マウスの使用
この付録では、マウス操作およびさまざまなマウスポインタについて説明します。内容は次のとおりです。
マウスとは、画面上でマウスポインタを動くようにするポインティングデバイスの一種です。マウスポインタは小さな矢印で、画面上のオブジェクトをポイントするために使用します。押すボタンによって、マウスポインタが置かれているオブジェクトで特定の処理が実行されます。
マウスボタンの表記規則
マウスボタンの表記規則を次に示します。
マウスの左ボタン – マウスデバイスの左側にあるボタン。マウスの左ボタンは、選択、有効化、ボタン押下などで頻繁に使用されます。「クリック」と言うときは、マウスの左ボタンでクリックします。
マウスの中ボタン – マウスデバイスの中央ボタン。スクロールホイールを備える多くのマウスデバイスでは、スクロールホイールを押し込むことでマウスの中ボタンのクリックにすることができます。
マウスの右ボタン – マウスデバイスの右側にあるボタン。多くの場合、このボタンはポインタの下にあるオブジェクトのコンテキストメニューを表示します。
一部のマウスデバイスには、中ボタンがありません。2 ボタンマウスデバイスの場合は、左右同時押しを使用してマウスの中ボタンをシミュレーションできるようにシステムが構成されている場合があります。左右同時押しが有効になっている場合は、マウスの左ボタンと右ボタンを同時に押すことで、マウスの中ボタンがシミュレーションされます。
マウスデバイスの向きを反転するときは、「マウス」設定ツールを使用します。その場合は、このガイドで使用されているマウスボタンの表記規則を反対にする必要があります。
「マウス」設定ツール
「マウス」設定ツールでは、次の設定を決めることができます。
マウスを右利き用または左利き用に構成します
マウスの動きの速度および感度を指定します
マウスのアクセシビリティー機能を構成します
「システム」 -> 「設定」 -> 「マウス」を選択して、「マウス」設定ツールを表示します。
全般的なマウスの設定
「全般」タブを使用して、マウスボタンを左利き用と右利き用のどちらに構成するのかを指定したり、マウスの速度や感度を構成したりします。
次の表に、変更できる全般的なマウスの設定を示します。
表 A-1 マウスボタンの設定
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右利き
| マウスを右利き用に構成します。マウスの左ボタンが第 1 ボタン、マウスの右ボタンが第 2 ボタンです。
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左利き
| マウスを左利き用に構成します。マウスの左ボタンと右ボタンの機能が入れ替わります。
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[Control] キーを押下したらポインタの位置を通知する
| Ctrl キーを押して離したときにマウスポインタのアニメーションを有効にします。この機能は、マウスポインタの検出に役立ちます。
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速度
| マウスを動かしたときに、マウスポインタが画面上を移動する速度を指定します。
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応答性
| マウスポインタがマウスの動きに追従する感度を指定します。
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しきい値
| 移動操作がドラッグ&ドロップ操作として解釈されるまでに項目を移動する必要のある距離を指定します。
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間隔
| スライダを使用して、ダブルクリックするときにクリック間に経過できる時間を指定します。1 回目と 2 回目のクリックの間隔が指定された時間を超える場合、その操作はダブルクリックとして解釈されません。 電球アイコンを使用してダブルクリックの感度を確認してください。クリックの場合は電球が短く点灯し、ダブルクリックの場合は点灯したままになります。
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マウスのアクセシビリティーの設定
「アクセシビリティ」タブを使用して、ポインタを正確な場所に置いたりマウスボタンを押したりするのが難しい人を支援できる、アクセシビリティー機能を構成します。
次の表に、変更できるマウスのアクセシビリティーの設定を示します。
表 A-2 マウスの動きの設定
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第 1 ボタンを押したままにすると第 2 のクリックとみなす
| 第 1 マウスボタンを長く押すことで、シミュレーションされた第 2 のクリックを有効にします。
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「第二のクリックの模擬」セクションの「遅延」スライダ
| 第 2 のクリックをシミュレートするために第 1 ボタンをどのくらい押す必要があるかを指定します。
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ポインタの移動を停止してクリックを始める
| マウスが停止したときの自動クリックを有効にします。クリックの種類がどのように選択されるかを構成するときは、「自動クリック」セクションの追加設定を使用します。
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「自動クリック」セクションの「遅延」スライダ
| 自動クリックがトリガーされる前に、ポインタがどのくらい静止したままでいる必要があるかを指定します。
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「ジェスチャーのしきい値」スライダ
| ポインタがまだ静止しているとみなされるためにどのくらい移動する必要があるかを指定します。
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予めクリックの種類を選択しておく
| ウィンドウまたはパネルアプレットから実行するクリックの種類を決定します。
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種類を表すウィンドウを表示する
