それぞれのパッケージは障害管理リソース識別子 (FMRI) によって表されます。パッケージの完全な FMRI は、次の形式のスキーム、パブリッシャー、パッケージ名、およびバージョン文字列で構成されます。
scheme://publisher/name@version:dateTtimeZ
スキーム、パブリッシャー、およびバージョン文字列はオプションです。 IPS コマンドオペランドでは、パッケージを一意的に識別するパッケージ名の最小部分を使用することができ、? および * の文字を、1 つ以上のパッケージと一致させるための glob(3C) スタイルのワイルドカードとして使用できます。
次に示すパッケージの FMRI の例は、suri ストレージライブラリについてのものです。
pkg://solaris/system/library/storage/suri@0.5.11,5.11-0.175.2.0.0.34.0:20140303T145535Z
pkg
solaris
パブリッシャーを指定する場合、パブリッシャー名の前に pkg:// または // を付ける必要があります。
system/library/storage/suri
パッケージ名は、スラッシュ (/) 文字で区切られた任意の数のコンポーネントから成る階層形式です。IPS コマンドでは、コマンドで使用するパッケージ名によってそのパッケージが一意に識別される場合、パッケージ名の前のコンポーネントは省略できます。完全なパッケージ名を指定するがパブリッシャーは省略する場合、完全なパッケージ名の前に、pkg:// または // ではなく、pkg:/ または / を付けることができます。短縮したパッケージ名を指定する場合は、パッケージ名の左側にほかの文字を使用しないでください。
パッケージのバージョンには 4 つの部分があります。
オペレーティングシステムに緊密に結合されたコンポーネントの場合、コンポーネントバージョンは通常、そのバージョンのオペレーティングシステムでの uname -r の値を含みます。独自の開発ライフサイクルを持つコンポーネントの場合、コンポーネントバージョンはドットで区切られたリリース番号 (2.4.10 など) です。
ビルドバージョンはコンマ (,) の後に続ける必要があります。ビルドバージョンは、パッケージの内容が構築されたオペレーティングシステムのバージョンを指定します。
ブランチバージョンはハイフン (-) の後に続ける必要があります。ブランチバージョンはベンダー固有の情報を提供します。
Oracle Solaris パッケージでは、パッケージ FMRI のバージョン文字列のブランチバージョン部分に次の情報が示されます。
メジャーまたはマーケティング開発リリースのビルド番号。この例では、0.175 は Oracle Solaris 11 を示します。
この Oracle Solaris リリースの更新リリース番号。更新値は、Oracle Solaris リリースの FCS (First Customer Shipment) では 0、そのリリースの最初の更新では 1、そのリリースの 2 回目の更新では 2 というようになります。この例では、1 は Oracle Solaris 11.1 を示します。
この更新リリースのサポート・リポジトリの更新 (SRU) 番号。SRU にはバグ修正のみが入っており、新しい機能は含まれていません。Oracle サポート・リポジトリはサポート契約下のシステムでのみ使用できます。
このフィールドは、Oracle Solaris パッケージで現在使用されていません。
SRU のビルド番号、またはメジャーリリースの更新番号。
個々のナイトリービルドのビルド番号。
タイムスタンプはコロン (:) の後に続ける必要があります。タイムスタンプは、ISO-8601 基本形式 (YYYYMMDDTHHMMSSZ) のパッケージが発行された日時です。