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Oracle® Solaris 10 から Oracle Solaris 11.3 への移行

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更新: 2015 年 10 月
 
 

Oracle Solaris 11 デスクトップの機能

このリリースのデフォルトのデスクトップ環境は、Oracle Solaris デスクトップ (GNOME Foundation からの GNOME 2.30 が含まれています) です。Mozilla Foundation の Firefox Web ブラウザ、Thunderbird 電子メールクライアント、および Lightning カレンダマネージャーも含まれています。


注 -  テキストインストールの方法を使用する場合、Oracle Solaris Desktop パッケージ (solaris-desktop) がデフォルトでシステムにインストールされません。また、solaris-desktop パッケージは実行中のシステムに直接適用できません。インストール後の Oracle Solaris Desktop ソフトウェアパッケージのインストールを参照してください。

    その他のサポートされるデスクトップ機能には、次のものがあります。

  • アクセシビリティー機能の強化

  • Bluefish HTML エディタ

  • Compiz OpenGL ベースのウィンドウマネージャー

  • D-Bus IPC フレームワーク

  • Evince PDF ビューア

  • GIMP 画像編集プログラム

  • GNOME Python バインディング

  • Gobby テキスト編集コラボレーションツール

  • マルチメディアサポートの拡張機能

  • プランナおよび openproj プロジェクト管理ツール

  • Trusted Extensions の統合

  • xchat IRC クライアント

  • デスクトップを増強する Xserver 機能 (仮想端末 (VT) の切り替えなど)

主要なデスクトップ機能

    このリリースでの主要なデスクトップ機能を次に示します。

  • アクセシビリティーの拡張機能 - 障碍のある方は、幅広いアクセシビリティー機能 (Orca、espeak、および brltty を含む) を使用できます。これらの機能は、gnopernicus から置き換えられた機能であり、より良いテキスト読み上げのサポートを提供します。このリリースでは、Dasher オンスクリーンキーボードも追加されました。詳細は、Oracle Solaris 11 デスクトップのアクセシビリティーガイド を参照してください。

    Oracle Solaris 10 で使用される GNOME オンスクリーンキーボード (GOK) プログラムは利用できなくなりました。一部のユーザーについては、代わりに Dasher アプリケーションを使用してください。

  • コマンドアシスタント - Oracle Solaris で管理されているコンテンツ (ドキュメント、マニュアルページなど) のコマンド行情報を検索します。デスクトップパネルにコマンドアシスタントを追加するには、「パネルに追加」→「Command Assistant」ダイアログボックスを使用します。必要に応じて、次に示すようにパッケージをインストールします。

    # pkg install cmdassist
  • グラフィカルログインマネージャー - Oracle Solaris 10 では、デフォルトのログイン GUI として、共通デスクトップ環境 (CDE) および dtlogin を使用します。Oracle Solaris 10 では、GNOME グラフィカルデスクトップマネージャー (GDM) も使用できます。このリリースでは、GDM が唯一のグラフィカルログインオプションです。

    GDM の構成プロセスも大幅に変更されました。詳細は、 gdm および console-kit-daemon のマニュアルページを参照してください。このリリースでは、マルチシート環境を管理するために ConsoleKit 構成機能が使用されます。移行問題のトラブルシューティングを行う場合は、GNOME デスクトップマネージャーの問題を参照してください。

  • マルチメディアのサポート:

    • Brasero CD/DVD 作成ツール – Brasero CD/DVD 作成ツールを使用すると、データディスクプロジェクトを作成し、ファイルを所定の場所にドラッグ&ドロップしてから、ディスクに書き込むことができます。

    • FreeDesktop GStreamer – FreeDesktop GStreamer モジュールは、マルチメディアサポートを提供するデスクトップツールです。GStreamer が使用するプラグインインフラストラクチャーによって、追加のメディアフォーマットを使用できます。

    • gksusudo コマンドのグラフィカルバージョンです。起動すると、このツールは管理ツールを実行するための追加パスワードを入力できるプロンプトを表示します。

    • マルチメディアフォーマット - GStreamer プラグインを使用することにより、FLAC、Speex、Ogg Vorbis、および Theora メディアフォーマットがサポートされます。Oracle Solaris 10 は GStreamer 0.8 を使用しますが、Oracle Solaris 11 は GStreamer 0.10 を提供します。