| このオプションが有効な場合、さまざまな種類のクリック (シングルクリック、ダブルクリック、ドラッグクリック、または第 2 のクリック) をウィンドウで選択できます。 注 - ウィンドウの代わりに「自動クリック」パネルアプレットを使用できます。
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マウス・ジェスチャでクリックの種類を選択する
| マウスを特定の方向に動かすと、クリックの種類が決まります。さまざまな種類のクリックに方向を割り当てます。各方向で使用できるのは、クリックの種類 1 つのみです。
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注 - これらのアクセシビリティー設定を有効にするには、システム管理者が gnome/accessibility/mousetweaks パッケージをインストールする必要があります。
マウスボタンは次の処理を実行します。
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マウスの左ボタン
| テキストを選択します
項目を選択します
項目をドラッグします
項目を有効にします
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マウスの中ボタン
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マウスの右ボタン
| マウスの右ボタンを使用して、項目のコンテキストメニューを開きます。ほとんどの項目では、項目を選択したあとに、Shift+F10 キーボードショートカットを使用してコンテキストメニューを開くこともできます。
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たとえば、ファイルマネージャーでファイルを表示するときは、マウスの左ボタンをクリックしてファイルを選択し、マウスの左ボタンでダブルクリックしてファイルを開くことができます。マウスの右ボタンをクリックすると、そのファイルのコンテキストメニューが表示されます。
注 - ほとんどのアプリケーションでは、マウスの左ボタンを使用してテキストを選択し、マウスの中ボタンを使用して別のアプリケーションに貼り付けることができます。この処理はプライマリ選択ペーストと呼ばれ、通常のクリップボード操作とは独立して機能します。
複数の項目を選択するには、Ctrl キーを押したまま複数の項目を選択するか、または Shift キーを押したまま連続した範囲で項目を選択します。項目の周囲にある空白領域で四角形にドラッグして複数の項目を選択することもできます。
マウスポインタ
マウスポインタの外観を変更できます。ポインタの外観は、特定の操作、場所、または状況に関するフィードバックを表します。マウスが画面のさまざまな要素上を通るときに、次のマウスポインタが表示されます。
注 - 使用するマウス設定によっては、マウスポインタがここに示すものと異なることがあります。
表 A-3 マウスポインタの説明
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標準ポインタ
| 通常のマウス使用中に表示されます。
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実行中ポインタ
| タスクを実行中のウィンドウ上で表示されます。マウスを使用してこのウィンドウに入力を渡すことはできませんが、別のウィンドウに移動してそこで作業することはできます。
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サイズ変更ポインタ
| コントロールをつかんでインタフェースの一部をサイズ変更できることを表します。このポインタは、ウィンドウ境界上、およびウィンドウ内のペイン間にあるサイズ変更ハンドル上で表示されます。矢印の向きは、サイズ変更できる向きを示します。
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ハンドポインタ
| たとえば Web ページのハイパーテキストリンク上にマウスを置いたときに表示されます。このポインタは、新規ドキュメントを読み込んだり処理を実行したりするためにリンクをクリックできることを示します。
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I ビームポインタ
| 選択または編集できるテキスト上にマウスがあるときに表示されます。クリックするとテキストを入力する位置にカーソルが置かれ、ドラッグするとテキストが選択されます。
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ファイルまたはテキストの一部などの項目をドラッグするときは、次のマウスポインタが表示されます。これらは、マウスボタンを離すと、移動しているオブジェクトがドロップされることを表します。
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移動ポインタ
| オブジェクトをドロップすると、古い場所から新しい場所へ移動されることを示します。
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コピーポインタ
| オブジェクトをドロップすると、ドロップした場所にオブジェクトのコピーが作成されることを示します。
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シンボリックリンクポインタ
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確認ポインタ
| オブジェクトをドロップすると、選択肢が表示されることを示します。実行する操作を選択できるメニューが表示されます (たとえば、シンボリックリンクを移動、コピー、または作成できます)。
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使用不可ポインタ
| 現在の場所にはオブジェクトをドロップできないことを示します。マウスボタンを離しても、効果はありません。ドラッグしたオブジェクトは、元の場所に戻されます。
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パネルオブジェクト移動ポインタ
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ウィンドウ移動ポインタ
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