB を介してエクスポートされるファイルシステムだけはそのリソース名を使用しますが、各ファイルシステムでは、システム上のどこかに一意のマウントポイントが引き続き必要です。
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GUID
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各シェアでは、次のツールを使用できます。
Table 12-3 BUI の「シェア」>「シェア」のアイコン
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シェアを別のプロジェクトに移動します。プロジェクトパネルが展開されていない場合は、シェアがプロジェクト上にドロップされるまで自動的にパネルが展開されます。
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個別のシェアを編集します (行をダブルクリックする方法でも利用可能)。
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シェアを破棄します。このアクションによってシェアのデータがすべて破棄され、元に戻すことはできないため、このアクションの確認を求められます。
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シェアの編集
シェアを編集するには、鉛筆アイコンをクリックするか、またはシェアリスト内の行をダブルクリックします。これでシェアが選択され、いくつかの異なるタブが表示されます。これらのタブから選択して、シェアのプロパティーを編集できます。すべての機能の詳細は、各タブのセクションを参照してください。
シェアの名前は、プロジェクトパネルの右側の左上隅に表示されます。シェア名の最初のコンポーネントはそのシェアが含まれているプロジェクトで、そのプロジェクト名をクリックすると、[[Shares:Projects|プロジェクト詳細]] に移動します。シェアの名前を変更するには、シェア名をクリックして新しいテキストを入力する方法もあります。シェアのアクティブクライアントの接続を切断する必要があるため、このアクションの確認を求められます。
使用状況統計
ビューの左側に (展開された場合はプロジェクトパネルの下に)、現在の領域の使用状況統計を示す表があります。これらの統計は、特定のシェア (シェアを編集している場合)、またはプール全体 (シェアリストを表示している場合) が対象です。値が 0 のプロパティーがあれば、そのプロパティーは表から除外されます。次の使用状況統計が表示されます。
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「使用可能な容量」- この統計はタイトルの容量を容量の割合で表したもので、暗黙的に表示されます。使用可能な領域は、シェアまたはプロジェクト上のすべての割り当て制限、またはプールの絶対容量を反映します。ここに表示される数値は、使用済みの合計領域に使用可能な領域を加えた値です。
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「参照されるデータ」- データで参照されているデータの量。これには、必要なメタデータだけでなく、すべてのファイルシステムデータまたは LUN ブロックも含まれます。圧縮を使用すると、この値はシェア内に含まれるデータの論理サイズよりもかなり小さくなる可能性があります。シェアがスナップショットのクローンである場合、この値はシェア内に理論的に含めることができる物理ストレージよりも小さくなり、0 になる場合があります。
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「スナップショットデータ」- プロジェクトのスナップショットを含む、シェアのすべてのスナップショットで使用される領域の量です。このサイズは、すべてのスナップショットで消費される一意の領域の合計と同じではありません。複数のスナップショットによって参照されるブロックは、スナップショットごとの使用状況統計には含まれませんが、シェアのスナップショットデータの合計に表示されます。
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「未使用予約」- ファイルシステムに予約が設定されている場合、この値はファイルシステム用に予約されている残りの領域の量を示します。この値は LUN には設定されません。ZFSSA では、この領域がほかのシェアによって消費されないようにして、ファイルシステムに十分な領域を確保します。予約にスナップショットが含まれていない場合は、スナップショットの取得時にスナップショット全体を上書きするのに十分な領域が必要です。予約の詳細は、一般プロパティーのセクションを参照してください。
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「合計容量」- 参照データ、スナップショットデータ、および未使用予約の合計。
静的プロパティー
シェアビューの左側には、特定のシェアの編集中に静的 (作成時の) プロパティーも表示されます。これらのプロパティーは作成時に設定されるもので、設定後は変更できません。次の静的プロパティーが表示されます。
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「圧縮率」- 圧縮が有効になっている場合、ここには、現在シェアに適用されている圧縮率が表示されます。圧縮率は乗数で表されます。たとえば、2x という圧縮は、圧縮されていない内容の半分の領域をデータが消費していることを意味します。圧縮と使用可能なアルゴリズムの詳細は、一般プロパティーのセクションを参照してください。
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「大文字小文字の区別」- ディレクトリ検索で大文字と小文字を区別するどうかを制御します。次のオプションがサポートされています。
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混在
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mixed
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大文字と小文字の区別は、使用されるプロトコルによって決まります。NFS、FTP、および HTTP の場合は、検索で大文字と小文字を区別します。SMB の場合は、検索で大文字と小文字を区別しません。これはデフォルトであり、プロトコル間の一貫性よりも各種プロトコルの適合性を優先しています。このモードの使用時は、大文字と小文字を区別するプロトコルを使用して別個のファイルを作成できますが、SMB 経由でアクセスするとそのファイルはクラッシュします。このような状況では、SMB サーバーは、ファイル名を一意に識別する「符号化された」競合を作成します。
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区別しない
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insensitive
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すべての検索で大文字と小文字を区別せず、最初から大文字と小文字を区別する (NFS などの) プロトコルよりも優先されます。これにより、大文字と小文字を区別するプロトコルのクライアントで混乱が起きる可能性がありますが、符号化された名前が SMB 経由で使用される原因となるファイル名の重複がクライアントで発生しなくなります。この設定は、SMB がプライマリプロトコルでほかのプロトコルが二次的なものとみなされる場合、つまり想定される標準への適合性が問題とならない場合にのみ使用するようにしてください。
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区別する
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sensitive
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すべての検索で大文字と小文字を区別し、最初から検索で大文字小文字を区別しない SMB よりも優先されます。SMB サーバーは符号化された名前を使ってファイル名の重複に対処でき、また、この設定によって Windows アプリケーションが正常ではない動作をする可能性があるため、通常はこの設定を使用しないようにしてください。