    • Open Sound System – 新しい Open Sound System (OSS) フレームワークは、オーディオデバイスを管理し、より良いオーディオサポートを提供します。以前サポートされていたいくつかのオーディオデバイスは、サポートされなくなりました。Sun Audio Device Architecture (SADA) インタフェースを使用するプログラムは、引き続きサポートされます。オーディオデバイスが正常に動作しない場合は、使用するオーディオデバイスおよび GStreamer オーディオ入出力プラグインを選択できるダイアログボックスをデスクトップから起動できます。

      $ /usr/bin/gstreamer-properties

      また、このプログラムには、オーディオ設定が正しいかどうかを判別できる「テスト」ボタンが含まれています。いくつかのオーディオカードは、複数のデバイスを持つものとして表示されます (たとえば、1 つはアナログオーディオでもう 1 つはデジタルオーディオ)。現在 RealPlayer を使用している場合は、現在サポートされているマルチメディアツールに移行する必要があります。

    • PulseAudio サウンドサーバー – PulseAudio サウンドサーバーは、改善されたオーディオミキシングをサポートします。/usr/bin/gnome-volume-control デバイスコンボボックスには追加の PulseAudio デバイスが表示されます。デスクトップコンピュータおよびノート PC で使用する場合は、「OSS」デバイスの選択がもっとも有効です。オーディオハードウェアの最適な設定を決定するには、最初にある程度の試行錯誤が必要になると考えられます。オーディオ関連の問題が解決しない場合は、次のコマンドを実行して、デフォルトの正しい入力/出力オーディオプラグインが選択されていることを確認します。

      $ /usr/bin/gstreamer-properties

      PulseAudio には、$HOME/.pulse および $HOME/.pulse-cookie という CLI 構成機能もあります。詳細は、 pulseaudio (1) を参照してください。オーディオカードが動作中のシステムでは、/usr/bin/pulseaudio プロセスが GNOME セッション用に実行していることがわかります。http://www.freedesktop.org/wiki/Software/PulseAudio を参照してください。

    • ほかのメディアツール – このリリースには、Rhythmbox メディアプレイヤー、Cheese 写真/ビデオツール、Ekiga ビデオ会議ツールも含まれています。

  • ネットワーク管理 GUI – ネットワーク管理 GUI (以前の NWAM) は、デスクトップからネットワーク接続を管理するために使用します。Oracle Solaris 11.3 でのネットワークコンポーネントの構成と管理 のデスクトップからネットワーク構成を管理するを参照してください。

  • 印刷管理 – Oracle Solaris 11 以降は、Oracle Solaris 10 で使用されている LP 印刷サービスに代わり、CUPS がデフォルトの印刷サービスです。デスクトップでは Solaris 印刷マネージャーも使用できなくなりました。CUPS には印刷マネージャーがあり、デスクトップから「システム」->「管理」->「印刷マネージャー」を選択することにより開始できます。Oracle Solaris 11.3 での印刷の構成と管理 を参照してください。

  • リムーバブルメディア - Oracle Solaris 11 には各種のリムーバブルメディアの拡張機能が含まれており、これには、ホットプラグ可能デバイスの検出、コンテンツの認識のほか、デバイスドライバから GUI までのソフトウェアスタックのすべてのレイヤーにわたる操作性、セキュリティー、およびパフォーマンスのサポートが含まれます。CD/DVD ドライブのフロントパネルの取り出しボタンを使用すると、ディスクがマウントされていても取り出すことができます。外部ハードドライブまたはフラッシュカードが挿入されると、Nautilus ファイルマネージャーによって自動的に登録されます。

    vold デーモンと volcheck コマンドの機能は、HAL (Hardware Abstraction Layer) 対応の rmvolmgr および gvfs-hal-volume-monitor コマンドを使用して HAL によって実行されます。rmvolmgr(1M) を参照してください。

