Oracle® Solaris 11.2 ソフトウェアの追加と更新

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更新: 2014 年 7 月
 
 

パッケージパブリッシャーの追加、変更、削除

次の操作を実行するには、pkg set-publisher コマンドを使用します。

  • 新しいパブリッシャーを構成する

  • パブリッシャーの起点とミラーを設定する

  • パブリッシャーのスティッキネスを設定する

  • パブリッシャーの検索順序を設定する

  • パブリッシャープロパティーを設定または設定解除したり、パブリッシャープロパティー値を追加または削除する

  • パブリッシャーの SSL 鍵および証明書を指定する

  • パブリッシャーのプロキシを設定する

  • パブリッシャーを有効または無効にする

  • パブリッシャーを削除する

pkg set-publisher コマンドには 2 つの形式があります。詳細は、pkg(1) のマニュアルページを参照してください。

  • 1 つの形式では、パブリッシャーの名前が必須オペランドになります。

  • 別の形式では、リポジトリ URI が -p オプションの引数として指定され、パブリッシャー情報はその指定されたリポジトリから取得されます。パブリッシャー名がオプションのオペランドになるため、複数のパブリッシャーがそのリポジトリにパッケージを公開する場合は、名前が付いたパブリッシャーのみ構成することができます。

パブリッシャーの追加

以下の例は、パブリッシャーを追加するための 2 つの方法を示します。

使用例 5-1  新しいパブリッシャーの指定

次のコマンドは、-g オプションで指定した起点 URI を持つ devtool という新しいパブリッシャーを追加し、このパブリッシャーが検索順序の先頭になるように設定します。指定したパブリッシャーを検索順序の先頭に設定するには、-P オプションまたは --search-first オプションを使用します。

$ pkg set-publisher -P -g http://pkg.example1.com/release/ devtool
使用例 5-2  パブリッシャー構成のインポート

指定したリポジトリ URI からパブリッシャーの構成情報を取得するには、-p オプションを使用します。パブリッシャーを指定した場合、一致するパブリッシャーのみが追加または更新されます。パブリッシャーを指定しない場合、すべてのパブリッシャーが必要に応じて追加または更新されます。

$ pkg publisher
PUBLISHER                   TYPE     STATUS P LOCATION
solaris                     origin   online F http://pkg.oracle.com/solaris/release/
$ pkg set-publisher -p /export/IPSpkgrepos/myrepo
$ pkg publisher
PUBLISHER                   TYPE     STATUS P LOCATION
solaris                     origin   online F http://pkg.oracle.com/solaris/release/
site                        origin   online F file:///export/IPSpkgrepos/myrepo/

パブリッシャーの起点の追加と変更

次のコマンドは、solaris パブリッシャーに起点を追加する方法を示しています。イメージ内の特定のパブリッシャーに対して複数の起点が構成されている場合、IPS クライアントは、パッケージデータの取得元として最適な起点を選択しようとします。

$ pkg publisher
PUBLISHER                   TYPE     STATUS P LOCATION
solaris                     origin   online F http://pkg.oracle.com/solaris/release/
$ pkg set-publisher -g /export/IPSpkgrepos/Solaris solaris
$ pkg publisher
PUBLISHER                   TYPE     STATUS P LOCATION
solaris                     origin   online F http://pkg.oracle.com/solaris/release/
solaris                     origin   online F file:///export/IPSpkgrepos/Solaris/

指定したパブリッシャーの起点として URI を削除するには、-G オプションを使用します。

パブリッシャーの起点 URI を変更するには、新しい URI を追加し、古い URI を削除します。

$ pkg set-publisher -G '*' -g file:///export/IPSpkgrepos/isvrepo/ isvpub

パブリッシャーのミラーの追加と変更

指定したパブリッシャーのミラーとして URI を追加するには、-m オプションを使用します。起点とミラーの違いについては、リポジトリの起点とミラーを参照してください。同じパッケージの同じバージョンが、同じパブリッシャーの起点リポジトリ内にも存在しないかぎり、ミラーリポジトリの内容にアクセスすることはできません。

$ pkg set-publisher -m http://pkg.example3.com/ devtool
$ pkg publisher
PUBLISHER                   TYPE    STATUS P LOCATION
devtool                     origin  online F http://pkg.example1.com/
devtool                     mirror  online F http://pkg.example3.com/

