Oracle Solaris 10 では、Solaris Volume Manager を使用して UFS ファイルシステム用に冗長なボリュームを作成できます。Solaris Volume Manager とは、ボリューム管理層とファイルシステム管理層を備えた従来のボリューム管理製品です。
ZFS は、Oracle Solaris 10 および Oracle Solaris 11 リリースで使用でき、ボリューム管理全体を廃止しています。ZFS では、仮想化されたボリュームを作成する代わりに、複数のデバイスを 1 つのストレージプールに集約します。ストレージプールは、ストレージの物理特性 (デバイスのレイアウト、データの冗長性など) を記述したもので、ファイルシステムを作成できる任意のデータストアとして機能します。ファイルシステムが個々のデバイスに制約されなくなるため、それらのディスク領域をプール内のすべてのファイルシステムで共有できます。
Oracle Solaris 11 では、1 つのコマンドで冗長な ZFS ストレージプールを作成できます。ZFS には、ミラー化プールと RAID-Z プールの 2 種類の冗長構成が備わっています。RAID-Z 構成は RAID-5 構成と似ています。
ZFS では、すべての非冗長構成、ミラー化構成、および RAID-Z 構成にわたってデータを動的にストライプ化します。次の追加情報を確認してください。
Solaris Volume Manager RAID-0 (ストライプおよび連結) は、ZFS RAID-Z 構成では使用できません。
次の例に示すように、Solaris Volume Manager RAID-1 (ミラー) を ZFS ミラー化構成として使用できます。
# zpool create tank mirror c1t0d0 c2t0d0 mirror c1t1d0 c2t1d0
次の例に示すように、Solaris Volume Manager RAID-5 (分散パリティー) は、ZFS RAID-Z (raidz1) 構成として使用できます。
# zpool create rzpool raidz1 c1t0d0 c2t0d0 c1t1d0 c2t1d0
Solaris Volume Manager では RAID-6 を提供していませんが、ZFS では RAIDZ-2 と RAIDZ-3 の両方のパリティー構成を提供しており、これは、RAIDZ-2 構成が 2 台のディスクの障害に耐えられることを意味します。次の例に示すように、RAIDZ-3 構成は 3 台のディスクの障害に耐えられます。
# zpool create rzpool raidz2 c0t1d0 c1t1d0 c4t1d0 c5t1d0 c6t1d0 c7t1d0 raidz2 c0t2d0 c1t2d0 c4t2d0 c5t2d0 c6t2d0 c7t2d0