国際化とローカリゼーションに関する次の変更を確認してください。
言語とロケールのサポート – Oracle Solaris 11 では 200 を超えるロケールをサポートしています。デフォルトでは、主要ロケールセットのみがシステムにインストールされます。主要ロケールは通常、ローカライズされたメッセージのレベルで、追加のインストールに使用できるロケールよりも優れたサポートを提供します。インストーラやパッケージマネージャーなどの特定の Oracle Solaris コンポーネントは、主要ロケール向けにのみローカライズされます。GNOME や Firefox などの他社製ソフトウェアのローカライズされたメッセージには、追加のロケールが含まれています。
主要ロケールセットは次の言語をサポートします。
中国語 – 簡体字 (zh_CN.UTF-8)
中国語 – 繁体字 (zh_TW.UTF-8)
英語 (en_US.UTF-8)
フランス語 (fr_FR.UTF-8)
ドイツ語 (de_DE.UTF-8)
イタリア語 (it_IT.UTF-8)
日本語 (ja_JP.UTF-8)
韓国語 (ko_KR.UTF-8)
ポルトガル語 – ブラジル (pt_BR.UTF-8)
スペイン語 (es_ES.UTF-8)
ロケールに関する重要なその他の変更には、ポルトガル語 (ブラジル) ロケールの追加とスウェーデン語ロケールの削除があります。
ロケールに関するその他の変更点 – Oracle Solaris 11.1 以降、ロケールに関する次の変更点が導入されています。
日本語 (ja_JP.UTF-8@cldr) ロケール – このロケールは、日本語ロケール用の Unicode Common Locale Data Repository (CLDR) に準拠する、日本語 UTF-8 ロケール (ja_JP.UTF-8) の新しいバリアントです。ロケールは、system/locale/extra パッケージからインストール可能なオプションコンポーネントです。
簡体字中国語、繁体字中国語、韓国語、およびタイ語 UTF-8 ロケールのロケールデータが Unicode 6.0 をサポートするように更新されました。
言語とロケールのパッケージング – Oracle Solaris 10 では、ドキュメント、ローカリゼーション、デバッグファイルなどのオプションのパッケージコンポーネントは、個別のパッケージに分割されています。ただし、Oracle Solaris 11 では、IPS でファセットと呼ばれる特殊なタグを使用することで、これらの各種パッケージコンポーネントを同じパッケージに格納できます。ファセットによって、ディスク使用率が最小限に抑えられるだけでなく、パッケージ化プロセスが簡素化されます。ロケールファセットは、言語またはロケール固有のファイルまたはアクションにマークを付けるために使用されます。
次のように、システム上のファセットのステータスを表示します。
$ pkg facet
nlsadm コマンドを使用すると、ロケールを管理できます。このコマンドでは、統合された便利な方法で各国語のプロパティーを管理できます。nlsadm コマンドは、Oracle Solaris 10 で使用される localeadm コマンドに置き換えられます。
たとえば、次のように Danish ロケールと使用可能な翻訳をインストールします。
# nlsadm install-locale da_DK.UTF-8
詳細は、nlsadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
システムのデフォルトロケールの設定 – Oracle Solaris 10 では、デフォルトのシステムロケールは /etc/default/init ファイル内に構成されます。Oracle Solaris 11 以降、このファイルは廃止され、構成は svc:/system/environment:init SMF サービスの対応するプロパティーに移行されています。ロケール、タイムゾーン、およびコンソールキーマップの構成の変更を参照してください。
省略形式のロケール – Oracle Solaris 10 では、ja、de、de_AT など、language_country.encoding[ @modifier] 形式に従わない省略形式のロケール名をいくつかサポートしています。これらのロケールは、Oracle Solaris 11 で元の形式では存在せず、locale_alias メカニズム経由での完全修飾ローカル名へのエイリアスとしてのみ存在します。Oracle Solaris 11 以降は、完全修飾ロケール名を使用するようにしてください。または、可能な場合は、UTF-8 ロケールを使用してください。http://www.oracle.com/technetwork/systems/end-of-notices/eonsolaris11-392732.html にある機能終了の通知を参照してください。
ロケールの別名化 – ロケールの別名が新しく追加されました。ロケール名の別名は、受け入れられて、対応する正規のロケール名にマップされます。たとえば、de ロケールは正規の de_DE.ISO8859-1 ロケールにマップされます。ロケール名のすべてのマッピングについては、locale_alias(5) のマニュアルページを参照してください。
Oracle Solaris 10 では、ロケール、タイムゾーン、およびコンソールキーマップの構成は /etc/default/init ファイル内に設定されます。Oracle Solaris 11 では、次の SMF サービスを使用してこの構成を管理します。
システムロケール – svc:/system/environment:init
タイムゾーン – svc:/system/timezone:default
コンソールキーマップ – svc:/system/keymap:default
nlsadm コマンドを使用して、これらの各国語プロパティーを表示および設定します。次の例は、nlsadm コマンドを使用してこれらのプロパティーを設定する方法を示しています。
デフォルトロケールを次のように fr_FR.UTF-8 に変更します。
# nlsadm set-system-locale fr_FR.UTF-8
タイムゾーンを次のように Europe/Paris に設定します。
# nlsadm set-timezone Europe/Paris
コンソールキーマップを次のように US-English に設定します。
# nlsadm set-console-keymap US-English
日付と時間の構成に関するその他の変更については、インストール前後の日付と時間の再構成を参照してください。