指定したパブリッシャーのミラーとして URI を削除するには、-M オプションを使用します。

パブリッシャーのミラー URI を変更するには、新しい URI を追加し、古い URI を削除します。

パブリッシャーの検索順序およびスティッキネスの設定

新しく追加されたパブリッシャーは、デフォルトで固定です。パブリッシャーが非固定の場合は、このパブリッシャーからインストールされたパッケージを別のパブリッシャーから更新できます。パブリッシャーのスティッキネスを設定するには、--sticky および --non-sticky オプションを使用します。

新しく追加されたパブリッシャーは、デフォルトで検索順序の最後になります。パブリッシャーの検索順序は、インストールするパッケージを検索するために使用されます。パッケージが最初にインストールされたときのパブリッシャーが非固定の場合は、更新するパッケージを検索するためにパブリッシャーの検索順序が使用されます。パブリッシャーの検索を変更するには、--search-before--search-after、および --search-first オプションを使用します。-P オプションは、--search-first オプションの同義語です。

一致するパッケージを提供する最初のパブリッシャーがインストール元として使用されます。該当するパブリッシャーがこのイメージ内にインストール可能なパッケージのバージョンを提供しない場合、インストール操作は失敗します。この検索順序でさらに下にあるパブリッシャーからインストールするには、パブリッシャーの名前やパッケージのバージョン文字列などの詳細情報をパッケージ FMRI に指定します。

パブリッシャープロパティーの構成

パブリッシャープロパティーを設定および設定解除したり、パブリッシャープロパティーの値を追加および削除したりするには、次のオプションを使用します。

  • --set-property property=value

  • --add-property-value property=value

  • --remove-property-value property=value

  • --unset-property property

publisher-search-order および signature-required-names プロパティーは、複数の値を取ることができます。

パッケージの署名プロパティーの構成pkg set-publisher の例を参照してください。

パブリッシャーの鍵と証明書の構成

使用例 5-3  パブリッシャーの鍵と証明書の指定

クライアントの SSL 鍵を指定するには、-k オプションを使用します。クライアントの SSL 証明書を指定するには、-c オプションを使用します。指定した証明書を信頼できる CA 証明書として追加するには、--approve-ca-cert オプションを使用します。ユーザーが承認した CA 証明書のハッシュが、このパブリッシャーに対する pkg publisher コマンドの出力に一覧表示されます。パブリッシャー情報の表示を参照してください。

$ pkg set-publisher -k /root/creds/example.key -c /root/creds/example.cert \
--approve-ca-cert /tmp/example_file.pem isvpub
使用例 5-4  パブリッシャーの鍵と証明書の取り消し

指定した証明書を取り消された証明書として扱うには、--revoke-ca-cert オプションを使用します。ユーザーが取り消した CA 証明書のハッシュが、このパブリッシャーに対する pkg publisher コマンドの出力に一覧表示されます。

承認された証明書の一覧および取り消された証明書の一覧から指定した証明書を削除するには、--unset-ca-cert オプションを使用します。

パブリッシャープロキシの構成

指定した起点またはミラーの内容を取得する永続的なプロキシ URI を指定するには、--proxy オプションを使用します。プロキシの値は protocol://host[:port] で、protocolhttp または https で、:port はオプションです。プロキシを設定するためのさまざまな方法については、プロキシの指定を参照してください。

パブリッシャーの有効化および無効化

新しく追加されたパブリッシャーは、デフォルトで有効になります。無効なパブリッシャーは、パッケージリストの作成時や installuninstall、または update 更新パッケージ操作で使用されません。無効なパブリッシャーのプロパティーを設定または表示することはできます。1 つだけのパブリッシャーが有効な場合、そのパブリッシャーは無効にできません。

次のコマンドは、isvpub パブリッシャーを有効にし、それを検索順序で devtool パブリッシャーの前に設定します。

$ pkg set-publisher --enable --search-before devtool isvpub

パブリッシャーを無効にするには --disable オプションを使用します。パブリッシャーの起点が一時的に使用できないなどの場合にパブリッシャーを無効にする場合があります。すべてのパブリッシャーが使用できない場合、パッケージのインストールおよび更新操作は失敗します。

パブリッシャーの削除

パブリッシャーを削除するには、pkg unset-publisher コマンドを使用します。

$ pkg unset-publisher devtool