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「非 UTF-8 を拒否」- この設定は、すべてのファイルおよびディレクトリに対して UTF-8 エンコーディングを強制します。これを設定した場合、無効な UTF-8 エンコーディングを使用してファイルまたはディレクトリを作成しようとしても失敗します。この設定は、エンコーディングが標準によって定義されていない NFSv3 にのみ影響します。NFSv4 では常に UTF-8 が使用され、SMB では適切なエンコーディングがネゴシエーションされます。通常はこの設定を「オン」にしてください。そうしない場合、(特に大文字と小文字を区別して比較を行うためにエンコーディングを認識する必要がある) SMB が、無効な UTF-8 エンコーディングで作成されるファイル名をデコードできません。この設定は、クライアントが別のエンコーディングを使用するように構成された既存の NFSv3 を配備する場合にのみ「オフ」にしてください。このプロパティーが「オフ」に設定されているときに SMB または NFSv4 を有効にすると、NFSv3 クライアントが無効な UTF-8 エンコーディングのファイルまたはディレクトリを作成した場合に未定義の結果が発生する可能性があります。正規化プロパティーが「なし」以外の値に設定されている場合は、このプロパティーを「オン」に設定する必要があります。
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「正規化」- この設定は、ファイルシステムやディレクトリ対して実行される Unicode 正規化がある場合に、それを制御します。Unicode は、同じ論理名を異なるエンコーディングで表す機能をサポートしています。正規化を使わないと、格納されているディスク上の名前が異なってしまい、いずれかの代替形式を使った検索がファイルの作成方法やアクセス方法によっては失敗します。このプロパティーが「なし」(デフォルト) 以外の値に設定されている場合は、「非 UTF-8 を拒否」プロパティーも「オン」に設定する必要があります。正規化の動作、および各種形式の動作の詳細は、Wikipedia の Unicode 正規化に関する項目を参照してください。
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なし
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none
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正規化は行われません。
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形式 C
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formC
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Normalization Form Canonical Composition (NFC) - 文字は正準等価性によって分解され、再度合成されます。
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形式 D
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formD
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Normalization Form Canonical Decomposition (NFD) - 文字は正準等価性によって分解されます。
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形式 KC
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formKC
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Normalization Form Compatibility Composition (NFKC) - 文字は互換等価性によって分解され、正準等価性によって再度合成されます。
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形式 KD
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formKD
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Normalization Form Compatibility Decomposition (NFKD) - 文字は互換等価性によって分解されます。
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「ボリュームブロックサイズ」- LUN のネイティブブロックサイズです。512 バイトから 1M までの 2 の累乗を指定でき、デフォルトは 8K です。
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「起点」- これがクローンの場合は、クローンの作成元のスナップショットの名前になります。
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「データ移行ソース」- これを設定した場合、このファイルシステムはローカルで、または NFS を介して既存のファイルシステムのシャドウをアクティブに作成します。データ移行の詳細は、Chapter 14, シャドウ移行のセクションを参照してください。
シェアのプロジェクトパネル
BUI では、使用可能なプロジェクトのセットが、このビューの左側のプロジェクトパネルから常に使用できます。このプロジェクトパネルを展開したり折りたたんだりするには、「プロジェクト」タイトルバーの横の三角形をクリックします。
Table 12-4 プロジェクトパネルのアイコン
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プロジェクトパネルを展開します
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プロジェクトパネルを折りたたみます
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このパネルからプロジェクトを選択すると、選択されたプロジェクトの プロジェクトビューに移動します。このプロジェクトパネルは、シェアリスト内の行で移動ツールをクリックしたときにも自動的に展開されます。その後、シェアをドラッグ&ドロップしてプロジェクト間で移動させることができます。プロジェクトパネルでは、ショートカットを使用して、新しいプロジェクトを作成したり、プロジェクト全体からシェアのリストに戻ったりすることもできます。「すべて」テキストをクリックすることは、ナビゲーションバーで「シェア」項目を選択するのと同じことです。
プロジェクトパネルは、プロジェクトの数が比較的少ないシステムにとって便利です。このパネルは、多数のプロジェクトを管理するためのプライマリインタフェースとなるように設計されたものではありません。このタスクについては、プロジェクトビューを参照してください。
シェアの作成
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1 つのプロジェクト内またはすべてのプロジェクトにわたってシェアを表示するには、「シェア」>「シェア」に移動します。
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「ファイルシステム」または「LUN」を選択します。
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「ファイルシステム」または「LUN」の横にあるプラスアイコンをクリックします。
「ファイルシステムを作成」または「LUN を作成」ダイアログボックスが表示されます。
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「ファイルシステムを作成」または「LUN を作成」ダイアログボックスで、使用するプロパティーを選択または入力します。
シェアのタイプ別のプロパティーは次の場所に定義されています。
ファイルシステムの場合
LUN の場合