  • Seahorse – このリリースでは GnuPG がサポートされます。Seahorse アプリケーションは、暗号化鍵およびパスワードを gnome-keyring で管理します。また、SSH および GnuPG 鍵を管理するための gnome-keyring-manager は Seahorse に置き換わります。

  • Trusted Extensions (GNOME) デスクトップ – このリリースでは、Oracle Solaris の Trusted Extensions 機能は Oracle Solaris デスクトップ (GNOME 2.30) でのみサポートされています。Oracle Solaris 10 では、この機能は CDE と GNOME デスクトップの両方でサポートされます。Solaris 8 では、このサポートは CDE に限られます。

    このバージョンの Trusted Extensions デスクトップには、ゾーンおよび権利プロファイルの改善も含む、操作性、堅牢性、および機能性を向上させる、大幅な変更が含まれます。たとえば、txzonemgr の GUI が大幅に改善されました。このツールを使用すると、Trusted Extensions のほとんどの側面を管理できます。現在 Trusted CDE を使用している場合は、現在サポートされているバージョンの製品に移行する必要があります。

  • タイムスライダ – ZFS スナップショットを管理します。このツールは、時間指定の ZFS スナップショットを作成することによってデータを定期的にバックアップするために使用します。

  • 仮想コンソール端末 – X セッションと仮想コンソール端末を切り替えることができます。このサービスは、デフォルトで有効になっています。セッション間を切り替えるには、Alt + Ctrl + F# ホットキーの組み合わせを使用します。たとえば、vt2 に切り替えるには、Alt + Ctrl + F2 キーを押します。また、グラフィカル VT セッションを作成してから、ユーザー切り替えパネルアプレットを使用することによりこれらのセッション間を切り替えることができます。アプレットをデスクトップに追加するには、パネルを右クリックしてから、「パネルに追加...」オプションを選択します。新規または別のグラフィカルログインセッションに切り替えるには、アプレットをクリックしてから、「ユーザを切り替える」を選択します。

  • Web ブラウザおよび電子メール – Firefox Web ブラウザと Thunderbird 電子メールクライアントがサポートされるアプリケーションです。

削除されたデスクトップ機能

    次のデスクトップ機能は、置換または削除されました。削除されたいくつかの機能は Oracle Solaris 10 よりあとに導入されました。

  • Adobe Flash Player – この機能は Oracle Solaris 11 11/11 にありましたが、Oracle Solaris 11.1 で削除されました。Adobe の Web サイトから以前のバージョンをダウンロードできますが、Adobe では Oracle Solaris 用の Flash をすでに作成しておらず、サポートしていません。

  • 共通デスクトップ環境 (CDE) - CDE は Oracle Solaris デスクトップ (GNOME 2.30) に置き換えられています。

  • ESounD - GStreamer プログラム (gst-launch など) に移行します。

  • gnome-keyring-manager – この機能は Seahorse に置き換えられています。

  • GNOME オンスクリーンキーボード (GOK) プログラム - 場合によっては、代替として Dasher アプリケーションを使用できます。

  • GNOME システムツール (以前の Oracle Solaris 11 リリースで導入されています):

    • network-admin - この機能は NWAM に置き換えられています。このツールはネットワーク管理 GUI と呼ばれるようになりました。

    • shares-admin - /usr/bin/vp sharemgr コマンドを使用してください。

    • time-admin - /usr/bin/vp time コマンドを使用してください。

    • users-admin (GNOME ユーザーおよびグループツール) - 代替は現在ありません。ユーザーアカウントを管理するためのコマンドとツールを参照してください。

      GNOME システムツールは Oracle Solaris 10 では利用できません。

  • Solaris Management Console – このツールおよびこれに相当するコマンド行は使用できなくなりました。Oracle Solaris 11.1 以降、ユーザーマネージャー GUI がこのツールに置き換わっています。ユーザーアカウントを管理するためのコマンドとツールを参照してください。

  • Solaris 印刷マネージャー – このツールは CUPS 印刷マネージャーに置き換えられています。プリンタの構成と管理の変更を参照してください。

  • Xsun ファミリのサーバー – Xorg ファミリのサーバーは引き続きサポートされます。Xorg ファミリのサーバーを参照してください。